2.6 A2;§3.1.3.3.1 基地局の運用
2.6.1 提案する明確化の文言
基地局は、通常は、基地局の報告(通報4)を、10秒の最小報告率において、送信すべきである。
基地局は、第3.1.3.4.3項にある表に従って合図局としての適格性が認められる条件を満足する場合は、通報4の更新率をMAC. Sync Base Rateへまで増加させるべきである。
また、過去3分間に合図局としての適格性が認められる条件の根拠が無くなるまで、この状態に留まっているべきである。
2.6.2 明確化の根拠
M.1371-1には、「合図局としての適格性が認められる」ことについての定義が無かった。この定義は、一方の表が移動局用に、他方の表が基地局用に供されることにより、最もうまく対応するであろう、と結論付けられた。
2.5.5 修正の日付: 2001年10月
2.5.6 所見
なし
2.7 A2;§3.1.3.3.2 合図局としての移動局の運用
2.7.1 提案する明確化の文言
移動局は、合図局(第3.1.1.4項及び3.1.3.4.3項を見ること)であると判断した場合は、その更新率をMAC. Sync Mobile Rateへまで増加させるべきである。また、過去3分間に合図局としての適格性を認められる条件の根拠が無くなるまで、この状態に留まっているべきである。
2.7.2 明確化の根拠
合図局として活動する状態を終了させるための条件が欠けていた。この条件と一種のヒステリシス(hysteresis)とが取り入れられた。
2.7.3 修正の日付: 2001年10月
2.7.4 所見
この明確化は、船舶に搭載される等級A移動体用AIS局についての設計と試験とに、既に、取り込まれている。この明確化に対して今後変更を行う場合は、何れも、将来に遺る問題を作り出さないように配慮すべきである。
2.8 A2;§3.1.3.4 同期−受信局(図2を見ること)
2.8.1 提案する明確化の文言
図2
2.8.2 明確化の根拠
2.8.3 修正の日付: 2001年10月
2.8.4 所見
2.9 A2;§3.1.3.4.1 UTCが入手可能な場合
2.9.1 提案する明確化の文言
UTCへ直接アクセスできる局は、UTC源に基づいて、その送信を絶えず再同期させているべきである。UTCへ間接的にアクセスできる局は、当該UTC源に基づいて、その送信を絶えず再同期させているべきである(第3.1.1.2項参照)。
2.9.2 明確化の根拠
M.1371-1において矛盾している。
2.9.3 修正の日付: 2001年10月
2.9.4 所見
この明確化は、船舶に搭載される等級A移動体用AIS局についての設計と試験とに、既に、取り込まれている。この明確化に対して今後変更を行う場合は、何れも、将来に遺る問題を作り出さないように配慮すべきである。
2.10 A2;§3.1.3.4.2 自局の送信スロット番号が受信した合図局のスロット番号と同じである場合
2.10.1 提案する明確化の文言
3.1.3.4.2 UTCが入手できない場合
局は、自局の内部スロット番号が合図局のスロット番号と同一であると判断した場合は、既にフレーム同期に入っている状態にあり、連続的にスロット位相同期を行なうべきである。
2.10.2 明確化の根拠
この項は、UTCが直接または間接に入手できない時の条件の下に適用する、ということを指摘していない。新しい項見出しは、この点を明確にする。
2.10.3 修正の日付: 2000年10月
2.10.4 所見
この明確化は、船舶に搭載される等級A移動体用AIS局についての設計と試験とに、既に、取り込まれている。この明確化に対して今後変更を行う場合は、何れも、将来に遺る問題を作り出さないように配慮すべきである。
2.11
A2;§3.1.3.4.3 その他の同期源
2.11.1 提案する明確化の文言
§3.1.3.4.3 同期源
同期のための基本的な信号源は、統合UTC源(UTC直接)とすべきである。この信号源が入手できないような場合は、以下に優先順に列挙されている外部同期源が、スロット位相同期及びフレーム同期の基準としての目的に適うべきである。
1)UTC時間を保持している局
