(8)条件が整えば賛同する取り組み
移送サービスをとりまく環境について、条件が整えば賛成しても良いと思われる事を複数回答してもらった。
「移送サービスは、タクシーの利用が身体的、経済的に困難な利用者を対象にする(60.1%)」「移送サービスの運行者に国等が安全指導、研修を行う(46.8%)」「利用者の需要に応じるため、他団体との共同運行を行う(46.4%)」の3項目が多い。
団体特性別にみると、NPO等ボランティア団体では「利用者の需要に応じるため、他団体との共同運行を行う」が他層に比べて高い(図3-8、表3-7)。
図3-8 今後の取り組みへの意識
表3-7 今後の取り組みへの意識
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身体的、経済的に困難な利用者を対象にする |
国等が安全指導、研修を行う |
利用者の需要に応じるため、他団体との共同運行を行う |
事前予約割引、相乗り割引等の弾力的な利用料を導入する |
タクシー事業者と共同の予約センターを開設する |
新たな免許(2種免許に準拠)取得を義務付ける |
回答数 |
合計 |
60.1% |
46.8% |
46.4% |
9.5% |
9.1% |
7.5% |
571 |
社会福祉 協議会 |
60.4% |
45.0% |
39.3% |
5.1% |
7.6% |
6.0% |
331 |
NPO等 ボランティア 団体 |
59.8% |
49.4% |
56.5% |
15.1% |
11.3% |
9.6% |
239 |
その他 * |
0.0% |
0.0% |
0.0% |
100.0% |
0.0% |
0.0% |
1 |
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*社会福祉法人、財団、市町村運営
(9)移送サービス団体が行っている「運営上の工夫」
移送サービス団体が行っている「運営上の工夫」についての自由回答を表3-8のように分類した。具体的には(1)運転者募集のための宣伝、(2)接遇・安全運転の教育、(3)運営の効率化、(4)利用者の希望、(5)他団体との連携、(6)その他の工夫等に分けて分類した。自由回答のより詳細な内容を「 参考資料2」に示す。
表3-8 運営上の工夫の具体的な内容
(1)運転ボランティアの募集 |
・社会福祉協議会、自治体、NPO団体の定期発行する広報(便り)や新聞広告、スーパーや病院等施設の掲示板を利用する方法が多い |
(2)運転ボランティアの接遇 ・安全運転の教育 |
・警察官による安全運転講習会、看護士による介助訓練等を自主かつ定期的に実施 ・運転ボランティア募集の際に、バス事業者のOBや介護ヘルパー有資格者等にも協力を呼び掛けている |
(3)運営の効率化 |
・通院時間の調整等による利用者の相乗り ・毎日の活動をパソコンに入力、集計処理し今後の運営活動の参考としている |
(4)利用者の希望にあったサービス |
・介助者が見つからない人への介助者(ヘルパー)派遣 ・可能な範囲での利用料金の低廉化 ・チケット制による利用手続きの簡便化 ・イベントの開催等を通じて会員同士の親睦を図る |
(5)他団体との連携 |
・医療施設(病院)や福祉施設の担当者や自治体の介護保険担当者との情報交換、車両の借用等 |
|
(10)移送サービス提供に際しての意見・要望
各団体のサービス提供に際しての意見・要望の自由回答をまとめて、表3-9に示した。自由回答のうち、特に国土交通省が進める全国ガイドライン、道路運送法第80条等制度の改善や緩和を求める意見が多い。例えば、運転協力者に対し「2種免許」の取得を義務付けないこと、全ての移動困難者が自由に移動できるために枠組みを厳しくしないこと、対象車両の条件を緩和させること、NPO等ボランティア輸送に対する法的な認定等の意見があった。
表3-9 移送サービス提供に際しての意見・要望
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意見・要望(自由回答のまとめ) |
意見数 |
制度 |
国が進める全国ガイドラインに対する要望 |
16 |
道路運送法80条に関する意見 |
48 |
移送サービスへの介助保険制度の適用等の要望 |
16 |
NPO等ボランティア団体の税制優遇策への要望 |
3 |
財源の確保 |
運営資金の調達 |
16 |
行政からの委託・補助金への期待 |
13 |
車両の確保 |
車いす対応車両の寄贈・助成制度の拡充 |
15 |
車両の改善(使いやすい車両、固定方法等) |
3 |
スタッフの確保 |
ドライバーの確保 |
15 |
ボランティアの確保 |
9 |
民間ボランティア組織等の活用 |
5 |
ヘルパーの確保 |
6 |
利用者ニーズ |
利用目的の多様化への対応 |
13 |
利用の増加と利用回数の制限 |
7 |
土日祭日運行への要望 |
4 |
その他ニーズの多様化 |
18 |
利用対象者 |
利用対象者の範囲の再検討 |
4 |
利用料金 |
わかりやすい利用料金体系 |
3 |
利用者負担の軽減(料金の低廉化) |
5 |
利用料金の徴収(有料化) |
3 |
タクシー等との料金体系の調整 |
5 |
運行の安全性 |
安全運転教育の必要性 |
12 |
保険 |
事故に対する自動車、ボランティア保険の保障 |
12 |
接遇・介助 |
適切な接遇と介助方法の習得 |
6 |
高齢単身利用者に対する介護者の手配問題 |
4 |
有償ボランティアによるサービスの充実 |
4 |
移送サービスのサービス質の向上に向けての努力 |
3 |
行政の役割と支援 |
行政の移送サービスに対する強化(取り組み) |
8 |
行政による移送サービス団体の広報 |
7 |
他団体・組織との連携 |
移送サービス団体相互のネットワーク強化 |
15 |
コーディネート・共同予約センターの必要性 |
5 |
タクシー事業者との共存 |
14 |
地方部の移送サービス |
過疎地での移送サービスの位置付け |
7 |
その他 |
(単に)現状のまま継続運行 |
7 |
移送サービス団体の意見の施策への反映 |
3 |
公共施設へのアクセス等の環境整備 |
4 |
車両の貸し出し事業の継続 |
4 |
医療機関(病院)による移送サービス実施 |
2 |
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注)平成14年12月調査
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