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(6)湾内排出量算定結果
 1999年における東京湾内の各港における入港隻数および入港総トン数は、表2.1-17および表2.1-18に示すとおりである。航行中の排出量は港湾区域外を航行する船舶からの排出を含むため、各港湾に割り振る事が適切でないため(東京港など地理的に湾奥にある港からの排出量が見かけ上大きく算出される)、東京湾全体の排出量として集計した。
 これらの入港船舶について、(2)(3)の排出係数および(4)の燃料消費量の推定方法により、東京湾の1999年における船舶からの排出量は表2.1-16に示すように算定された。東京湾内を対象とした他の調査における大気汚染物質排出量との比較を、表2.1-19に示した。いずれの調査も排出量は、排ガス量(Nm3/年)として計算されているが、比較のためSOxについては全量SO2として、NOxについては全量NO2として質量換算をおこなった。SOxについては、本調査結果は、過去の調査結果の範囲内に収まっている。しかし、たとえば燃料中硫黄分の設定については、2の調査は2%と他の調査に比較して小さな数値を用いているため、総燃料使用量は調査ごとにばらついており、本調査の燃料消費量は5つの調査の中では少ない部類に入ると考えられる。一方NOxについては、本調査ではNOx排出係数を変更している。1および2の調査はNOxマニュアル、5の調査はIMO規制式、3および4の調査は70g/kg-Fuel、を基に設定されており、標記の順番に排出係数(=排ガス中のNOx濃度)は大きくなる。
表2.1-16 1999年における東京湾の船舶排ガス量
単位;t/年
  停泊中 航行中
合計
総計
横浜 川崎 東京 千葉 木更津 横須賀 合計
NOx 3,358 1,317 2,029 1,970 565 517 9,757 9,368 19,125
SOx 2,882 1,137 1,727 1,676 483 444 8,348 7,804 16,152
NOxは全量NO2として、SOxは全量SO2として排ガス量(Nm3)から質量換算した。
表2.1-17 1999年における東京湾内各港の入港総トン数
    10,000GT以上 6,000GT以上
10,000GT未満
3,000GT以上
6,000GT未満
1,000GT以上
3,000GT未満
千葉 78,414,087 3,165,584 11,565,934 13,844,245
外航商船 74,217,150 2,046,671 3,493,834 2,526,206
内航商船 4,196,937 1,091,559 8,060,733 11,229,251
その他   27,354 11,367 88,788
木更津 29,033,336 589,342 1,119,188 838,819
外航商船 27,561,429 375,253 777,340 518,114
内航商船 1,471,907 214,089 337,448 314,808
その他     4,400 5,897
東京 103,023,820 11,104,642 13,322,736 3,402,895
外航商船 91,958,961 5,251,463 3,492,617 872,637
内航商船 3,028,264 2,727,556 9,655,669 2,418,410
内航自航 8,024,995 3,125,623    
その他 11,600   174,450 111,848
横浜 175,028,075 17,146,867 18,408,705 11,576,336
外航商船 144,066,194 14,181,578 7,365,653 1,939,881
内航商船 5,298,858 857,565 7,535,236 4,317,894
その他 25,663,023 2,107,724 3,507,816 5,318,561
川崎 60,386,280 4,330,247 6,817,484 6,899,121
外航商船 55,965,875 1,963,771 2,090,345 803,271
内航商船 492,347 2,366,476 4,713,218 6,079,219
内航自航 3,832,816      
その他 95,242   13,921 16,631
横須賀 5,697,356 2,966,554 1,659,113 20,884,514
外航商船 5,531,912 457,909 146,248 91,115
内航商船 95,844 2,196,931 514,670 1,152,069
内航自航       19,083,614
その他 69,600 311,714 998,195 557,716
 
    500GT以上
1,000GT未満
100GT以上
500GT未満
5GT以上
100GT以下
千葉 7,937,448 14,494,429 307,250 129,728,977
外航商船 203,629 16,116   82,503,606
内航商船 7,662,473 13,890,807 248,546 46,380,306
その他 71,346 587,506 58,704 845,065
木更津 1,134,722 5,911,021 47,182 38,673,610
外航商船 32,408 996   29,265,540
内航商船 1,077,027 5,059,367 8,601 8,483,247
その他 25,287 850,658 38,581 924,823
東京 1,210,932 5,955,595 363,213 138,383,833
外航商船 58,258 4,220   101,638,156
内航商船 1,139,730 5,938,203 363,213 25,271,045
内航自航       11,150,618
その他 12,944 13,172   324,014
横浜 5,379,438 6,973,892 186,548 234,699,861
外航商船 59,660 3,485   167,616,451
内航商船 3,838,650 6,883,319 185,401 28,916,923
その他 1,481,128 87,088 1,147 38,166,487
川崎 4,816,762 6,902,383 409,470 90,561,747
外航商船 149,112 7,003   60,979,377
内航商船 4,664,766 6,895,191 409,039 25,620,256
内航自航       3,832,816
その他 2,884 189 431 129,298
横須賀 861,021 3,188,985 35,660 35,293,203
外航商船 18,293 4,040   6,249,517
内航商船 737,931 2,075,750 4,334 6,777,529
内航自航       19,083,614
その他 104,797 1,109,195 31,326 3,182,543
表2.1-18 1999年における東京湾内各港の入港隻数
    10,000GT以上 6,000GT以上
10,000GT未満
3,000GT以上
6,000GT未満
1,000GT以上
3,000GT未満
千葉 2,087 425 2,832 6,147
外航商船 1,830 269 850 1,233
内航商船 257 153 1,979 4,855
その他   3 3 59
木更津 587 84 260 466
外航商船 450 52 181 275
内航商船 137 32 78 186
その他     1 5
東京 3,658 1,411 3,048 1,544
外航商船 2,803 638 802 421
内航商船 180 392 2,204 1,067
内航自航 674 381    
その他 1   42 56
横浜 5,649 2,114 4,468 5,128
外航商船 4,914 1,731 1,701 895
内航商船 113 117 1,915 1,889
その他 622 266 852 2,344
川崎 1,556 567 1,615 3,053
外航商船 1,200 258 481 397
内航商船 21 309 1,131 2,645
内航自航 331      
その他 4   3 11
横須賀 263 388 401 8,016
外航商船 253 55 36 46
内航商船 4 293 127 429
内航自航       7,244
その他 6 40 238 297
 
