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2.53 A2§4.4.1 自局によるスロットの意図的な再使用
2.53.1 提案する明確化の文言
 局は、この項に従う場合にのみ、及び、自分の位置が入手できる場合にのみ、時間スロットを再使用すべきである。
 局は、新しいスロットを送信用に選択する時は、望ましい選択間隔内において、その候補スロット一式(第3.3.1.2項参照)から選ぶべきである。
 候補スロット一式が4個未満のスロット数にある場合は、当該局は、船舶に搭載されている他局によってのみ使用されているスロットを意図的に再使用して、候補スロット一式を4個のスロットにすべきである。スロットは、位置のデータ入手不能と表示している局からのものは、意図的に再使用されることはできない。この場合は、候補スロットは4個未満になる可能性がある。意図的に再使用されるスロットには、選択間隔内において最も遠方にある局からのものが取り上げられるべきである。基地局によって割り当てられているまたは使用されているスロットは、当該基地局が自局から120海里を超えるところに位置している場合を除き、使用されるべきではない。遠方にある局が意図的なスロットの再使用の対象とされている時は、当該局は、1フレームに等しい時間間隔の間、それ以上の意図的なスロットの再使用からは除外されるべきである。
 意図的なスロットの再使用は、下記の図20に示してあるように実施されるべきてある。図は一例であり、両方の使用周波数チャンネルにおけるスロットの使用状態を例に取っている。
 図20
z4077_01.jpg
 
 周波数チャンネルAの選択間隔内にあるスロット1個を意図的に再使用することが、もくろまれている場合を考えてみる。周波数チャンネルAとBとの両方における選択間隔以内における、現在のスロットの使用状態は、下記の英文字で示してある。
 意図的にスロットを再使用するためのスロットは、従って、以下の優先順位により選択されるべきである(上記の図で示されているスロット組み合わせについての番号で表示されている)。
 最高位の選択優先順位:
 番号1
 番号2
 番号3
 番号5
 番号6
 番号7
 番号4
 最低位の選択優先順位:
 番号8
 組み合わせ4、9、10、11、12は使用されるべきではない。
 スロットの組み合わせを使用しない根拠:
 番号9 隣接スロットの原則
 番号10 対抗チャンネルの原則
 番号11 隣接スロットの原則
 番号12 基地局の原則
 F=自由
 I=内部で割り当てられている(自局により割り当てられている。使用されていない。)
 E=外部で割り当てられている(自局付近にいる他局により割り当てられている)
 B=自局の120海里以内にある基地局により割り当てられている
 T=3分間以上受信されていない航行中の他局
 D=最も遠方にある局により割り当てられている
 X=使用されるべきではない。
 
2.53.2 明確化の根拠
 ・凡例: Iを削除し、OをIに置き換える:「自局により意図的に割り当てられている。使用されていない。」ことを示しているスロットは存在しない。内部的に割り当てられているスロットは、送信用に使用されることができる。
 ・スロットの組合せ4: 遠隔局と近傍局との間に絶対的な区別はない。意図的に再使用されるスロットは、まず、最も遠方の局から取られるべきである。
 ・スロットの組合せ8: FATDMAの予約は、それが送信されている周波数チャンネルに対してのみ適用される(第3.3.8.2.16項参照)。これは、システムのより大きな柔軟性を生じさせる。
 記事: 移動局は、送信している間は、別のチャンネルで基地局の送信を受信することはできない。
 
2.53.3 修正の日付: 2001年10月
 
2.53.4 所見
 この明確化は、船舶に搭載される等級A移動体用AIS局についての設計と試験とに、既に、取り込まれている。この明確化に対して今後変更を行う場合は、何れも、将来に遺る問題を作り出さないように配慮すべきである。
 
2.54 A2;§4.4.2 輻輳を解消するための指定の発動
2.54.1 提案する明確化の文言
 基地局は、船舶に搭載されている等級A移動体用AIS局を除く、全ての移動局に報告率を指定することができ、それによりVDLの存続能力を保護することができる。基地局は、船舶に搭載されている等級A移動体用AIS局についての輻輳状態を解消するために、スロット指定を使用して、船舶に搭載されている等級A移動体用AIS局によって使用されているスロットを、FATDMA予約済スロットヘ、指定し直すことができる。
 
