2] 事業別行政投資額(図6-1、2)
次に、平成7年度における主要事業別の投資額の状況をみると、道路が12兆8,452億円で総投資額の25.2%を占め、行政投資実績調査の開始以来、連続して首位となっている。次いで農林水産が4兆8,139億円(総投資額の9.5%、以下同じ。)、下水道4兆5,021億円(8.8%)、国土保全4兆4,523億円(8.7%)、文教施設4兆871億円(8.0%)、住宅2兆9,420億円(5.8%)、都市計画2兆7,238億円(5.4%)の順となっている。
道路、農林水産、下水道、国土保全及び文教施設の5事業で総投資額の約60%を占めている。
3] 事業目的別行政投資額(図7)
目的別の行政投資額をみると、生活基盤投資の占める割合が最も大きく、24兆4,935億円で総投資額(50兆8,944億円)の48.1%を占めている。以下、産業基盤投資9兆7,575億円(19.2%)、農林水産投資4兆8,139億円(9.5%)、国土保全投資4兆4,523億円(8.7%)となっている(事業内容は図下の分類を参照)。
各々の事業目的別に行政投資の事業主体別、経費負担別の内訳をみると、生活基盤投資においては、市町村の割合が高く、事業主体別で67.5%、経費負担別でも56.1%を占めている。産業基盤投資では、国及び都道府県の割合が高く、両者を加えると事業主体別でも経費負担別でも95%前後となっている。農林水産投資においては、事業主体別では都道府県及び市町村で86.5%を占め、国は13.6%であるが、経費負担別では国費の割合が45.9%となっている。国土保全投資では国及び都道府県の割合が高く、両者を加えると事業主体別で91.0%、経費負担別で92.4%となっている。
(2) 国レベルにおける今後の公共投資の方向性
1] 財政構造改革会議等における議論
平成9年から開かれた財政構造改革会議において、国・地方を通じた財政赤字の中で、21世紀に向け安心で豊かな社会等の実現のため、財政再建を進めていくことが喫緊の課題とされた。平成7年11月には大蔵省から財政危機宣言が出され、同年12月の財政制度審議会基本問題小委員会の報告においても、我が国財政がG7の諸国と比較して極めて厳しい状況にある旨の指摘がなされた。
このような状況を踏まえ、政府は、平成8年12月には、国及び地方の一体となった取組により公的債務残高対GDP比を3%以下とし、その後、最終的には公的債務残高が絶対額で累積しない姿を実現していく等を内容とする財政健全化目標について閣議決定を行った。さらに、平成9年1月に、総理を議長とし、与党各党責任者、関係閣僚等のほか、総理大臣経験者、大蔵大臣経験者を構成員とする財政構造改革会議を発足させた。3月には、総理から「財政構造改革5原則」が提示され、その後同会議での審議結果を踏まえ、6月には「財政構造改革の推進方策」がとりまとめられ、閣議決定されている。