10 各小委員会の報告
DSC 8の結果
10.1 当委員会は、危険物、個体貨物及びコンテナ小委員会(DSC)の第8会期が2003年9月22〜26日の間開催され、その報告書がDSC 8/15として回章付されていることを銘記した。
10.2 当委員会は、当該小委員会からの委託事項(MEPC 51/10)を審議して、下記に記載の措置を講じた。
10.3 当委員会は、国連により採択された規準が、MARPOL附属書IIIの下に採択され、かつ、水圏(海洋)環境に危険な物質を定義する国際危険物海上運送規約(IMDGコード)に反映されるべきことで合意した。
10.4 この件を決定する際に、当委員会は、国連TDG小委員会により採択された規準が、水圏環境に危険であり、あらゆる輸送方法による梱包品輸送に適切と考えられている製品を定義するGHS(Globally Hamonized System of Classification and Labelling of Chemicals)から抜粋されていることを銘記した。
10.5 当委員会は、GMMO及びGMOに関連する修正についてはIMDGコードに含めるべきと認識する一方で、DSC 8/3/Add.1附属6の鉤括弧内に記載のIMDGコード修正提案第2.9章については、現時点においては削除すべきことで合意した。
10.6 このことに関連して、IMDGコード修正提案の第2.9章については、海洋汚染物質定義のための新規準提案に付随して、IMDGコードに含む前のMEPC審議が必要となる様々な要素を含んでいることが銘記された。このことが、現時点における、海洋汚染物質についての決定がなされるまでの、GMMO及びGMOに関連する修正以外の第2.9章全体の削除で合意した理由である。
10.7 当委員会は、IMDGコードの適切な修正に関連する問題が解決されるまでは、MARPOL附属書IIIに関連する修正を勧告することが不適切であることで合意した。このような状況において、DSCにおいては、どの製品が輸送中にラベリングされるべきかを定義する問題を含む環境的に関連する物質に付随する要素について、まだ作業中であることが銘記された。
10.8 また、当委員会は、GHS(Globally Hamonized System of Classification and Labelling of Chemicals)に従った危険品輸送に関してUNCOEで採択された規準が、関連IMO法規内でも既に採択されているものならば、深刻な海洋汚染物質の特定が不必要となることで合意した。
10.9 このことに関連して、DSCが、海洋汚染物質のIMO定義へのGHS規準適用が、海洋汚染物質の一般的な定義と深刻な海洋汚染物質の分類分けを不必要とする結果となると認識していることが銘記された。
10.10 深刻な海洋汚染物質の削除については、その時点では深刻な海洋汚染物質のみに適用されるInternational Convention relating to Intervention on the High Sea in Cases of Oil Pollution Casualties (1969) and the related Protocol (1973)(油汚染災害時の公海における仲裁に関する国際条約(1969)及び関連議定書(1973))に影響を与えることになるが、将来的には、すべての海洋汚染物質をカバーするよう修正すべきことで合意された。また、当委員会は、この問題がLEG 88の留意事項となることも銘記した。
10.11 危険品輸送に関するUNCOEで採択されたシステムの下の、また、危険品輸送に関する国連勧告第13版における危険品輸送及び化学薬品の分類及び表示の世界的調和システムの下の、“海洋汚染物質”としての新物質の識別は、新GHSシステム本来のコンセプトに基づいたSelf-Classificationによって総体的に実施されるべきという、第8回MARPOL 73/78附属書III見直し作業部会で確立された見解がDSC小委員会で銘記されていることが認識された。
10.12 当該小委員会の見解を銘記して、当委員会は、その時点では、Self-Classificationシステムの下で不一致が生じた場合に、GESAMP/EHS(船舶で輸送される有害・危険物質評価に関する、海洋汚染について科学的観点から助言する専門家グループ作業部会)が諮問組織として機能する役割がなかったことで合意した。このことに関連して、その時点で実行されていたもの以外についてはGESAMP/EHSに役割がないという、DSC及びBLG間の一般協定がなされていることも銘記した。
10.13 また、当委員会は、環境的危険物質の定義に関連する要素を伴った調和に関連する危険品輸送及び化学薬品の分類及び表示の世界的調和システムに、以下の事項を含むべきことを、UNCOEに指摘することで合意した。
.1 IMOが、海洋汚染物質定義の規準と環境的危険物質UN TDG定義を調和させることを望んでいること。
.2 IMOが、UN TDG規則の下では、クラス1〜9における多くの製品についても環境的に危険とみなされることを懸念していること。このことは、IMOに対し、積付要件があり、かつ、船外損失事故時の当局に通報すべき海洋汚染物質として、クラス1〜9に製品を分類することを認めないことになる。しかしながら、UN TDG小委員会が、それ故に水圏環境への危険性のあるALL物質をクラス1〜8又はまさにクラス9とするかどうか、GHSラベルで識別すべきことで合意していることが銘記された。
.3 IMOは、すべての輸送形態について、同時に新規準が適用されることが極めて望ましいと考えている。
