III 事業の実施状況
1.海上防犯連絡協議会等の運営
海上防犯活動の事業計画を策定しこれを推進するため、当協会の中央本部に設置された「海上防犯連絡協議会」及び地方本部に設置された「海上防犯地方連絡会議」を次のとおり開催した。
(1)海上防犯連絡協議会の開催
海上防犯連絡協議会を平成12年5月22日に開催し、海上防犯に関する事業計画を策定するとともに、構成団体及び管下各地方本部に周知し事業を推進した。
なお、海上保安庁警備第一課からは、最近の主な薬物・銃器事犯の現状と対策について、警備第二課からは密航事犯の現状と対策、不審船への対応と取締り及び7月に開催される沖縄サミットにおける海事関係者への協力依頼について、海上環境課からは海洋汚染の発生状況と防止対策、ボンド(早期釈放)制度の利用状況及び環境保全事業全般についての報告や説明があった。
[1] 平成11年度海上防犯活動実施状況
[2] 海上防犯連絡協議会構成団体及び構成員
資料1 参照
[3] 平成12年度海上防犯活動事業概要
資料2 参照
[4] 平成12年度海上防犯活動実施方針
資料3 参照
(2)海上防犯地方連絡会議の開催
海上防犯地方連絡会議は随時開催し、指導員が行う防犯指導の連絡を行うとともに、海上防犯活動実施方針に基づき海上防犯地方連絡会議ごとに海上防犯の目標、講習会の予定、資料の予定配布数等を内容とする「海上防犯活動実施計画」を策定し、当該計画にのっとり海上防犯活動を推進した。
[1] 海上防犯地方連絡会議構成団体及び構成員
資料5 参照
[2] 海上防犯地方連絡会議開催状況
各管区海上保安本部警備課関係者の支援のもと、次の11地方本部で開催した。
地方本部 |
開催月日 |
出席者数 |
地方本部 |
開催月日 |
出席者数 |
北海道 |
11月7日 |
21名 |
門司 |
5月29日 |
26名 |
東北 |
7月10日 |
19名 |
舞鶴 |
6月23日 |
20名 |
関東 |
10月18日 |
20名 |
新潟 |
9月6日 |
22名 |
東海 |
6月19日 |
18名 |
南九州 |
7月28日 |
20名 |
神戸 |
7月19日 |
24名 |
沖縄 |
8月30日 |
15名 |
広島 |
6月20日 |
21名 |
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[3] 主な議題は次のとおり
a 平成11年度海上防犯活動実施状況
b 平成12年度海上防犯活動実施方針
c 平成12年度海上防犯活動実施計画
d 海上防犯講習会の実施状況
e 海上犯罪の現状説明
f その他(自由討議)
g ビデオ(海上保安ニュース)
2.海上防犯活動の実施
(1)指導員
指導員は、全国の19地区に35名が配置されている。
これら指導員は、海上保安庁と民間のパイプ役として、また、民間の中核として海上防犯活動を推進するとともに、海上犯罪等の通報体制の一翼を担うことを目的として、全国所要の地区に所在する当協会の19支部に配置したものである。
なお、指導員は、海上防犯に深い関心を有する一般民間人の有識者から人選されているが、その特殊性から海上保安庁を退職した海上警備業務関係者からも多数委嘱されている。
[1] 指導員の任務
指導員の任務は、概ね次のとおりで、所轄海上保安部署の指導を受け防犯活動を実施した。
a 管内の港湾、海浜等のパトロール
b 管内の訪船指導
c 管内の旅客船事業所、マリーナ、漁業協同組合、海上保安官連絡所等の巡回連絡
d 海上防犯に関する各種の啓蒙活動
e 海上犯罪又は海上や海浜で不審な船舶・人・物等を見つけた場合の海上保安部署への通報
f その他海上防犯に関すること
[2] 指導員の心得
指導員は、この制度の目的を十分理解し、常に海上防犯活動の推進に心がけるとともに、活動に当たっては次の事項を厳守するものとする。
なお、本制度は法律に基づくものではなく、指導員は何ら法律上の権限を持つものではないことに注意を要する。
a 断りなく船舶や家屋に立ち入ったり、人に命令し又は強制したりしてはならない。
