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4.(1) ヒヤリ・ハットなどのアンケート調査(1)
多発する機関室内作業のヒヤリ・ハット
 内航船の船長、機関長、一等航海士、一等機関士及び甲板長に、「整備・修理作業及び貨物倉のクリーニング作業」について、ヒヤリ・ハットを中心にアンケート調査を行い、987人の方から回答を頂きました。(30頁:資料参照)
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1.機関室内作業に従事する機関長と一等機関士のヒヤリ・ハットは、船長、一等航海士及び甲板長にくらべて、ヒヤリ・ハットしたときの原因となった「不安全な行為」または「不安全な状態」の各項目で、10〜30%多い。
 
(注)内航船の機関部作業で件数の多い作業内容
 [1]部品交換[2]フィルター清掃[3]分解点検[4]監視計測
4.(2) ヒヤリ・ハットなどのアンケート調査(2)
不安全な踏み台や保護具の不使用でヒヤリ・ハットが多発
2.各職とも30〜40%の回答者が、「爪先立つ程度の高さの場合、手近にある物の上にのって作業」して、転倒などのヒヤリ・ハット体験がある。とくにビール・ケースの使用が多い。
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3.「簡単な作業だったので、安全保護具をつけなかった」ことがヒヤリ・ハットの原因の一つとなっている。とくに機関長が42%、一等機関士が52%と多い。
4.貨物タンク等のクリーニング作業中に、「作業が始まった後、器具・照明・資材が不足していた」ことがヒヤリ・ハットの原因となっているのが少なくない。不足している器具等を取りに行くため、貨物タンクや貨物倉への出入りが増えるなど危険が増す。
4.(3) ヒヤリ・ハットなどのアンケート調査(3)
ヒヤリ・ハットの不安全な行為など
 回答者にヒヤリ・ハットした体験の中から一つ選んで、アンケートに書いてもらったのが資料2(甲板部3作業中の主なヒヤリ・ハット実例32頁)と資料3(機関室内のヒヤリ・ハット実例35頁)です。中には、ヒヤリ・ハットでは済まず、被災したものも含まれています。
 他の船員の貴重なヒヤリ・ハットの体験を、具体的な内容で一つひとつ共有して、類似災害の防止にご活用下さい。
 
[類似したものが多い事例]
1.ビール・ケースを脚立代わりに使用しての転倒など
2.ディスク・サンダーの使用による負傷
3.高所で塗装、機器の整備中に、工具や部品を落としたもの
4.錆打ちしているときに眼に異物が入ったもの
5.フェリーで車両の誘導、運転中における「はさまれ」など
6.チェン・ブロックの関与したもの(機関室内作業)








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