3.5.6 ケーブルの屈曲
(1)ケーブルの屈曲は表3.3.1を参考とすること。
表3.3.1 最小曲げ半径 |
(JIS F 8071:00) |
1 |
2 |
3 |
4 |
ケーブル構造 |
ケーブルの仕上がり外径(D) |
最小曲げ半径 |
絶縁体 |
外部被覆 |
円より銅導体の熱可塑性又は熱硬化性絶縁体 |
がい装なし又は編組なし |
≦25mm |
4D |
>25mm |
6D |
金属編組の遮へい又はがい装 |
いずれでも |
6D |
金属線がい装、金属テープがい装又は金属シースがい装 |
いずれでも |
6D |
ポリエステル/金属ラミネート遮へい又は一括テープ遮へい |
いずれでも |
8D |
円形圧縮銅導体の熱可塑性又は熱硬化性絶縁体 |
いずれでも |
いずれでも |
8D |
無機絶縁体 |
硬質金属シース |
いずれでも |
6D |
|
(2)船体伸縮部におけるケーブルのたるみ部の曲げ半径は、最大ケーブル外径の12倍以上とすることが望ましい。
(3)ケーブルを曲げて布設する場合は、バンドに力がかからないように、ケーブルとバンドは直角にすることが望ましい。(図3.3.39参照)
図3.3.39 ケーブル曲げ部のバンド
(1)ケーブルの固定法の種類
(a)押えバンド方式
SUS製又は樹脂製クランプで固定する。
(b)巻バンド方式
(イ)次のような湿気の多い場所に使用する巻バンド及びバンドバックルは発錆防止のため、SUS製のものを使用することが望ましい。
曝露甲板、調理室、浴室、洗面所、便所、蓄電池室、冷蔵庫など。
(ロ)バンドバックルの位置はケーブルの上にあるのが望ましいが、工具使用の余裕がない時はハンガ下面の端に近いところにする。
(ハ)バンドバックルの位置はできるかぎり揃えて、不体裁とならないように注意する。
(ニ)バックルを垂直又は斜面に使用する場合は、バックル底部のバンド折り返しの向きは、図3.3.40(1)によること。
図3.3.40 バックルの位置の例
(ホ)容易に人が触れる恐れのあるところでは、巻バンドの最終端末から約10mmの部分で折り返しを行ってからバックルのつめでおさえること。
(ヘ)巻バンドのバンド巻止め法の一例を図3.3.41に示す。
(2)のように、バンド末端を巻込むと弛みやすい。
(拡大画面:19KB) |
|
図3.3.41 巻バンドの巻止め法の例
(ト)バンド締め付けにより、ケーブルを傷つけないよう必要以上に締め付けないことが望ましい。
なお、必要に応じてケーブルの外面に適当な保護材を巻きケーブルの保護を行うこと。
(c)樹脂バンド(インシュロック)方式
使用例については図3.3.42を参照のこと。なおバンドの材質は難燃性のものを使用し、支持物の上に水平に布設した場合を除き高熱等によるケーブルの弛みを防止するため、1〜2mごとに補強用として金属性のバンドを使用することが望ましい。
図3.3.42 樹脂バンドによる固定の例
図3.3.43 樹脂バンドの例
|