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小型船舶等の電気装備工事ハンドブック

 事業名 小型船舶等の電気装備工事ハンドブックの作成
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


2.8 無線設備
2.8.1 概要
 船舶の無線通信設備は、船舶の運航機能を拡大し、人命と船舶の安全を確保しつつ運輸業務を能率化し、漁獲生産性を向上させるためのものであり、その内容は、遭難・緊急・安全通報、航行・気象警報及び気象予報等の緊急な通報、潮流、海温、自船位置、時報、新聞、集荷情報、船舶相互通信、漁業や魚市場の情報など様々な情報交換が行われるものであるから最も有効な通信方法を選ぶ必要がある。
 無線設備については全世界的な海上遭難安全システム(GMDSS)の導入及び無線電話等を設置すべき船舶の範囲を拡大することを内容として平成3年5月15日に船舶安全法の一部が改正され、平成4年2月1日から段階的に施行され、船舶設備規程、小型船舶安全規則及び小型漁船安全規則も一部が改正され、平成11年2月1日無線設備の装備が義務づけられた。
 GMDSS設備等の搭載要件については1.5項船種・海域別の無線設備表(搭載要件の一例)を参照のこと。
(1)航海用具
(a)VHF無線設備(電話・DSCなど)
 海岸局との間で連絡を行うことができる設備で、陸上からおおよそ25海里までの範囲のA1水域で使用する。
(b)MF無線設備(電話・DSC・NBDPなど)
 海岸局との間で連絡を行う事ができる設備で、陸上からおおよそ150海里までの範囲のA2水域で使用する。
(c)インマルサット設備(電話・TELEXなど)
 海岸地球局との間で連絡を行うことができる設備で、おおよそ北緯・南緯70度までの範囲のA3水域で使用する。
(d)HF無線設備(電話・DSC・NBDPなど)
 A3水域を越える海域(A4水域という。)をカバーして海岸局との間で連絡を行う事ができる設備をいう。
(a)小型船舶用極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置(EPIRB)
 EPIRBとは地球を周回する衛星に向けて遭難警報を発信するとともに自船位置を伝えるブイ式の装置であり、船の突然の沈没等退船時に携行する。
(b)小型船舶用レーダートランスポンダー
 レーダートランスポンダーとは遭難者を捜索中に巡視船や航空機が発信する9GHz帯のレーダー電波に反応し自動的に応答電波を発信し、遭難者の位置を伝える装置であり、船の突然の沈没等退船時に携行する。
(c)持運び式双方向無線電話装置
 遭難時に救命いかだ等に持込んで救助船等との間で通信するための小型携帯無線機で、船の突然の沈没等退船時に携行し、救助船等が接近してから16チャンネルで交信する。
 小型船舶等に装備されている主な航海用機器としては以下のようなものがある。
 日本形磁石、磁気コンパス、電子式磁気コンパス及び小型ジャイロコンパスがある。最近ではGPS衛星電波の位相差を利用した高精度のGPSコンパスも出現してきている。
 潮流計と兼用されていることが多い。又、カラー魚群探知機のセンサとして装備される場合も有る。GPS受信機の対地船速で代用している場合も有る。
 アンテナはスロットが露出しているスキャナタイプとレドームに内蔵された小型のタイプが有る。
 魚群探知機やソナーと兼用されていることが多い。
 地上系のロランC受信機や衛星を利用した高精度のGPS受信機がある。最近ではGPS受信機に外付け又は内蔵のディファレンシャルGPS受信機を組み込んだ更に高精度のDGPS受信機も装備されるようになってきた。
 測位装置から自船の緯度経度を取り込み、自航跡をプロットする装置であるが、測位装置と一体化したものが多い。
 受信された電波の到来方向を表示する。
 小型船舶に装備されるのは第3種汽笛と第4種汽笛である。それぞれ技術基準が次の表のように定められている。
 
