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11.36 これらの提案を銘記して、議長は、当該留保取り下げについて、多少なりとも状況を適切に解決できるかどうかを確かめるため、パナマ代表団と本件について立場を留保した各国政府間の非公式協議のための時間を許可した。
 
11.37 これらの非公式協議の後、パナマが、当該会合はIPTA及びINTERTANKOの力添えで、フィリピン及びマレーシアとの間で行われ、当該各政府にとって最終的返答は不可能である一方で、当該関連各国の懸念を軽減するため、何らか手助けとなる方策の提案ができるかもしれないという指摘があったことを報告した。とはいえ、MEPC 52において、当該関連各国が留保を取り下げるかどうかについて指摘することは可能となるであろう。
 
11.38 しかしながら、当委員会は、MARPOL附属書Iの下に段階的に廃止されているシングルハル船については、ひとたび改正MARPOL附属書IIが発効された場合、植物油輸送には許可されないことになり、その結果、特定の植物油輸送スペースの不足が実証された場合、この問題克服のためには、第4.1規則が適用されるという理解で合意した。
 
11.39 議長は留保している代表団に対し、このことが彼らのMEPC 52における留保取り下げに結び付くことになるのかどうか検討するよう促した。
 
11.40 当委員会は、IBCコードの修正提案の審議において、MEPC 51/11/5でIACSにより表明された、改正IBCコードからのm欄(建造資材)を削除するという事項に対する懸念を銘記した。IACSは、貨物が建造資材と相性が良いことを確保する責任については、荷主及び船舶運航者にあることを指摘した。IACSは、造船者と船主の間の紛争を避けるために、このような情報のデーターバースについてはIMOが継続維持すべきであると主張した。その意思がない場合の対応として、IACSは、IBCコード第6章に編入すべき6つの点を提案していた。
 
11.41 当委員会は、建造資材についての適切な定義問題は、ESPHにおいて詳細に議論され、有意義な標準の作成が非常に複雑かつ極めて困難であると結論付けられたことを認識した。加えて、当委員会は、船主については、IBCコードのm欄については無視する傾向にあり、特定貨物輸送の結果として船舶の損傷が生じないことを確保するための船主自身の検査実施を好んでいるという報告を受けた。
 
11.42 しかしながら、当委員会は、このことはそもそも安全問題であり、MSCの審議に委ねるべきことで合意した。
 
11.43 当委員会は、時代遅れのMEPC回覧については次回刊行のIBCコードから省略すべきことで合意した一方で、MSCに対し、MSC回章抹消要求について審議すべきよう要請したことを認識した。
 
11.44 これらの点にもかかわらず、当委員会は、IBCコード第17章の既存欄について、若干数の欄については不要となるであろうと認識する一方で、欄本文については混乱を回避のため存続すべきことで合意した。
 
11.45 当委員会は、さらなるIBCコードの修正については、2007年1月1日以降に、改正MARPOL附属書IIの結果生じる必然的修正の効力発生を遅らせてはならないことで合意した。
 
11.46 当委員会は、IBCコード第19章については、海上における液体化学廃棄物の焼却がもはや認められていないので、削除できることで合意した。
 
11.47 当委員会は、IBCコードの維持を促進し、かつ、関連書類を同じバインダーに保持するため、次版IBCコードについては、A4サイズのルーズリーフ形式とすることで合意した。
 
11.48 当委員会は、現行IBCコードにおいては、船舶Typeの指定が安全性又は汚染のよるものかどうか常時明白ではないことを認識し、改正IBCコードにおいて、汚染標準に基づいた改正船舶Typeとする場合には、以下のいずれかの汚染標準にすることで合意した。
 
.1 既存汚染標準より高くして、改正船舶Typeを指定する。
 
.2 既存汚染標準より低くして、現在の船舶Typeが安全性の考慮からのものではないと立証されない限り、現在の船舶Typeが指定されることになる。
 
11.49 当委員会は、MEPC 49において、ESPH作業部会に対し、GESAMP/EHS作業部会の将来の作業予定に関する若干数の事項について、当該作業部会の意見を提出するよう指示したことを想起した。当委員会は、MEPC 51/11第11.2.5項に記載の作業部会見解を審議して、当該見解に同意した。
 
