項目 |
水中
(μg/L) |
堆積物
(mg/kg dw) |
魚類
(mg/kg fw) |
イガイ類(mussel)
(mg/kg dw) |
カドミウム |
0.01-0.1* |
0.1-1+ |
FC |
FC |
銅 |
0.005-0.05*a |
5-50+ |
FC |
FC |
水銀 |
0.005-0.05* |
0.05-0.5+ |
FC |
FC |
鉛 |
0.5-5* |
5-50+ |
FC |
FC |
亜鉛 |
0.5-5* |
50-500+ |
NR |
NR |
DDE |
NR |
0.0005-0.005+ |
0.005-0.05* |
0.005-0.05* |
ディルドリン |
NR |
0.0005-0.005+ |
0.005-0.05* |
0.005-0.05* |
リンデン |
0.0005-0.005 |
NR |
0.0005-0.005* |
NR |
ナフタレン |
5-50* |
0.05-0.5* |
NR |
0.5-5+ |
フェナントレン |
0.5-5 |
0.1-1* |
NR |
5-50+ |
アントラセン |
0.001-0.01+ |
0.05-0.5* |
NR |
0.005-0.05+ |
フルオランテン |
0.01-0.1+ |
0.5-5+ |
NR |
1-10+ |
ピレン |
0.05-0.5+ |
0.05-0.5+ |
NR |
1-10+ |
ベンズ(a)アントラセン |
ND |
0.1-1+ |
NR |
ND |
クリセン |
ND |
0.1-1+ |
NR |
ND |
ベンゾ(a)ピレン |
0.01-0.1+ |
0.1-1+ |
NR |
5-50+ |
PCB7種 |
NR |
0.001-0.01+ |
0.001-0.01* |
0.005-0.058 |
TBT |
0.00001-0.0001* |
0.000005-
0.00005+ |
NR |
0.001-0.01* |
注:1)堆積物については有機炭素1%を含む参照濃度に標準化
2)各記号の意味は以下のとおり。
*:固定
+:暫定的
a:環境水中のバックグラウンド値の範囲内であり海水中の銅の生物取込可能量(bioavailable fraction)と比較するべき
FC:今後検討の対象とする
NR:現在のモニタリングプログラムでは関連が確認されていない
ND:データ入手不可能あるいは不十分
3)PCB7種: CB28,CB52,CB101,CB118,CB138,CB153及びCB180の合計。
4)これらの値は、現時点で入手可能なものとしては最適の値ではあるが、使用において限界があることは認識しておく必要がある。
〔
出典9〕
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注)*1:PCB25,52,101,118.138,153,180の合計
*2:フルオランセン、ベンゾ(b)フルオランセン、ベンゾ(k)フルオランセン、ベンゾ(a)ピレン、ベンゾ(ghi)ペリレン、インデノ(1,2,3-cd)ピレン
*3:フルオランセン、ベンゾ(k)フルオランセン、ベンゾ(a)ピレン、ベンゾ(ghi)ベリレン、インデノ(1,2,3-ad)ピレン、ナフタレン、ベンゾ(a)アントラセン、フェナンスレン、アントラセン、クリセン
*4:全多環芳香族炭化水素と鉱物油、EOXについてはmg/kg 乾泥
*5:オランダでは、これらの物質はv.t.sb.(very troublesome substances)とされる。換算値を基準値と比較する際、これらの物質が、単独で、ある基準値を超えたら、上側のレベルで評価することとされている。
*6:香港の基準値は、所定の数値を超えた場合、対象物は「管理が必要」と判断するための「管理値」である。
*7:ドイツの基準は粒径20μm以下の堆積物に適用。
*8:オランダとスペインの基準は、それぞれの国が設定した換算式により分析結果を換算してから基準と比較する。
*9:検出限界は0.O1ppm乾泥。少なくとも検出限界の3倍の含有があるときにのみ、定量的に確かであると考える。
*10:Temporary content test(現行の含有量試験):Rijnmond and Ijmondの方法による。
No |
参考事例 |
参考-13:OSPAR 条約 GL5.12〜13項 |
