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概要

状況

緊急事態状況の特徴は、食糧、家屋資材、調理用具、燃料といった生命にかかわる物資を、一刻も早く供給しなければならい点にある。物資の公平な配給(distribution)はしばしば困難であり、難民のなかには緊急事態の混乱を利用し、配給された資源を不正に利用する集団または個人がいる場合がある。

 

目的

指定の配給量、選択基準、優先項目に基づき、生命にかかわる物資を公平に難民世帯に供給すること。

 

対応の原則

?b 配給システムは、難民社会の構造を十分に理解したうえで作る。

?b 難民は、配給システムの仕組み、配給時期、配給量を常に知らされるべきである。

?b 難民の中のすべてのグループを、配給システムの設計と運営に適切に参加させる。女性を参加させるためには特別な配慮が必要となる。

?b 社会の基礎単位である家族は、個人の基本的ニーズを満たすうえで重要な役割を担う。よって家族を物資の配給先とする。

?b 物資配給は、定期的かつ予測可能なサイクルで行なう。配給が不規則になると、難民の間で配給システムの抜け道を探す傾向が強まる。

 

行動

?b コミュニティ・サービスの組織を利用(必要なら新たな組織を設立)し、物資配給システムの設計と運営について難民の意見を求める。

?b 物資配給システムを決め、実施する。

?b 物資配給システムの運営状況が定期的に難民に伝わる仕組みを作る。

?b 配給システムが公正かどうか難民自身にモニタリングさせる。

 

 

 

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