11.50 当委員会は、ESPH作業部会には、まだ相当量のMARPOL附属書II発効関連作業があることを認識し、ESPH作業部会を2004年8月30日〜9月3日の間会合することで合意した。しかしながら、MEPC 51が、予想以上のさらなる作業の実施を当該部会に指示する可能性があるので、第2回中間期会合が必要となるであろうことも認識された。結果として、この問題を議題20の下でさらに審議することが合意された。(20.14項参照
 
11.51 当委員会は、ESPH作業部会が、MEPC 51/11の第7.1.5項において、他に規定のない2品目及び特定植物油関連1品目の項目の削除で合意していることを銘記した。作業部会長は、当委員会に対し、これらの項目については1970年代に産業を支援する目的で記載されたものであるが、適切に申告されていたら汚染カテゴリーBとなる多くの不適切な製品が、これらの項目の下に船積みされていたことを報告した。作業部会がこれらの品目の削除で合意した理由は、このような状態が継続することを回避し、改正IBC コードを確固たるものにすることにある。
 
11.52 しかしながら、米国は、ESPH報告書が当委員会に本件に関する措置を講ずるよう要求していないことに懸念を表明した。結果として、当委員会は、本件についてはMEPC 52で審議することで合意した。
 
IBCコード起案部会の設置
 
11.53 当委員会は、ESPH報告書及びIBCコード関連付随提出物を審議し、MEPC 52における採択を意図して、MEPC 51で承認できるように、IBCコードについての最終的な編集上の修正するために、M. Tiemens-Idzinga夫人を部会長とした起案部会を設置した。
 
11.54 起案部会は、以下の事項を指示された。
 
.1 当委員会の決定を考慮して、IBCコード改正に影響する問題についての検討
 
.2 正確を期した本文の相互関係の確認
 
.3 適切と判断される編集上の修正
 
.4 木曜日に、承認のためのIBCコード改正本文を含む報告書の当委員会への提出
 
改正IBCコード起案部会報告書
 
11.55 起案部会長は、報告書(MEPC 51/WP.13)を提出し、起案部会が指示事項を実施し、当委員会による検討のための新本文を作成したことを指摘した。しかしながら、当委員会は、MEPC 51/WP.13第3.2項における特定の事項について配慮した。
 
11.56 当委員会は、起案部会報告書に基づいて、以下の措置を講じた。
 
.1 IBCコードについては、SOLAS及びMARPOL両条約の下の強制コードであるので、様々な‘should’の引用については‘shall’に置換するべきことで合意して、事務局に対し、SOLAS第VII章第10.1規則の最終文が本当に必要であるかについて照査するよう指示した。
 
.2 改正コード第11章がSOLAS第II-2章従った安全事項を含んでおり、これらについては将来の修正事項となることを銘記した。
 
.3 第6章の本文については、MSC 78における検討事項となることが期待されているので、鍵括弧付けとすることを銘記した。
 
.4 第6章に関するMSC決定が、過酸化水素の運送に関し具体的要件を特定している第15.5.1.2及び15.5.1.3項に影響することになることを銘記して、事務局に対し、この件に関するMSC決定に対応して、必要な変更をするよう指示した。
 
.5 IBCコードの第17及び18章が含まれていないことで合意し、事務局に対し、最終本文回章前にこれらの章を含むよう指示した。
 
.6 コード第17及び18章への索引については、当委員会が削除を決定した第19章と置き換えるため、原文の第19章の位置に移動されていることを銘記した。
 
.7 最終本文回章前に、第21章の各項については、他の章と調和して番号変更する必要があることを銘記して、事務局に対し、本文回章に先立って、この作業に着手するよう指示した。
 
.8 附属10に記載の改正IBCコード本文を承認し、事務局長に対し、MEPC 52による採択を意図して、回章に付すよう指示した。加えて、当委員会は、MSC 78に対し、承認及びSOLAS条約の規定に従った最終的採択を意図して、改正IBCコードを審議するよう要請した。また、MSC 78は、MEPC 52による改正コード採択時にMSC 78の見解が反映されるように、改正IBCコードに関するコメントをMEPC 52に提出するよう要請された。
 