2)合図局としての適格性が認められる基地局
3)基地局へ同期を取っている他局
4)合図局としての適格性が認められる移動局
移動局は、以下の条件の下においてのみ合図局としての適格性が認められるべきである。
|
受信した同期状態の最高値 |
移動局の同期状態値 |
自身の移動局の同期状態 |
0 |
1 |
2 |
3 |
0 |
否 |
否 |
否 |
否 |
1 |
否 |
否 |
否 |
可 |
2 |
否 |
否 |
否 |
否 |
3 |
否 |
可 |
否 |
可 |
0=UTC直接(第3.1.1.1項参照)
1=UTC間接(第3.1.1.2項参照)
2=局が基地局へ同期を取っている場合(
第3.1.1.3項参照)
3=局が受信した局の数が最も多いことに基づいて他の局へ(第3.1.4項参照)、または、間接的に基地局へ、同期を取っている場合
1を越える数の局が合図局としての適格性を認められる場合は、受信した局の数が最も多いことを示している局が、合図局になるべきである。1を越える数の局が同じ数の受信した局を示している場合は、最も小さいMMSI番号を持っている局が覇者になる。
基地局は、以下の条件の下においてのみ合図局としての適格性が認められるべきである。
|
受信した同期状態の最高値 |
基地局の同期状態値 |
自身の基地局の同期状態 |
0 |
1 |
2 |
3 |
0 |
否 |
否 |
否 |
否 |
1 |
否 |
否 |
可 |
可 |
2 |
否 |
否 |
可 |
可 |
3 |
適用できない |
適用できない |
適用できない |
適用できない |
0=UTC直接(第3.1.1.1項参照)
1=UTC間接(第3.1.1.2項参照)
2=局が基地局へ同期を取っている場合(
第3.1.1.3項参照)
3=局が受信した局の数が最も多いことに基づいて他の移動局へ(第3.1.4項参照)、または、間接的に基地局へ、同期を取っている場合
上記の表に従って合図局としての適格性が認められた基地局は、合図局として活動すべきである。
2.11.2 明確化の根拠
M.1371-1には、「合図局としての適格性が認められる」ことについての定義が無かった。この定義は、一方の表が移動局用に、他方の表が基地局用に供されることにより、最もうまく対応するであろう、と結論付けられた。
2.11.3 修正の日付:2001年10月
2.11.4 所見
この明確化は、移動局が影響を受けるという限りにおいて、船舶に搭載される等級A移動体用AIS局についての設計と試験とに、既に、取り込まれている。この明確化に対して今後変更を行う場合は、何れも、将来に遺る問題を作り出さないように配慮すべきである。
2.12.1 提案する明確化の文言
データ部分とFCSとにおけるビットストリーム − 図4、第3.2.2. 5項、3.2.2.6項参照 − は、ビットが添加調整されること(bit staffing)を前提としているべきである。このことは、送信側においては、5個の連続している1が出力ビットストリームの中で見出された場合、その5個の連続している1の後にゼロが挿入されるべきである、ということを意味しており、各HDLCフラグ(開始フラグ(Start flag)及び終了フラグ(End flag)のこと。図4を見ること。)の間にある全てのビットに適用する。受信側においては、5個の連続している1の後にある最初のゼロは除去されるべきである。
2.12.2 明確化の根拠
2個の明確化事項が結合されている。
■ 動作が行われる順序は、適切な機能にとって必要不可欠である。本来の記述は、送信側と受信側との両方に既に適用されている考えられることができたので、明確化が必要とされた。この記述は、送信側に当てはまる。受信側においては、この過程は、逆の順序で行われるべきである。
■ ビット添加のためのゼロビットを出力データストリームの中の何処に置くべきであるか、ということについて明確化が必要とされた。
2.12.3 修正の日付: 2001年10月
2.12.4 所見
この明確化は、移動局が影響を受けるという限りにおいて、船舶に搭載される等級A移動体用AIS局についての設計と試験とに、既に、取り込まれている。この明確化に対して今後変更を行う場合は、何れも、将来に遺る問題を作り出さないように配慮すべきである。
