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(8)検定試験
 検定試験は、講習の修了後に行われ、対象者は、当協会会員の事業場に所属する従業員に限ります。検定試験は、原則として筆記試験、口述試験及び実技試験の3科目を行います。
 筆記試験の問題は、指導書の範囲内から出題されますが、実技試験は、計算の演習問題が課されることになります。口述試験は短時間ですが受験者の知識、経験、技術あるいは人柄等を判断して資格者としてふさわしい人であるかどうかを判定するための重要な試験です。
 
(9)検定試験の受験申込み
 検定試験を受験する人が所属する事業者は様式1.6(14頁)の受験願書に必要事項を記載のうえ受験料を添えて当協会に申込んで下さい。
 受験願書の様式は、強電と弱電と共通のものとなっています。
 
(10)資格証明書及び資格証の交付
 検定試験に合格した人には、資格証明書と資格証を交付します。資格証(様式1.8(17頁))は技能手帳貼付用のものですから、必ず技能手帳の資格証紙貼付欄に貼って下さい。
 また、資格証明書も、他の資格証明書と共通の様式ですので様式1.7(15頁)を参照して下さい。
 
(11)資格の有効期間及び資格の維持
 資格の有効期間は、他の資格と同様で取得した日から4年間で、この有効期間は資格証明書に記載されています。従って、その資格を引き続き維持するためには、有効期間内に資格を更新する手続きが必要です。この手続きは強電の場合と同じですので、強電の資格維持のための手続I.1.(11)(17頁)を参照して下さい。
 
(12)資格更新研修
 資格更新研修は弱電用の資格更新研修用指導書を使用して通信研修方式により実施します。研修の実施要領については強電の場合と同じですので、強電関係のI.1.(12)資格更新研修(17頁)を参照して下さい。
 
(13)資格者に関する変更の届出
 資格者に関する変更が生じた場合の届出については強電の場合と同じですので強電関係のI.1.(13)資格者に関する変更の届出(21頁)を参照して下さい。
 
(14)資格の取得と航海用レーダー等装備・整備事業場
 平成9年6月16日に、船舶検査の方法が制定・施行され「航海用レーダー等装備・整備事業場制度」が開始されました。(次ページ以降参照)。
 これにより、管海官庁においては「航海用レーダー等装備・整備事業場の施設等の基準に基づく証明」が行われることになり、その基準の一つとして装備工事及び整備業務実施上の責任者及び技術者を有することが義務付けられています。航海用レーダー等の装備工事及び整備についての業務実施上の責任者及び責任者代行として、当協会の「航海用レーダー整備士」の資格がそのまま認められています。
 この航海用レーダー及び自動衝突予防援助装置の装備工事及び整備に係る証明を受けた事業場(以下「レーダー等認定事業場」という。)で装備又は整備された航海用レーダー等については、整備記録等により定期検査及び中間検査等における船舶検査官の立会い、あるいは(財)日本海事協会の検査員の立ち会い(日本籍船に限る。以下同じ。)が省略されることになっています。このことは装備工事や検査の合理化の面で大きな貢献をするばかりでなく、資格者にとっても国際的な視野で使用される航海用レーダー等について、装備・整備業務上の技量や知識を公に認められることになり、従業員育成のうえでも大きな励みになるでしょう。
 
2. レーダー等認定事業場について
(1)レーダー等認定事業場とは
 「レーダー等認定事業場」とは、前述したように、「船舶検査の方法」の附属書H−5の規定に基づく「航海用レーダー等装備・整備事業場の施設等の基準」(以下「レーダー認定基準」という。)に適合し、管海官庁から「航海用レーダー等の装備工事及び整備を行う特定の事業場」として証明書の交付を受けた事業場をいいます。
 このレーダー等認定事業場が所定の「社内装備・整備標準」に従って行った航海用レーダー等に係る装備工事及び整備については、船舶検査官あるいは(財)日本海事協会の検査員の行う定期検査及び中間検査時の立会いが省略されることになっています。
 上記関連通達の抜粋等を付録24及び9に掲載します。
 なお、レーダー等装備・整備事業場が管海官庁あるいは(財)日本海事協会の支部に提出する記録表等の用紙(付録13の様式RF様式R−1様式R−2及び様式GM−1)は、当協会で準備しているものを使用して下さい。
 これらの概要を図2.1のフローチャートで示します。
 このフローチャートで判りますように、レーダー等認定事業場となるためには当協会で実施している資格を取得することが前提となっています。
 