・(OSPAR 条約GL5.12項⇔ロンドン条約議定書WAG5.4項) 行動基準における上限値と下限値の設定(任意):上限値、下限値ともに「設定してもよい」という記述になっている。(以下、GLより抜粋) 行動基準は、以下の可能な行動を取るための上限値と下限値を設定しうる。(原文は”An Action List may include an upper and lower level giving these possible actions”) a.関係する上限値を超えて特定の汚染物質を含むまたは生物学的反応を起こす対象物は、通常、海洋処分には不適と考えるべきである。 b.関係する下限値を下回り特定の汚染物質を含むまたは生物学的反応を起こす対象物は、通常、海洋処分による環境に対する懸念は少ないと考えるべきである。 c.中間的な性質を示す対象物は、海洋処分が適当であるかを決定するに先立ち、更なる詳細な検討が必要である。 ・(OSPAR 条約GL5.13項⇔対応箇所なし) 基準の上限値を1または2以上の物質が超えた場合の措置(勧告):基準値(上限値)を超えた場合に対する記述あり。 一つあるいは複数基準値の上限値を超えた浚渫物が海洋投棄される場合、加盟国は以下の行動を取るべきである。 a.適宜、汚染源の特定及び汚染源規制対策を取り、基準を満足するようにする(GL6.1〜6.3参照)。 b.封じ込めあるいはその他の処理技術といった処分管理技術を駆使し、海洋環境への投棄による影響を軽減するよう努める(GL8.3〜8.4参照)。 c.OSPAR事務局に対して事実−なぜ海洋処分を許可したかその理由も含めて−を報告する。
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参考-14:オランダの例 |
・上限値、下限値の意味 オランダにおける浚渫土砂の海洋投棄はDMAFのアプローチに従っており、国で上限値と下限値を設定している(別図-2、別表-4)。 −レベル1(下限値)以下:環境面からの規制なしに投棄可能。レベル1の値は「目標値」あるいは定量下限値に相当。 −レべル1と2の間(中間値):総負荷量の規制に従って、特定の場所における投棄が可能となる。 −レベル2(上限値)を超過:海洋投棄は不許可。レベル2は「浚渫物に係る一律基準(Uniform Quality Criteria)」と呼ばれる。 中間値には、さらに総負荷量の規制を適用することにより、二重の規制が行われているこことになる。これは、汚染物質の総負荷量が1988年の総負荷量を超えてはいけない、とするもので、適用する基準は「負荷超過基準(Excess Load Criteria)」と呼ばれる。 オランダの「目標値」とは、無視できる程度(negligible level : NL)の汚染濃度か、自然界のバックグラウンド値(BG値:BG値が無視できる値より高かった場合)を指す。この値は2010年の達成を目標として設定されている。
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別図−2 オランダにおける浚渫物管理の概要
別表−4 オランダにおける浚渫物の判定基準値(DMAFにおける国の行動基準に相当)
(単位: mg/kg dw)
No |
項 目 |
レベル1 |
レベル2 |
1 |
ヒ素 |
29 |
29 |
2 |
カドミウム |
0.8 |
4 |
3 |
クロム |
100 |
120 |
4 |
銅 |
36 |
60 |
5 |
水銀 |
0.3 |
1.2 |
6 |
鉛 |
85 |
110 |
7 |
ニッケル |
35 |
45 |
8 |
亜鉛 |
140 |
365 |
9 |
鉱油 |
50 |
1500 |
10 |
ナフタレン |
#0.1 |
0.8 |
11 |
フェナントレン |
#0.1 |
1.0 |
12 |
アントラセン |
#0.1 |
0.8 |
13 |
フルオランテン |
#0.1 |
2.5 |
14 |
クリセン |
#0.1 |
1.0 |
15 |
ベンズ(a)アントラセン |
#0.1 |
1.0 |
16 |
ベンゾ(a)ピレン |
#0.05 |
0.9 |
17 |
ベンゾ(k)フルオンラテン |
#0.05 |
0.8 |
18 |
インデノ(123cd)ピレン |
#0.05 |
0.8 |
19 |
ベンゾ(ghi)ペリレン |
#0.05 |
0.8 |
20 |
PCB28 |
#0.002 |
0.03 |
21 |
PCB52 |
#0.002 |
0.03 |
22 |
PCB101 |
0.004 |
0.03 |
23 |
PCB118 |
0.004 |
0.03 |
24 |
PCB138 |
0.004 |
0.03 |
25 |
PCB153 |
0.004 |
0.03 |
26 |
PCB180 |
0.004 |
0.03 |
27 |
ヘキサクロロベンゼン |
#0.01 |
0.03 |
28 |
ヘプタクロロエポキシド |
#0.01 |
0.03 |
29 |
DDT+DDE+DDD |
#0.01 |
0.03 |
30 |
ディルドリン |
#0.01 |
0.03 |
31 |
アルドリン |
#0.01 |
0.03 |
32 |
エンドリン |
#0.01 |
0.03 |
33 |
リンデン |
#0.01 |
0.02 |
注:#指定方法に従って分析した場合の定量下限値
〔
出典2〕
No |
参考事例 |