2.13 A2;§3.2.2.8.1 ビット添加
2.13.1 提案する明確化の文言
固定された長さにある通報のデータフィールドにおいて、可能なビットの組み合わせ全部について統計手法による解析を行なうと、組み合わせの76%が、ビットの添加調整に3ビット以下を使用していることを示している。論理上可能なビットの組み合わせを追加すると、4ビットが、これらの通報については十分であることを示す。長さが変化する通報が使用される場合は、追加の添加用ビットが必要になることも考えられる。追加の添加用ビットが必要である場合については、第5.2項及び表36を参照のこと。
2.13.2 明確化の根拠
参照先が間違っている。
2.13.3 修正の日付: 2001年10月
2.13.4 所見
なし
2.14.1 提案する明確化の文言
送信に使用されるスロットは、選択間隔(SI)の中にある各候補スロットから選ばれる(図9を参照のこと)。位置情報が失われたために候補スロットの数が限定されている場合を除き、選択するための候補スロットは、常に、最低4個は存在しているべきである(
第4.4.1項を見ること)。1スロットより長い通報用に候補スロットを選ぶ場合(第3.2.2.11項参照)は、候補スロットは、自由スロットまたは再使用可能スロットが連続している区画(block)の中で最初にあるスロットとすべきである。候補スロットが全然入手できない場合は、現在のスロットを使用することが許される。候補スロットは、原則として、自由スロットから選択される(第3.1.6項を見ること)。要求された時は、使用できるスロットが候補スロット一式の中に含まれている。各候補スロットの中からスロットを選ぶ場合は、当該スロットの状態の如何に関わらず、選ばれることにおいては、どの候補も同じ確率にある(第3.1.6項参照)。局が、SIの中の全部のスロットがスロットの再使用を制限されている(
第4.4.1項参照)ために候補スロットを全然見出すことができない場合は、当該局は送信を行うべきでない。
例
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
E |
E |
F |
F |
F |
F |
F |
E |
3スロットの通報が送信されようとしている。番号2、3、4のスロットのみが候補スロットと考えられるべきである。
各候補スロットの中から1チャンネルにおける送信のためにスロットを選ぶ場合は、当該スロットが別のチャンネルで使用されているかどうかが考慮されるべきである。他の局により別のチャンネルで当該候補スロットが使用されている場合は、当該スロットの使用は、スロットの再使用(
第4.4.1項参照)についての規則と同じ規則に従って行なうべきである。どちらのチャンネルにおけるスロットも、他の基地局または移動局により占有されているまたは割り当てられている場合は、当該スロットは、第4.
4.1項に従ってのみ、再使用されるべきである。
他局のスロットは、当該他局の航行状態が「錨泊中」または「投錨中」に設定されていず、また、当該他局がそれまでの3分間受信されていない場合に、意図的なスロットの再使用に対する候補スロットとして使用されるべきである。
自局は、必要な切り換え時間(第2.12.4項を参照のこと)があるために、2個の並列しているチャンネル上で隣接しているスロットにおいて送信を行なうことができない。従って、自局が1チャンネル上で使用中であるスロットの両側の隣接スロット2個は、別のチャンネルにおける候補スロットとして考えられるべきではない。
意図的にスロットを再使用すること、及び、送信に使用される点において同じ確率の中に最低4個の候補スロットを維持すること、の目的は、回線へのアクセスを高い確率で行なえるようにさせることにある。高い確率のアクセスをより多く与えるために、タイムアウト(timeout)特性がスロットの使用という点に適用されているので、スロットは、連続して、新しい用法のために利用できることになろう。
図7は、回線上での送信のために各候補スロットの中から選択する過程を図解しているものである。
図7