2.54.2 明確化の根拠
船舶に搭載されている等級A移動体用AIS局については、表1Aに定義してある報告率より低い率を指定することは不可能である。
 
2.54.3 修正の日付: 2001年10月
 
2.54.4 所見
 この明確化は、船舶に搭載される等級A移動体用AIS局についての設計と試験とに、既に、取り込まれている。この明確化に対して今後変更を行う場合は、何れも、将来に遺る問題を作り出さないように配慮すべきである。
 
2.55 A2;§4.5 基地局の運用
2.55.1 提案する明確化の文言
 基地局は、次の仕事を遂行する。
 1.直接同期を取っていない局に同期を取らせる。ディフォルト更新率において、基地局の報告(通報4)を発信する。
 2.送信スロットの指定を行なう(第3.3.6.2項及び4.4.2項参照)
 3.移動局に報告率の指定を方なう(第3.3.6.1項及び4.3.1.4項参照)
 4.チャンネル管理通報を使用する。
 5.オプションとして、通報17により、VDLを経由して、GNSS補正値を提供する。
 
2.55.2 明確化の根拠
 記述が誤っている。基地局の機能は、移動局の機能へ追加されるものではない。
 
2.55.3 修正の日付: 2001年10月
 
2.55.4 所見
 なし
 
2.56 A2;§4.6 中継局の運用
2.56.1 提案する明確化の文言
 AIS基地局は、拡張された環境を設ける必要がある場合は、中継局としての運用を考えるべきである。拡張されたAISの環境は、1局以上の中継局を含む可能性がある。
この機能を効率的に及び安全に実行するために、担当機関は、関連のある工学上の基準及び必要条件を適用して、所要の有効範囲及び利用者の交信上のロードについて総合的な解析を行なうべきである。
 中継局は、以下のモードにおいて運用できる。
 1.二重回線中継局モード
 2.単一回線中継局モード
 
2.56.2 明確化の根拠
 基地局と中継局との間の機能についての区別。
 拡張されたAIS環境は、船舶に搭載されている移動体用AIS局についてだけでなく、その他全ての移動局及び基地局の通報について、中継局の運用によって整備されることができると考えられる。
 
2.56.3 修正の日付: 2001年10月
 
2.56.4 所見
 なし
 
2.57 A2;§4.6.1.2 基地局/中継局による反復表示記号の使用
2.57.1 提案する明確化の文言
 4.6.1.2 基地局/単一回線中継局による反復表示記号の使用
 反復表示記号は、送信される通報が、ある局から既に送信されている通報の反復である時には、必ず、基地局/中継局により送信されるべきである。
 
2.57.2 明確化の根拠
 反復表示記号は、二重回線中継局とは無関係である。
 
2.57.3 修正の日付: 2001年10月
 
2.57.4 所見
 なし
 
2.58 A2;§4.6.3.3 同期及びスロットの選択
2.58.1 提案する明確化の文言
 [他局が中継局に同期を取っている時は、特定の中継局の位置情報のみが使用されるべきである。反復される通報に含まれている位置情報はどれもが、この目的においては、無視されるべきである。]
意図的なスロットの再使用(第4.4.1項を参照)は、必要とされる時に、実施されるべきである。スロットの選択動作を支援するために、中継局による受信信号の強度測定、が考慮されるべきである。受信信号強度表示計(received signal strength indicator: RSSI)は、当該中継局からほぼ同じ距離にある2局以上の局が同じスロットで送信している時に表示することになる。受信信号の強度が高レベルである時は、各送信局が当該中継局に近いところにあることを、また、受信信号の強度が低レベルである場合は、各送信局が遥かに離れたところにあることを示すことになる。
VDLの輻輳解消策が適用できる可能性がある(第4.4.2項参照)。
 