汽笛の技術基準(船舶設備規程第146条の7)
種類 区分 基本周波数 音圧
第3種汽笛 全長20m以上75m未満の船舶 250Hz以上700Hz以下 130dB以上
第4種汽笛 全長20m未満の船舶*1 120dB以上
第5種汽笛 全長12m以上14m未満*2 110dB以上
*1 全長12m未満の小型船舶、小型漁船には備えつけることを要しない。(小型船舶安全規則第82条、小型漁船安全規則第39条)
*2 航行区域が本邦の海岸から12海里以内の海面を航行するものに限る。(「付録6汽笛等音響信号設備について」参照
 
 以上の機器のうち、汽笛は上表により、コンパスは沿海区域以上の航行区域の小型船舶、漁船については航行区域に関らず第1種及び第2種小型漁船に設置することを要します。(小型漁船のコンパスとしては日本形磁石の設置でも可能です。(小型漁船安全規則に関する細則))
 近年電子技術の発達により、小型化、多機能化及び複合化された装置が多くなってきた。ディスプレーはブラウン管からモノクロ又はカラー液晶の装置に移行しつつある。GPSは航跡プロッタと組み合わされGPSプロッタとなり、レーダーは魚群探知機とGPSプロッタを内蔵しレーダープロッタ魚探という複合装置も出現してきている。使用目的や装備する場所の広さに合わせ最適なシステムや装置を選択することが肝要である。
 漁ろう設備については、魚群探知機やソナー、潮流計等の魚群の探索に使用する設備を漁ろう用計測装置と言い、集魚灯やウィンチ、ベルトコンベア等の漁具、漁ろうに使用する機器も含め総称して漁ろう設備と呼ばれている。
 漁ろう設備は魚種及び船主の意向により形態が異なり、設計段階でこれらの機能性、安全性、耐久性及び経済性を総合的に判断しなければならない。特に機器の設置場所については、十分に打合せ確認をする必要がある。下記に主な装備の説明を記述する。
 記録式とカラー表示式があり、周波数と出力は用途に合せて選定する。送受波器の船底への取付け方法や位置については造船所と十分協議の上に決定する事。一般に発生する気泡を避けるため、突出型が多く採用されている。(詳細は別冊の船舶電子機器装備ハンドブックを参照のこと)
 魚群を水平面及び水平断面に分割表示して立体的に把握でき、画面から魚群と自船との位置関係、魚群の進行方向や速度等多彩な情報が得られる。装置としては表示器、演算装置、送受波器から構成されている。送受波器の取付けは魚群探知機と同様に十分注意する必要がある。(詳細は別冊の船舶電子機器装備ハンドブックを参照のこと)
 集魚灯はいか釣漁、秋刀魚漁、巻網漁等夜間に照明光で魚を集めてとる漁法に使われるもので、漁業規模により決定されるが一般的に容量が非常に大きくなり、発電機の決定には十分打合せが必要である。
 種類については、白熱灯とメタルハライド灯(放電灯)が主に使用されている。
 秋刀魚漁船の場合白熱灯を使用し、集魚灯専用の発電機を使用し、発電機電圧を250V位まで上昇させて、3相4線式で使用するので発電機の容量計算については注意する必要がある。(電圧上昇分を考慮する事。)又、この時、その他の船内負荷には給電出来ないので発電機の設備台数(使用台数)にも十分協議が必要である。容量的には500Wから750Wが主流である。メタルハライド灯は主にいか釣漁に使用され、安定器(バラスト)と灯具(ランプ)により構成され、長所としては白熱灯に比べ同容量の場合に3から4倍程度の光力が得られる。短所としては完全に点灯する(明るくなる)までに5から10分程度かかり、一度消灯した場合、再点灯が瞬時に出来ないので注意する必要がある。容量的には2kW、3kW、4kWが主に使用されている。
 ウィンチ、ベルトコンベア等の設備は油圧駆動ものと電動のものがあるので、各メーカの仕様を十分検討し確認する必要がある。







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