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◆はじめに

 

◆ 配給後、物資は受益者(beneficiary)が管理することになる。物資は公正に、かつ指定の配給量、選択基準、優先順位に基づき配給しなければならない。

◆ 配給が公正に行なわれ、弱者層にも行き渡るよう、モニタリングが必要である。

◆ いかに優れた配給システムでも、難民の協力無しにはうまく機能しない。

◆ UNHCRの配給システムでは、家族に対し、また家族を介して、物的援助を行なう。

 

1. 本章の諸原則は、食糧(food)の配給と食糧以外 (non-food) の物資配給の両方に適用される。ただし多くの場合、配給物資の大半を占めるのは食糧である。本章では、簡単な配給の手引きを示す。UNHCRのCommodity Distribution: A Practical Guide For Field Staff は、物資配給システムを立案・運営する者の必読書である(章末の「主な参考文献」を参照)。

 

◆配給の開始時期

 

2. 配給計画の立案時は、まだ事態が不透明なのが普通だ。物資の配給は、ニーズの評価を十分行ない、受益者の数を正確に把握してから始めるのが理想である。しかしほとんどの緊急事態計画では、こうした条件を満たす前に配給を開始せざるをえないのが現実である。それでも、少なくとも土台とすべき最低限の枠組みを整え、そこからの改善方法を計画してから配給は始めるようにする。

 

◆物資配給システムの選択

 

3. ふたつの基本的な問題

i. 難民自身にどこまで責任を与えるか。

ii. システムの確立・運営のためにどのような資源(時間、スペース、経験豊富な職員、財源など)を利用できるか(表1を参照)。

 

4. 配給システムには大きく3種類ある(表1を参照)。世帯主が女性(women)の場合もある点に留意する。

 

表1 物資配給システム

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