.9 MEPC及びMSCにより採択されるべき改正IBCコード本文については、等しく同一なものであることで合意した。
 
.10 事務局に対し、次の事項を指示した。
 
.1 MEPC 52でのさらなる検討のため、MEPC 51/11の第7.1.3項で特定されている、IBC コード第17章又は第18章の鍵括弧内の植物油の3品目について、適切に含めること。
 
.2 改正IBCコード第1.5.4.4項が時代遅れなものであるかどうか照査し、そうであるならば、当該項を削除し、後に続く項番号を適切に変更すること。
 
.3 HSSC(Harmonized System of Survey and Certification)コードに従って、ばら積み危険化学薬品運送のための国際適合証書の見本書式を修正すること。
 
.4 ESPH作業部会及びBLG小委員会による検討のための改正IBCコード(危険化学薬品ばら積み運送のための船舶の構造及び設備に関する国際規則)に照らして、BCHコード(危険化学薬品ばら積み運送のための船舶の構造及び設備に関する規則)の改正版について、将来のMEPC会期での承認のための提出に先立って準備すること。
 
12 改正MARPOL附属書I及び附属書IIへのフォローアップ
12.1 当委員会は、MEPC 49の間、検討された改正MARPOL附属書I及び附属書IIの履行に付随する一連の事項について審議されていることを想起した。その結果として、これら2つの附属書に付随する適切な進展について審議するため、この議題を加えることで合意された。
 
MEPC 50で採択されたMARPOL附属書Iの修正
 
12.2 当委員会は、文書MEPC 51/12及びMEPC 5/12/Corr.1に概説されている以下の点について銘記した。
 
.1 MEPC 49が、MEPC 51での最終的な承認及びMEPC 52での採択を得るのに先立って、MEPC 50結果からのいかなる修正をも編入することを意図して、MARPOL附属書I改正本文案について大筋で承認したこと。
 
.2 MEPC 50が、第13G規則の修正、新規則13H、また、2005年4月5日に発効が期待されるCAS(Condition Assessment Scheme)及びIOPP証書Supplement(Form B)から生ずる必然的修正について採択したこと。
 
.3 加えて、MEPC 50が、カテゴリー2油タンカーの定義に関する第13G(3)(b)規則の新たな統一解釈について承認したこと。
 
.4 既存MARPOL附属書Iから、改正附属書Iに改正第13G規則及び新規則13Hを編入するために、加盟者は、次の事項を銘記するよう要請されたこと。
 
.1 改正附属書I第20規則は、既存附属書Iの修正規則第13Gである。
 
.2 “Part D - 特定の油を運送するための要件”という表題の第35規則については、既存附属書Iの新規則第13Hを反映させるため、改正附属書Iに挿入されている規則である。
 
.3 カテゴリー2油タンカーの定義に関する新統一解釈については、番号33として統一解釈に挿入される。
 
.4 統一解釈4.1.1の修正については、改正附属書Iの統一解釈26.1の副項第5及び6項に含まれる。
 
.5 これらの結果生じた改正附属書Iの規則及びその統一解釈については、適切に番号を変更する必要がある。
 
12.3 当委員会は、上述事項を審議して、事務局に対し、改正MARPOL附属書Iについて、改正第13G規則、新第13H規則、新第13I規則及び改正第26規則(第10.19項参照)、並びに必然的修正事項を編入することを指示し、また、事務局長に対し、MEPC 52において採択できるように、改正附属書Iを回章に付すよう要請した。改正MARPOL附属書Iの本文は、附属11に含まれている。
 
12.4 当委員会は、現行附属書Iにおける新第13H規則については、現行附属書の修正規則第13G項である第20規則の後の第21規則に番号変更すべきという日本提案に同意した。
 
12.5 米国が、現行附属書Iの第13G及び13F規則への米国の立場を留保するので、そのことは、米国が、改正附属書Iにおける該当規則への立場を留保することになると述べた。
 
12.6 しかしながら、米国が、現行附属書Iの新第13H規則についての改正附属書Iにおける該当規則の加盟国となることを検討できるようにするため、当委員会は、改正附属書I採択に関するMEPC決議の効力発生に関する項の中に、類似した文章を含めることで合意した。このことは、加盟国による、MARPOL条約16(2)(f)(ii)条に従った、個々の規則の分離検討を容認することになる。


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