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(11)資格の有効期間及び資格の維持
 検定試験に合格して取得した資格の有効期間は、「船舶電気装備技術者の資格等に関する規程」において、取得した日から4ヶ年間と定められています。これは、資格者に交付する資格証明書(裏面)に記載されています。
 従って、その資格を、維持するためには、有効期間内に資格を更新する手続きをしなければなりません。この手続きが(12)で述べる資格更新研修で、この研修を受けることにより更に4ヶ年間資格を維持することができます。
 例えば、平成14年3月31日に資格の有効期間が満了する人は、平成13年度の資格更新研修を受講して頂くことになります。
 なお、更新研修は、4年以内に受けることになっておりますので1年目、2年目で受けても差し支えありませんが、その場合更新後の有効期間は、更新時点から4ヶ年間となりますのでこの点に留意して下さい。
 
(12)資格更新研修
 前項で述べたように、資格者は資格の有効期限内に資格更新研修を受けて資格を更新しなければなりませんが、この研修は、通信研修方式により次の要領で実施することになっています。
(1)研修の実施方法
(イ)研修は資格更新研修用指導書を使って行いますが、この指導書は、船舶設備関係法令及び規則等を収録し、働きながらでも勉強ができるよう分かり易く解説したものです。
(ロ)研修受講者は、毎年の10月から12月頃までの約3ヶ月間の通信研修期間内にこの指導書を読んで勉強し、指導書に添えてある添削問題に解答し、当協会に提出、添削指導を受けることになります。
(ハ)添削問題の解答が一定の水準に達していない受講者については、東京で再研修を受けて頂くことになります。該当する受講者には、添削答案を返却する際にその旨を通知します。
(2)資格更新対象者への通知
 資格の有効期間が満了する年度に該当する資格者に対しては、研修実施予定日のおおむね1ヶ月前までに所属事業主を通じて資格更新研修のご案内をします。
(3)資格更新研修の申込み
 資格更新研修を受講する人が所属する事業者は、別掲様式1.9の申込書に受講者名、資格の種類等を記載のうえ、受講者の技能手帳(顔写真が出ている頁)の写し及び受講手数料を添えて当協会に申込んで下さい。
 この場合、申込書の受講者名は受講者本人の自筆で記載することが必要となります。ただし、受講者名自筆を当協会に登録してある場合は、自筆以外の方法で受講者名を記載できます。
(4)自筆の登録
 受講者名の本人自筆を登録する場合は、別掲様式1.9の申込書の自筆氏名記載欄に受講者本人の自筆で記載し、当協会に申し込んで下さい。
(5)研修用指導書の送付及び添削問題の提出
 資格更新研修の手続きを完了した場合は、受講者が所属する事業者あてに研修用指導書を送付します。
 受講者はこの指導書で勉強し、指導書に添えてある添削問題について解答し、これを当協会に提出して下さい。
 この場合、添削問題の解答は受講者本人の自筆で記載する必要があります。自筆以外の方法で解答した場合は、その解答は無効となりますのでご注意下さい。
 
様式1.9
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(6)資格更新研修の修了
 通信研修の結果、一定の水準に達していると認められた場合は、資格更新研修は修了します。
 また、再研修を受講した人について一定の水準に達していると認められた場合は、資格更新研修は終了します。
(7)資格更新証の交付
 資格更新研修を修了した資格者に対しては、次のような方法で資格の有効期限を書換えます。
(イ)資格更新証(資格証明書貼付用)の交付
 資格更新研修を修了した人に対しては、資格証明書貼付用として資格の有効期限を書換えた資格更新証を交付します。
 この証紙(様式1.10)は資格証明書貼付用のものですから必ず資格証明書の裏面の資格更新証紙貼付欄にこれを貼って下さい。
 これにより資格証明書の有効期間が書換えられたことになり、4年間資格を維持することができます。以降、資格更新ごとに上述の手続を繰返すことになりますが、この証紙の貼付欄に空欄がなくなった資格者には新たに資格証明書を書換えて交付します。その後証紙の貼付欄がなくなるまで資格更新ごとに、上述の方法で資格証明書の有効期限を書換えることになります。
 