    500GT以上
1,000GT未満
100GT以上
500GT未満
5GT以上
100GT以下
千葉 10,859 42,034 5,367 69,751
外航商船 260 34   4,476
内航商船 10,518 39,199 3,167 60,128
その他 81 2,801 2,200 5,147
木更津 1,651 16,417 1,923 21,388
外航商船 37 2   997
内航商船 1,579 12,782 346 15,140
その他 35 3,633 1,577 5,251
東京 1,722 19,790 4,043 35,216
外航商船 78 10   4,752
内航商船 1,623 19,749 4,043 29,258
内航自航       1,055
その他 21 31   151
横浜 7,110 20,336 2,470 47,275
外航商船 75 7   9,323
内航商船 5,246 20,123 2,435 31,838
その他 1,789 206 35 6,114
川崎 6,617 22,335 4,704 40,447
外航商船 175 16   2,527
内航商船 6,439 22,318 4,698 37,561
内航自航       331
その他 3 1 6 28
横須賀 1,260 10,901 1,501 22,730
外航商船 27 10   427
内航商船 1,068 5,267 47 7,235
内航自航       7,244
その他 165 5,624 1,454 7,824
表2.1-19 東京湾内船舶からの大気汚染物質排出算定量の調査ごとの比較
  調査名称 NOx排出量
(t/年)
SOx排出量
(t/年)
負荷等の設定 排出係数の設定
1 東京湾地域NOx調査報告書
(1993年3月、経済産業省)
18,091 18,833 おおむねNOxマニュアルの設定 NOxマニュアルどおり
航行時 8,236 航行時 14,262 100,000総トン以上のタンカーは全てボイラー主機船。 硫黄分は、船種ごとに設定(主機ディーゼル0.9〜2.0%、補機ディーゼル0.8〜2.0%、ボイラー補機2.2〜2.3%)
停泊中 9,855 停泊中 4,570 補機ディーゼルの負荷は、0.4前後で船種ごとに設定。
荷役時間比および停泊時間は、神奈川県の実態調査により設定、大型貨物船で54時間(36)、大型タンカー30時間(18)、大型フルコンテナ30時間(18)カッコ内は荷役時間の内数。
航行中は、湾内の3次メッシュ毎に、港湾技研のレーダー調査から平均航行速度を、船型船種ごとに設定、航行距離を一律1128mと設定。
2 船舶から排出される大気汚染物質の削減方策について中間報告書
(1995年3月、環境庁)
30,400 19,700 全船舶ディーゼル主機船、定格出力はNOxマニュアル NOxマニュアルどおり
航行時 11,600 航行時 8,800 補機ディーゼルの負荷は、0.4〜0.6で船型ごとに設定。 硫黄分は、2.0%を一律に設定
停泊中 18,800 停泊中 10,900 停泊時間比および停泊時間は、川崎港統計年報により、船種によらず船型クラスで設定、10,000総トンでは、39(27)
航路帯ごとに、船型クラスで主機の負荷率および航行速度を設定
3 船舶排ガスの環境への影響と防止技術の調査
(1992年3月、S&O財団)
27,143 18,958 LNGタンカー以外はディーゼル主機船 NOxディーゼル70g/kg-Fuel、ボイラー8g/kg-Fuel に設定(独自の検討結果、IMOと同一)
航行時 12,539 航行時 9,078 補機ディーゼルの負荷は、一律0.4、ボイラーはアンケート調査による燃料消費量から設定 硫黄分はC重油およびMFO 3.0%、MDO 1.0%、A重油 0.5%
停泊中 14,604 停泊中 9,880 停泊時間比および停泊時間は、大型貨物で36(18)、タンカー12(18)、フルコンテナ12(18)
航路帯ごとに道路公団のレーダー調査より速度を設定、湾内での平均負荷は、船型クラスごとに設定、航行時の燃料消費量は150g/PShで一定。
5 船舶からの排出ガスに係わる国際規制対応のための調査研究報告書
(1992年3月、運輸省)
26,800 17,600 湾内のメッシュ(5km×5km)ごとに、通過船舶数、停泊船舶数を、貨物船、タンカー、客船の3種類で設定。 主機ディーゼルに関しては実測値に基づく回帰式、補機ディーゼルは70g/kg-Fuel、ボイラーは8g/kg-Fuel
航行時 16,500 航行時 9,400 停泊中は船種ごとの燃料消費量から算出 硫黄分は、A重油 1%、他は全て3%
停泊中 10,300 停泊中 8,200 航行時の主機負荷率は、50%で一律
6 本調査 19,125 16,152 川崎市ハーモニーシステムに基づく。 IMO規制式に基づく。D/GのNOx濃度はNOxマニュアルに比較して増加、3よりは補機は減少。MFOのS分は3.0%を仮定。
航行時
9,368
航行時
7,804
停泊中時間数は増加傾向にある。燃料消費量は、3に比較して11%減(航行中5%、停泊中13%減)。
停泊中
9,757
停泊中
8,348








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