2.58.2 明確化の根拠
 
2.58.3 修正の日付: 2001年10月
 
2.58.4 所見
 
2.59 A2;§5.2.1 送信パケットヘの変換
2.59.1 提案する明確化の文言
 移送層は、呈示インターフェイスから受信したデータを、送信パケットへ変換すべきである。データの長さが5個を超える数のスロットの送信(手引きとして表36を参照すること)を必要としている場合、または、移動体のAIS局については、このフレームにある通報6、8、12、14のRATDMA送信の合計数が20スロットを越える場合は、AISは、当該データを送信すべきではなく、呈示インターフェイスへ否定の受信証で応答すべきである。
表36は、理論による最大数の添加ビットが必要とされるであろう、という仮定に基づいているものである。送信の前に、呈示インターフェイスから送信される入力の実際の内容に左右されるが、第3.2.2.1項との関連において実際に必要とされる添加ビットが幾つになるか、を決定するメカニズムが適用される可能性がある。このメカニズムが、表36に示してある数より少ない添加ビットが必要とされるであろうと決定した場合は、実際に必要とされる添加ビットの数を適用して、表36に示してある数より多いデータビットが送信されることができる。但し、この送信用に必要とされる合計スロット数は、この最適化によって増加されるべきではない。
 安全関連通報及び2進数通報が使用されるべきであることを考慮すると、変動する通報は、バイトの境界域に設定されることが重要である。長さが変動する通報に必要な添加ビットが、最悪の場合の条件に対して与えられることを確保するために、パケットフォーマット(第3.2.2.2項参.照)との関連おいて、以下のパラメーターがガイドラインとして使用されるべきである。
 表36
スロット数 最大データビット 添加ビット 合計緩衝ビット
1 136 36 56
2 360 68 88
3 584 100 120
4 808 132 152
5 1032 164 184
 
2.59.2 明確化の根拠
 編纂上の明確化
 
2.59.3 修正の日付: 2001年10月
 
2.59.4 所見
 この明確化は、船舶に搭載される等級A移動体用AlS局についての設計と試験とに、既に、取り込まれている。この明確化に対して今後変更を行う場合は、何れも、将来に遺る問題を作り出さないように配慮すべきである。
 
2.60 A2;§5.3.1 宛名指定通報
2.60.1 提案する明確化の文言
 宛名指定通報は、行先のユーザー識別符号を持っているべきである。発信源である局は、受信確認通報(通報7または通報13)を期待すべきである。
 受信証が受信されない場合は、当該局は、その送信を再度試みるべきである。送信を再度行なう前に、当該局は、4秒待つべきである。送信が再度試みられる場合は、再送信フラグは「再送信されたもの(retransmitted)」に設定されるべきである。再送信の回数は3とすべきであるが、呈示インターフェイス経由で外部の用途により、0回と3回との間の送信回数を編成できるべきである。外部の用途により別の値へ設定する場合は、再送信の回数は、8分後に3回へ、ディフォルトされるべきである。データ伝送の全体の結果が、上方にある層へ送り込まれるべきである。受信確認は、2局の移送層間で行なわれるべきである。
 呈示インターフェイスにある各々のデータ伝送パケットは、通報の種別(2進数通報か安全関連通報か)・通報元識別符号・行先識別符号・順列番号、により構成されている独特のパケット識別符号を持っているべきである。順列番号は、該当している呈示インターフェイスの通報であり当該局へ入力されているもの、に指定されるべきである。
 行先局は、自分の受信確認通報において、同じ順列番号を呈示インターフェイス上へ返送すべきである。
 通報元の局は、受信確認が行なわれてしまうまで、または、タイムアウトが発生するまで、順列番号を再使用すべきではない。
 受信証は、呈示インターフェイスとVDLとの両方において、データ伝送待ち行列の最初に置かれるべきである。
 これらの受信確認は、VHFデータ回線についてのみ適用できる。各用途についての受信確認には、他の手段が採用されなければならない。
 以下の図及び付属書6を参照のこと。
図21
z4084_01.jpg
 
2.60.2 明確化の根拠
 編纂上の明確化;「できるようにさせる(allow)」という語は、「許容(allowance)」、つまり多分に他の設定値があり得る、と誤って解釈され兼ねない。秒の値に、無作為に選ばれた数がなることできない。
 
2.60.3 修正の日付: 2001年10月
 
2.60.4 所見
 なし
 








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