参考-15:OSPAR環境レポート |
(OSPAR加盟国周辺地域におけるバックグラウンド値調査結果) ・次の物質に関して、特定地域におけるバックグラウンド/参照値(Background/Reference Concentration, BRC)あり(別表−5〜7):カドミウム,水銀,鉛,銅,多環芳香族炭化水素(ベンゾ(a)ピレン,フルオランテン,ベンゾ(b+k)フルオランテン,ピレン),HCB,DDE,PCB類(CB28,CB52,CB101,CB138,CB153,CB180) 自然界に存在する物質に関してのBRCは、人間活動が行われていないところで通常みられる濃度を示している。 これらの値は、現時点で入手可能なものとしては最適の値ではあるが、使用において限界があることは認識しておく必要がある、との注意も付されている。
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参考-16:オランダの例 |
オランダの判定基準(現行)は別表−3に示すとおりであり、低い値→高い値の順に (低) 目標値→限界値→参考値→調停値→警告値 (高) となっている。 *目標値:無視できる程度(negligible level : NL)の汚染濃度か、自然界のバックグラウンド値(BG値:BG値が無視できる値より高かった場合)を指す。この値は2010年の達成を目標として設定されている。 *限界値:2000年を目標とした短期的な政策目標値。目標値等のようなリスクレベルとの関係はないが、環境・経済・社会的な側面及び技術的可能性を考慮した上で、達成可能な最も低い値として設定されている。国内では広く適用されるが、北海とワッデン海では汚染物質濃度が限界値より低いことが多いため、これらの地域では適用されない。 *調停値:緊急に何らかの対策を行う必要がある値。 複数汚染物質の基準値の超過については以下のように運用する。 (1) 1物質でも調停値(及び警告値)を超えると不適合となり、海洋投入禁止。 (2) 1〜2物質が目標値〜参考値レベルを超えた場合は、超過が50%未満(検体数)なら適合とする。ただし、他の分析項目は基準値以下であること (3) PAH類に関しては、PAH10種類の合計に対する基準値が設けられており、これについてはPAH10種類合計の基準値を超えたら全て不適合とする。
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別表−5 海底堆積物、水中及びblue mussel体内中における
カドミウム、水銀、鉛、銅に係るバックグラウンド/参照濃度
項目 |
海底推積物
(金属/Al(x10-4)比) |
海水
(ng/L) |
Blue Mussel
(mg/kg ww) |
カドミウム |
000.7-0.04 |
5-25 |
0.07-0.11 |
水銀 |
0.0034-0.0066 |
0.1-0.5 |
0.005-0.01 |
鉛 |
1.8-4 |
5-20 |
0.01-0.19 |
銅 |
2.2-5.7 |
50-360 |
0.76-1.1 |
別表−6 OSPAR地域内の特定地域において適用される
表層堆積物中のPAH類に係るバックグラウンド/参照濃度
(単位: μg/kg dw)
項目 |
北海北部水域/スカゲラク海域 |
北海南部水域 |
北極海/アイスランド海 |
ベンゾ(a)ピレン |
8.8-112 |
<0.2-51 |
1.0-3.8 |
フルオランテン |
14-160 |
0.72-97 |
1.5-7.5 |
ベンゾ(b+k)フルオランテン |
46-434 |
1.1-142 |
7.4-30 |
ピレン |
11-128 |
0.6-78 |
1.7-6.4 |
別表−7 OSPAR地域内の特定地域において適用される
表層堆積物中のHCB、DDE及びPCB類に係るバックグラウンド/参照濃度
(単位: ng/kg dw)
項目 |
南部ノルウエー/スカゲラク海域 |
アイスランド海/ノルウェー海 |
HCB |
70 |
40 |
CB28 |
31 |
<10 |
CB52 |
32 |
<10 |
CB101 |
62 |
16 |
CB138 |
116 |
26 |
CB153 |
90 |
20 |
CB180 |
60 |
<10 |
DDE |
66 |
40 |
No |
参考事例 |
参考-17:ロンドン条約会議サンプリングGL |
・2001年5月のロンドン条約会議において、カナダ、アメリカを中心とするコレスポンデンスグループが「浚渫物の特性分析に係るサンプリングガイドライン(案)」を提示(詳細については今後検討)。WAGが採択されたことから、今後はより実務的な方面のガイドラインの作成に移るもようである。 (内容)A4サイズ28ページ(表紙、目次込み) 目次は別添のとおり。
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