ドナーへの報告と特別な必要事項
61. ドナーが拠出金を計上し、追加的資金を拠出するには様々な報告書を必要とする。ドナーへの報告回数は、UNHCRの報告・事業サイクルとは必ずしも一致しないことに留意する。
62. UNHCRの緊急事態事業に拠出している主要ドナーのなかには、特定の期限内に、独自の書式で、特に詳しい報告(財政と事業内容の両方)を求めるドナーがある。こうした特別報告書は、現地事務所からの情報に基づき、本部ドナー・リレーションズ部が作成する。一部のドナーは、自分たちの代表を通じて実施状況を直接モニタリングしている。
63. 多くのドナーは、援助物資にマークを付けるなどの方法により、資金援助が目に見える形になることを極めて重視する。
◆正式な書面通信
64. ある国にUNHCRが新たにプレゼンス(駐在)を確立する際は、政府または地元当局に宛てた多くの正式な書面通知が必要となる。ここでは正式書簡と「口上書(note verbal)」(三人称で書かれる正式な覚え書き。付表2を参照)の作成について簡単な手引きを示す。
65. 正式書簡は、重要事項に関する大臣、大使、政府高官(政府部局の局長など)宛ての通信に利用される。
66. 大使、大臣、その他高官との書面通信では、以下の点に注意する。
i. 正しい書き出しは、“Sir”または“Madam”。しかるべき場合は、上書きにのみ“His(またはHer)Excellency”を使う。ただし、書き出しも結びも“Your Excellency”とするのが地元の慣習の場合もある。不確かな場合は、国連開発計画(UNDP)に聞くか、“Sir”を使う。“His(またはHer)Excellency”は、他の称号、地位より前にくる(Her Excellency Dr. XY、His Excellency General AB、Minister of the Interiorなど)。
ii. “I have the honour ...”という表現は、通常、書き出しにのみ使う。
iii. “You”は通常本文で使用可。ただし長い文章の場合、よりフォーマルな呼びかけを適宜入れると丁重な感じになる(“I should be grateful if you, Sir, [または Your Excellency]would confirm that this is also the understanding of your Government”など)。
iv. 正式書簡は“Accept、Sir/Madam/Your Excellency、the assurances of my highest consideration”で結ぶ。
67. 口上書は三人称で書かれる正式な覚え書きである。口上書は、外務大臣または外務省、大使または大使館宛てにする。口上書は、常に受領した口上書に対する返答に使用され、人から人(例えば、代表から大臣)へ、事務所から事務所(例えば、駐在事務所から省庁)へ宛てて書かれる。以下の点に留意が必要。
i. 口上書が使用される典型例は、UNHCRと政府、大使館、在外公館との情報交換である。他の国連機関との通信には通常使用されず、NGOや一般市民との通信には決して使用されない。口上書は、以下のいずれかの書き出しで始まる。