10.14 上述の変更が他のIMO法規に係わってくるという影響を認識して、IMDGコード修正が一旦最終化された時点で、その結果生ずる修正を検討することがより適切ということで合意された。
10.15 また、当委員会は、この問題に関する進行中の議論に照らして修正の必要があることを認識しつつ、IMDG コード及びMARPOL 附属書IIIを修正するための以下に記載の暫定的予定表について合意した。
MARPOL 73/78附属書III及びIMDGコードの改正のための暫定的予定表 |
取るべき行動 |
会合 |
時期 |
IMDGコード及びMARPOL 73/78附属書III改正本文の合意 |
DSC 9 |
2004年9月 |
IMDGコード及びMARPOL 73/78附属書III改正本文の承認 |
MEPC 52 |
2004年10月 |
IMDGコード及びMARPOL 73/78附属書III修正の事務局長による回章 |
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2004年11月 |
IMDGコード及びMARPOL 73/78附属書III修正の採択 |
MEPC 53 |
2005年7月 |
IMDGコード及びMARPOL 73/78附属書III修正の黙認 |
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2006年4月 |
IMDGコード及びMARPOL 73/78附属書III改訂の発効 |
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2006年10月* |
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* 他の輸送形態と調和させるために、2007年1月までの延長もあり得る。
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DE 47からの緊急事項
10.16 当委員会は、第47会DE小委員会が2004年2月25日〜3月5日の間開催され、その報告がDE 47/25として回章されたこと、また一方で、同小委員会からの緊急事項についても、他の3つ関連事項をも加えMEPC 51/10/1で報告されていることも銘記した。
10.17 当委員会は、MEPC 47が、損傷したタンカーに付随するサルベージ作業の間の汚染の危険性を減少させるための措置を提案しているMEPC 47への英国提案(MEPC 47/18/1)を審議した後、DE 45に対し、この議題におけるポンプ・ルームの保護及び陸上ベース・コンピューター・プログラムへのアクセスに関する新項目について、2会期のDEでの目標達成をもって含むよう指示していることを想起した。
10.18 また、当委員会は、MEPC 48がDEに対し、この項目について、最優先で検討し、DE 46の議題に含むよう指示したことも想起した。結果として、DE 47は、もともとは英国がMEPC 47/18/1で提起したこの問題を取り扱っているINTERTANKO提案(DE 47/11)を審議して、当委員会による審議のために、MARPOL附属書Iへの新13I規則及び第26規則関連修正の提案を作成した。
10.19 検討の後、当委員会は、MEPC 52における改正MARPOL附属書Iの本文と一緒の採択という見地から、附属9に記載のMARPOL附属書Iへの新13I規則及び第26規則関連修正についての提案を承認した。
10.20 当委員会は、新13I規則が、2007年7月1日以降に建造される載貨重量5,000トン以上の油タンカーに適用されること、また、新13I(1)規則提案の鉤括弧にしかるべき日付を挿入することで合意した。
DE 47で惹起されたその他の事項
10.21 上述のDE 47からの緊急問題に結論を下し、当委員会は、
.1 DE小委員会作業計画から“救助作業のための、ポンプ・ルームの保護及び陸上ベースのコンピューター・プログラムへのアクセス”の項目を削除するという、DE小委員会の勧告に同意した。
.2 近い将来MARPOL附属書VIが発効する見込みであることから、作業計画の項目“船上排気ガス洗浄システムガイドライン”の優先度を低から高に変更した。
.3 DE 48の議題に“バラスト水管理の安全性”を含めるというDE 47勧告に同意した。
FSI 12からの緊急事項
10.22 当委員会は、第12回旗国小委員会(FSI 12)が2004年3月15日〜19日の間開催され、MEPC 51/WP.11が当該小委員会からの緊急事項を報告している一方で、当該小委員会報告書がFSI 12/22として回章されることを銘記した。
10.23 また、当委員会は、受入設備報告要件の見直しについてのFSI 12結果に関する事項を、議題9(受入設備の不備)の下に審議することも銘記した。
10.24 さらに、当委員会は、FSI 12が、違法、無秩序かつ無報告(IUU)漁業に関連する事項について、FAOの作業への支援を表明していること、また、FSI 12がIMO事務局に対し、漁船の安全及び漁船員の訓練に関するTC(技術協力委員会)活動の詳細な情報を、FAOに提供するよう指示していることも銘記した。
10.25 この点に関し、当委員会は、IUU漁業及び関連事項に関する第二の共同作業部会を組織することにより、FAO、IMO及び地域漁業管理機関(RFMO)の間のさらなる協力関係を模索するという、FSIからFAOへの勧告提案について是認した。
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