様式1.10
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(ロ)資格更新証(技能手帳貼付用)の交付
 資格更新研修を修了した人に対しては、更に技能手帳貼付用として資格の有効期限を書換えた資格更新証を交付します。
 この証紙(様式1.11)は技能手帳貼付用のものですから必ず技能手帳の資格更新証紙貼付欄に貼って下さい。
 
様式1.11
 
(8)資格更新研修を受けなかった人の取扱い
 資格更新研修を受けなかった場合は、原則として資格が消滅することになっていますが、研修期間中病気や海外出張等のやむをえない理由で受けられなかった人は、特例として研修の受講が一時猶予され、資格を維持することができます。ただし、医師の病気診断書や海外出張時のパスポートの写し等の証明書を添付した理由書を当協会に提出し、許可を受けなければなりません。理由書の様式は任意ですが、必ず代表者の記名、押印をして下さい。
 なお、この特例を受けた人は、翌年の研修を受講しなければなりません。この場合の資格の有効期間は前年にさかのぼって4年間となりますので次回の資格更新研修は4年以内ではなく、3年以内に受けなければなりません。
 
(13)資格者に関する変更の届出
 資格者に関し、次のような変更があった場合は、必ず文書により、当協会に届出を速やかに行って下さい
(1)資格者が退職したとき。
(2)資格者が入社したとき。
(3)資格者が氏名を変更したとき。
(4)技能手帳記載事項に変更があったとき。
(5)資格者が死亡したときなど。
(注)(i) (1)及び(5)に該当する場合は、資格証明書及び技能手帳を当協会に返還して下さい。
(ii) (2)に該当する場合であって転職前の所属事業場が当協会を退会し、1年以内に転職して入社した資格者については、その旨を記載した証明書を添付し、様式1.12により当協会に申請して下さい。
 また、転職前の所属事業場を退職し、1年以内に入社した資格者については、その旨を記載した申請書に、転職前の所属事業場の事業主がその者の転職に同意している旨の「同意書」を添えて当協会に提出して下さい。なお、当該期間が1年を超過した場合は、資格が失効しますので注意して下さい。
(iii) (3)に該当する場合は、資格証明書及び技能手帳の書換えを様式1.12により当協会に申請して下さい。
(iv) (4)に該当する場合は、技能手帳の書換えを様式1.12により当協会に申請して下さい。
(6)技能手帳並びに資格証明書を紛失した場合は、様式1.12により当協会に申請して下さい。
 
様式1.12
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(14)資格の取得と船舶電気艤装工事事業場
 資格を取得すれば、どのような利点があるのでしょうか。
 まず、第一には本人の技術が向上することであると思います。現代は技術時代といっても過言ではありません。技術時代を生きて行くためには、正しい技術、すぐれた技術を修得し、これを推進して行くことが必要であります。近時、各方面において、技術教育が盛んに行われている所以であろうと思います。すぐれた技術によって業務にあたれば、本人は自信をもって仕事をすることができるばかりでなく、安心して仕事をまかせることができます。仕事の能率も、おのずから改善されるでしょうし、顧客の信用も次第に高まっていくでしょう。このことは、効果がすぐ目に見えないのですが、長い目で考えたいものです。
 さて、資格者が一定の人数に達し、基準に適った工場設備を備え、かつ、十分な装備工事の実績をもっている事業場は、申請をすれば、管海官庁より「船舶電気艤装工事を行う特定の事業場としての証明書」の交付を受けて、いわゆる「船舶電気艤装工事事業場」となることができます。
 船舶電気艤装工事事業場となりますと、船舶検査において、電気設備の立会検査の一部を書類検査だけで済ますことができます。このことは整備工事や、検査の合理化という点で大きい利点であろうと思いますが、また、そのことによる信用の増大という点も見逃せないと思います。
 この船舶電気艤装工事事業場(以下「電装認定事業場」という。)のことにつきましては、次項において詳しく解説したいと思います。







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