図2.1 レーダー等認定事業場関係のフローチャート
(拡大画面:54KB)
 
(2)レーダー等認定事業場になるためには
 「レーダー等認定事業場」になるためには、前述のようにレーダー認定基準に適合していなければなりません。この基準には、「施設及び設備」、「責任者及び技術者」、「社内装備・整備標準」及び「工事実績」の4つの要件が定められていますので、先ずは、これらの要件を満足させることが、前提条件となります。
 以下に、これら要件の詳細について説明します。
(1)施設及び設備
(イ)施設
 航海用レーダー等の装備工事及び整備を行うために必要な機器の保管場所、及び試験、検査を行うために必要な機器を保管するのに適当な場所を保有していなければなりません。
(ロ)機器及び備品類等
 航海用レーダー等の装備工事及び整備に必要な機器及び備品類等として次のものが必要です。
・携帯用ドリル
・オシロスコープ(5MHz以上のもの)
・周波数測定器(9GHz帯の周波数の測定が可能なもの)
・テスタ
・絶縁抵抗計(500V)
・導波管気密試験器
・ストップ・ウオッチ
(2)責任者及び技術者
 航海用レーダー等に係る適切な装備工事及び整備を行うための十分な技量及び関係法規等の知識を有する業務実施上の責任者(以下「責任者」という。)(1名)並びに適切な技量及び知識を有する技術者(以下「技術者」という。)(1名以上)がいなければなりません。
(イ)責任者
 責任者は、当協会の航海用レーダー整備士の資格を保有していなければなりません。
 なお、責任者が病欠、出張等の理由により不在となった場合、業務に支障のある事業場においては、責任者が不在の間業務を代行する者(以下「責任者代行」という。)をあらかじめ選任しておくことができることになっていますが、この責任者代行も当協会の航海用レーダー整備士の資格を保有していなければなりません。
(ロ)技術者
 技術者として認められるのは、3年以上の実務経験を有する者とされていますが、技術者も当協会の航海用レーダー整備士の資格を保有していることが望ましいのは言うまでもありません。
(3)社内装備・整備標準
 国土交通省の定めた「航海用レーダー装備基準」、「航海用レーダー整備基準」及び自動衝突予防援助装置整備基準」に適合する社内装備・整備標準を保有していなければなりません。この標準には、少なくとも次の事項が記載され、装備工事や整備に際して活用されていなければなりません。
(イ)責任者(1名)及び責任者代行(3名まで)の氏名、資格の種類・番号・認定年月日。
(ロ)装備工事及び点検要領
 各ユニットの船体への取付け、導波管やケーブルの布設及び保護措置、電食・腐食の防止処理及び接地について、その方法、基準、注意点等が記載されていることが必要です。また、装備工事終了後の点検方法が明確になっていることが必要です。
(ハ)整備及び点検要領
 各ユニット及び導波管やケーブル等の点検・整備の方法、基準、注意点等が記載されている必要があります。また、整備終了後の点検方法が明確になっていることが必要です。
(4)工事実績
 次のいずれかに該当する実績を有していることが必要です。
(イ)過去4年間に8隻以上の義務船(総トン数300トン以上の船舶及び国際航海に従事する総トン数300トン未満の旅客船)の新造船の航海用レーダー等について装備(換装を含む。以下同じ。)工事を行った実績。
(ロ)過去4年間に新造船、在来船、義務船、非義務船を問わず、24台以上(自動衝突予防援助装置(以下「ARPA」という。)の場合で別置の場合は1台とみなす。)の航海用レーダー等について、装備及び点検・整備を行った実績。







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