この表から直ちに分かることは、第1に、わが国の国家公務員に対する民間からの評価は、現在はもちろん将来の期待とともに、6ヵ国中の最下位に在る点である。つい最近まで、世界的に最高の評価を得ていた事実に照らし、国家公務員の謙虚な自己改革が求められる。第2は、わが国を除く5ヵ国では、現在の評価より将来の期待が低い結果になっている。それだけに、国家公務員に対する先々における5ヵ国の国民の期待は、なぜか明るいものではない。しかしわが国だけは、国家公務員に対する批判や不信感が高まっている現在でも、現在より将来の評価が高いのである。国民は現在のサービスに不満を抱きながらも、将来は良くなるものと信じているようである。こうした結果を国内調査票の自由コメント(この報告書「日本編」の「民間からの主なコメント」参照)と考え合わせると、近年高級国家公務員の間に続出した不祥事件の数々は、いかに国家公務員のイメージダウンになっているか、誠に遺憾というしかない。
3 国家公務員のサービスに対する国民の不満と要望
国家公務員のサービスに対する不満は、各国共に「国民を顧客と考えていない」という一点に要約できる。わが国の場合、全12項目の第1位に「国民をお客様とは考えていない」とはしているものの、国の機関から受けたサービスの度合(サービスを受けた全項目に対する総チェック数)と5段階評価との間の関係は、十分解明できなかったが、上位6項目と下位6項目との間には大きな較差があることを認知した。(この報告書の「日本編」C-1表参照)。この点から見て、カナダにおける「市民第一」の調査を参考にしたことは、国内における不満と満足の両面調査の有力な手掛りとなった。
国家公務員のサービスに対する不満の第1位は、前述のように「国民をお客様とは考えていない」ことだった。