b 海上保安官とまぎらわしい服装や装備を着用したり、海上保安官と間違われるような言動を行ってはならない。
c 活動に当たっては、海上保安官から指示、指導された事項を遵守しなければならない。
d 活動に当たって疑問、疑念が生じたときは、海上保安官に指示を求めなければならない。
[3] 通報の要領
a 海上における犯罪を認めたときは、その具体的な内容を直ちに口頭や電話、その他の方法により最寄りの海上保安部署に通報すること。
b 通報の際、海上保安官から指示された事項については、これを遵守すること。
(2)連絡員
平成12年度においては、情報網の拡大充実を図るため、海上保安庁の協力のもと、新たに50名を増員することとし、沿岸監視体制の強化を図った。
新たに指名される連絡員の海上防犯の啓蒙活動資料として、海上防犯活動の紹介、海上犯罪を認知した際の海上保安部署への通報のお願い等を内容とする海上防犯手帳を作成し次のとおり配布した。
海上防犯手帳の地方本部別配布数
北海道(一) |
0 |
東北(二) |
6 |
関東(三) |
4 |
東海(四) |
3 |
神戸(五) |
5 |
広島(六) |
0 |
門司(七) |
8 |
舞鶴(八) |
4 |
新潟(九) |
5 |
南九州(十) |
5 |
沖縄(十一) |
10 |
合計 |
50 |
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( )内は、該当管区本部を示す。
[1] 連絡員の活動
連絡員は、海上における犯罪を認めた場合、海上保安部署への通報を行うものである。海上における犯罪とは、海上において始まり又は海上において行われ若しくは海上に及んだ犯罪をいうが、具体的には次のようなことを見たり聞いたりしたときに通報するものとする。
密輸、密漁、密航、船舶の衝突、船内における窃盗や暴力その他いやがらせ、ゴミ、油などによる海洋汚染、漂流死体、徘徊する等不審な船舶又は人等。
[2] 通報の要領
その具体的な内容を直ちに口頭・電話その他の方法により、最寄りの海上保安部署又は連絡所に通報するものとする。
[3] その他
連絡員は何ら法律上の権限を持つものではない。
(3)連絡所
平成12年度においては、管区海上保安本部の意向等を踏まえ、新たに50カ所を増設することとし、情報収集体制の強化を図ることとした。このために要するアクリル製看板50枚を作成し、各地方本部へ配布した。
連絡所看板の地方本部別配布数
北海道(一) |
3 |
東北(二) |
6 |
関東(三) |
0 |
東海(四) |
5 |
神戸(五) |
3 |
広島(六) |
11 |
門司(七) |
11 |
舞鶴(八) |
2 |
新潟(九) |
5 |
南九州(十) |
4 |
沖縄(十一) |
0 |
合計 |
50 |
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( )内は、該当管区本部を示す。
(4)海上防犯活動実施状況
平成12年4月から平成13年3月までにおける防犯活動実績は、次のとおりである。
資料7 参照
[1] 指導員による活動状況
防犯パトロール・連絡所等巡回・訪船指導・啓蒙活動等の総報告件数は、2,461件(2,411件)である。このうち所轄海上保安部署への通報件数は112件(109件)で、この中には検挙と結びついたものが9件(5件)含まれている。
[2] 防犯連絡員による活動(海上保安庁の集計による。)
12年度末の防犯連絡員の指名数は823名(824名)で、これから海上保安部署へ密漁・窃盗・漂流物・海難事故・不審船・外国漁船侵犯操業等に関する情報が通報された件数は853件(885件)で、この中には検挙に結びついた件数が123件(140件)含まれている。
[3] 連絡所の活用状況(海上保安庁の集計による。)
連絡所は、1,246カ所(1,213カ所)設置している。これらから海上保安部署へ密漁・
窃盗・漂流物・海難・不審船等に関する情報が通報された件数は944件(970件)で、この中には検挙に結びついたもの112件(136件)が含まれている。
( )内は前年度実績