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図4.1.7 トーチ角度調整機構

 

4.1.4 傾斜部における溶着金属保持方法

傾斜部では溶着金属の流出が問題となるため、外板の内側、外側それぞれについて防止方法の検討を実施した。

(1)外板内側からの溶着金属の流出

傾斜部に入り、上り溶接となるに従い、溶融金属は重力の影響で後方に引かれることになる。そのため各溶接トーチで形成される溶接ビードの高さは、次第に高くなり、溶接速度は遅くなる。傾斜角度と溶接ビード形状を調査した結果、傾斜角度が約10°を越えるところから、先行電極のみで板厚19mmの溶接が可能となる(溶接電流400A以上を使用の場合)。そこで傾斜角が10°を越える急斜部では図4.1.8に示すように内側水冷銅板で溶融池上部を押さえ、溶融金属の内側への流出を防ぐ方式(いわゆるエレクトロガス溶接法)とした。

傾斜角度が10°以内の緩斜部では、後行電極の溶接電流値を傾斜度に応じて徐々に低下させることにより溶融金属の流出を防止することとした。

 

 

 

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