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4.2 溶接適応制御部の改良設計・製作

 

姿勢、ギャップ変化に対する適応制御を高度化するため、検出センサ、制御方法、制御プログラム等をの開発を実施した。

 

4.2.1 姿勢変化対応の制御方式

図4.2.1に示すように、曲率部(R部)開始点以前の移行部と定義した領域(図4.1.7参照)で溶接機が先に傾斜し始めるため、この領域でトーチ角度が部材傾斜と同一になるように溶接機に設置した傾斜センサの出力値を用いてトーチ角度調整軸(α軸)によりトーチ角度の調整を行うこととした。

R部開始点以降の傾斜部では、同じく傾斜センサの出力値より、傾斜度に応じて溶接条件を変化させる適応制御を行い、適正な溶接が行えるようにした。

 

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図4.2.1 部材傾斜と溶接機の傾斜の関係

 

4.2.2 ギャップ変化対応の制御方式

第1段階で開発した溶接装置の開先倣い方式には以下のような欠点があった。

1)レーザセンサ揺動時の振動により、レーザセンサ検出点で約1.5mmの開先検出誤差があること

2)レーザセンサからのデータ処理速度が遅いために開先検出周期が約5秒と長く、急激なギャップ変化に対応できないこと

3)開先検出位置が溶接アーク点の約500mm前方にあるのでアーク点が通過するのが約3分後であり、遅延制御を実施しても熱変形などで開先幅が変動すること

 

 

 

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