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国際海事情報シリーズ79 欧州における航海機器のシステム化の現状と動向に関する調査

 事業名 造船関連海外情報収集及び海外業務協力事業
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


Kelvin Hughes
本社所在地
Kelvin Hughes Limited
New North Road
Hainault, Ilford,
Essex IG6 2UR, UK
Tel: +44 20 8500 1020
Fax: +44 20 8500 0837
E-mail: Sales@kelvinhughes.co.uk
 
企業概要
 Kelvin Hughesは、1851年創業の英国エンジニアリング・グループSmith Groupの子会社。Smith Groupの事業は、(1)探知機器、(2)航空機器、(3)医療機器、(4)専門エンジニアリングの各部門からなり、Kelvin Hughesは専門エンジニアリング部門のマリン・システム事業に属する。マリン・システム事業は、Kelvin Hughesに加えて、海図部門のChartCo社からなる。
 
 Kelvin Hughesは、Smith Group内で唯一の舶用機器製造企業で、親会社Smithからの企業戦略に関する指示や、ChartCo以外のグループ企業との連働はほとんどなく、独立性の高い企業であるとのこと。
 
 Smith Groupの資本金は43億ポンド。同グループはグループ企業別の財務データを公表していないが、専門エンジニアリング部門全体の2002年度売上は4億2,200万ポンド、利益は6,400万ポンド。(出所:Smith Group Annual Report 2002)
 
略史
 Kelvin Hughesは、英国の通信技術者Kelvin卿が19世紀半ばに設立した通信機器ビジネスと、18世紀初頭から続く時計職人Hughes家が、1942年に設立したジョイント・ベンチャーMarine Instruments Ltd.が基礎となっている。
 
 1947年、Kelvin & Hughes Ltd.設立。初期の主要事業は、エコーサウンダー、レーダー、魚群探知機の製造で、英国海軍向けビジネスを中心に事業を拡大していった。
 
 一方、Smithsとの関係は1930年代に遡る。1935年以来、SmithsはHughesの大株主で、両社は航空・航海機器製造で提携していた。1950年には、Kelvin and Hughes(Aviation)Ltd.が設立され、航空関連機器製造を開始。製品販売権はSmithsが独占。
 
 1961年、会社名をKelvin Hughes(Smiths内のKelvin Hughes部門)に変更。
 
 1972年に初めてラスター・スキャン・レーダーを商品化。1970〜80年代にかけて、Kelvin Hughesのレーダーが英国海軍の全船に標準装備される。
 
 1983年、Kelvin Hughes Ltd.となる。
 
 1986年、Camper & Nicholson(Marine)とJ.D.Potter Ltd.を買収。チャート・ビジネスを拡大。
 
 1990年、EPIRBとNAVTEXのメーカー、Lo-Kata Ltd.を買収。
 
 1991年、カラー・レーダー「Nucleus」シリーズ、及びIBSを発売。
 
 1994年、航海機器メーカーQUBIT UK Ltd.、チャート・エージェントBrown & Perring ChartとObservatorを買収。
 
 1995年、INS「Ninas 9000」を発売。
 
 2000年、IBSの新コンセプト「MANTA」を発表。
(出所:Kelvin Hughesホームページより作成)
 
事業内容
 Kelvin Hughesのビジネスは軍用、民間部門に分かれるが、民間部門の主要事業は以下の通りである。
 
航海用電子機器:レーダー、ECDIS、INS/IBS、VDR、AIS等
チャート・サービス:Kelvin Hughes Charts and Maritime Supplies(CAMS)
 
主要製品(航海機器)
レーダー:Nucleus 3 6000/5000、Manta 1700, 2000, 2300(フラット・スクリーン)
ECDIS: Nucleus 3 ECDIS 6000/5000、Manta 1700, 2000, 2300(フラット・スクリーン)
AIS: NIS 2002 MkII(SAAB TransponderTech)
VDR: NDR-2002
INS/IBS: Ninas 9000/8000、MANTA
 
VDR: NDR-2002
特徴
●性能標準IMO A.861(20)、IEC61996準拠し、それを超える性能。
●小型軽量カプセル(CSM: Crash Survivable Module)及びデータ収集装置(DAU)。
●設置と機能追加が容易なモジュール設計。
●リモートLCDリアルタイム表示(RTD)。(オプション)
●ステータス、アラーム・モジュール(SAM)。
●独立保存ユニット(White Box)により、陸上でのデータ保存が可能。(オプション)
●トレーニング及びモニター用PC再生ソフト「Replay」。(オプション)
●「Replay」ソフトにより、電子海図上でVCRスタイルのセンサー情報(船舶の動き、音響等)の再生可能。(オプション)
●12時間以上のデータ保存。
●CSMの海底での発見を容易にするアコースティック・ビーコン装備。
●船舶上PCへのダウンロードを可能にするEthernetポート。(オプション)
●AC及び24V DC電源。(オプション)
 
標準装備・仕様
●DAU(Data Acquisition Unit)
●16個のシリアルNMEAポート
●レーダー1基とのインターフェイス
●VHF1基とのインターフェイス
●SAM(Status and Alarm Module)
●CSM(Crash Survival Module)
●データ・インターフェイス・ユニット(DIU)
●16個のマイク
 
