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米国造船業における集約統合化

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・ジェネラル・ダイナミクス(GD)

舶用システム、戦闘システム、情報技術を手がけている国防契約企業である。同社は1990年代前半に、国防予算の縮小を見越して国防部門からの撤退を一旦決定したが、1995年以降、事業戦略を180度転換して戦略的買収による国防部門の拡張を始めた。

1952年の設立以来、造船部門としてエレクトリック・ボート(コネチカット州グロトン)を保有しているジェネラル・ダイナミクスは、造船部門における水平統合を積極的に推し進め、1995年9月にはバス・アイアン・ワークス(BIW)(メイン州バス)を、1998年11月にはNASSCO(カリフォルニア州サンディエゴ)をそれぞれ買収統合し、米国の船舶造修部門における最大手となった(詳細は2-4(1)参照のこと)。これらの3造船所から構成されるGDマリン・システムズ・グループは、潜水艦、水上戦闘艦、揚陸作戦艦艇、海上輸送艦の建造では大手である。

1999年初めにも、ジェネラル・ダイナミクスはニューポート・ニューズ造船とアボンデール・インダストリーズの合併合意に対抗して、ニューポート・ニューズ造船の買収を仕掛けたが、国防総省が両社の合併は競争上認められないとする裁定を下したため、その目論見は不成功に終わった(詳細は2-4(2)参照のこと)。

 

 

 

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