オプション
●White Box及びReplay
●リモートSAM
●リモートRTD
●自動浮揚型データ保存カプセル
●6個までの追加マイク
●2基目のレーダー、ECDISまたはCCTVとのインターフェイス
●2基目のVHFとのインターフェイス
●NMEAポート追加可能
 
ECDIS: Nucleus 3 ECDIS 6000/5000
特徴
●IMO、IEC61174フル型式承認取得。6000ECDISは船級協会のワンマン・ブリッジ操作基準DNV W1、LR IBSに準拠。
●マルチ・ウィンドウ・チャート表示。
●トラッカーボールと3ボタンによる操作。(特許取得)
●パイロット・チェアに搭載されたリモートERGOPOD(オプショナル・トラッカーボール)による操作も可能。
●ENC、ラスターチャート(ARCS、NOAA/VSV)が使用可能。
●自船の位置、航路、通過目標点の同時表示。
●North-Up、Course-Up、Head-Upのチャート表示。
●レーダーとチャートの重畳表示。
●チャートの詳細表示レベルの選択可能。
●ENC配色6種類から選択可能。
●紙海図スタイルのシンボルの選択も可能。
●電子ペンで電子海図に上書き可能。
●深度、喫水を3Dルート・セーフティ・ゾーン表示。
●航路計画機能。
 
ECDIS: Manta 1700, 2000, 2300
特徴
●軽量フラット・スクリーンTFTディスプレイ(IEC61174性能標準に準拠)
●航路計画機能
●航路モニタリング機能
●トラック・コントロール機能(IEC62065性能標準に準拠)
●トラック記録、再生機能
●オートパイロット制御
●ARPAターゲット表示
●レーダーの重畳表示
●画面上でのレーダー制御
●最大50のAISターゲット表示
●イベント記録機能
●電子海図:公式ベクトル・チャートENC S57、ラスター・チャートUKHO(ARCS)、BSB、及びC-MAPのチャートが使用可能
●ERGO Pod操作
●オンライン・マニュアル
 
IBS: Ninas 9000/8000
 IBS Ninasシリーズは、レーダーや多機能ナビゲーション・ディスプレイ等のNucleus2シリーズの航海機器モジュールを基本としたシステム。Ninas 9000の開発にあたって、Kelvin Hughesは、主要船級協会(AB、BV、DNV、GL、LR)と協力し、そのデザインとレイアウトは多くの場合、船級協会の性能標準要求(OMBO、CNC-E/CNC-1、W1-OC/W1、NAVO/NAV-OC、NAV1/IBS)を超えている。
 
 Ninas 8000は、Ninas 9000と同様の性能、デザインであるが、Nucleus 5000を基本としたコンパクトなディスプレイを採用。高速船、沿岸船向き。
 
Ninas 9000の特徴
●モジュラー・レイアウトにより、船舶と航海士の必要に合わせたレイアウトが可能。
●中央コンソール及び補助コンソールには、Kelvin Hughes推奨のサプライヤーからの機器の搭載可能。
●トラッカーボールと3ボタンによる操作。(特許取得)
●ANTS(Automatic Navigation and Track-keeping System)基準に準拠したコニング表示。
●ブリッジ・ウィング・ユニットの追加可能。
 
構成機器
●Nucleus2 ARPA: レーダー
●Nucleus Multi-Feature Displays: ECDIS、ENC
●Manual Steering Workstation: ジャイロ、ラダー・アングル
●Docking Workstation
●Safety Operations Workstation: GMDSS、通信システム
●オートパイロット(Integrated Adaptive Autopilot)
●磁気コンパス
●スピード・ログ
●エコーサウンダー
●風速・風向センサー
●圧力・気温センサー
●測位装置(GDPS、GPS、LoranC、Decca)
●スライディング・チェア
●リモートコントロール(レーダー、電子海図)
●Docking WorkstationとManual Steering Workstation間の相互接続
●外部音響受信システム
 
IBS: MANTA(Management Automation Navigation Telecommunications Array)
(詳細は本文参照
 フラット・スクリーン、エルゴノミック・デザイン採用の省スペース型IBS。以下の2モードでの操作が可能なように設計されている。
 
(1)「At Sea」モード
 多機能レーダー、ECDIS、コニング表示、衝突防止装置(CAAS)の5ディスプレイ、及びアラーム・モニター、制御システム、通信システム。
 
(2)ハーバー・モード
 スーパーヨットは航海時間の最大75%を港湾で過ごすことを念頭に設計されたシステム。電源、ビルジ、燃料、ウォータータンク、火災警報装置、ライト、ビデオ監視装置、船員配置等の船舶機能のモニタリングと管理。また、リアルタイム気象情報システム、ChartCo自動チャート訂正システムを搭載。
 
その他の特徴
●各表示装置は回転、角度変更が可能。
●ERGO POD、3ボタン、共用キーボードによる操作可能。
●オートパイロット・モード時にはステアリングをコンソールに収納することが可能。







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