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9. SC 6の将来作業計画
 飯島議長から、“議題7.1 Future new work item proposals of ISO/TC 8/SC 6”及び“議題7.2 Result of the questionnaire on“Prioritization and categorizing PNWI for SC 6““は互いに関連している事項なので、両者を一括して審議するとの説明の後、事務局代理の小林から資料SC 6N 102(添付資料5.15.2及び5.3参照)及びN 103(添付資料6.1及び6.2参照)について次の様な説明があった。
(1)SC 6N 102について
 ISO/TC 8は、CEN(European Committee for Standardization)から次に示す項目に関するISO規格作成の依頼を受けた。
- Rudder angle indicator
- Propeller shaft revolution indicators
- Propeller pitch indicator
- Rate of turn indicator
 
 その後、SC 6N 102 Annex Bに示すように、ISO/TC 8ドミニカ会議で議論が行われ、本件についてはSC 6で担当することがドミニカ会議出席者の満場一致により決定された。
 そこで、SC 6事務局はこの決定を受けて、これらの項目をSC 6の所掌とし、現在NWIP(新規標準化項目提案)の準備を進めている。
 また、SC 6/WG 3(磁気コンパス作業委員会)Convenorの鈴木教授から、従来のISO関係の磁気コンパス規格の統合を目指した、”Unification of the ISO standards of magnetic compasses”について、SC 6 N 102 Annex Cに示すとおり、NWIP(新規標準化項目提案)を行う予定である旨の連絡を受けている。
 なお、今回の会議の場ではこれらのitemsのNWIPについての決定を問うものでなく、追ってISO/IEC Directives, Part 1の2.3.4項に従って書面による投票を行い、決定する予定である。
 また、鈴木教授から、Annex Cにより現行のA級及びB級のISO磁気コンパス規格は、その性能要件と試験・検定規格が別々に独立した規定されているので、これを使用者の利便を考えた統一規格とするため原案を作成中であり、原案作成後にNWIPする予定であるとの説明があった。
 
(2)ISO/TC 8/SC 6N 103について
 SC 6事務局は、ISO/TC 8事務局から要請されているTC 8傘下の各SCが所掌している作業項目の”Prioritization及びCategorizing”並びにdelete itemについても決定し、その結果をTC 8事務局に報告することが要請されている。
 そこで、2002-09-06付け文書SC 6 N 101(添付資料4.14.24.3及び4.4参照)によりSC 6事務局から、SC 6メンバー宛にこれらを決定するためアンケートを行った。
 アンケート結果及びアンケート時に新たに追加希望のあったNWI(新規標準化項目)はSC 6 N 103のとおりである。
 本日この場でアンケート結果を審議し、N 103のリスト中にあるitemsの処置結果を10月25日(金)に開催されるTC 8/AG釜山会議に報告する予定である。
 
 その後の審議の結果、SC 6 N 103中の各itemsの取り扱いについては、次のとおり決定した
(SC 6 Resolution No.5、添付資料12参照)。
(1)SC 6のNWI(新規標準化項目)として追加する項目について
[06.26]Rudder angle indicators
[06.27]Propeller shaft revolution indicators
[06.30]Rate of turn indicators
[06.31]Propeller pitch indicator
[06.32]Unification of the ISO standards of magnetic compasses
[06.33]Daylight signaling lamps
[06.34]Wind direction meters and wind velocity meters
(主な発言内容)
飯島議長:SC 6議長として、SC 6事務局から提案されているNWI(新規標準化項目)については、そのままSC 6の所掌項目として採用することを提案したい。
 特に、CENからのリクエストによる項目はTC 8からの要請もあるので、high priorityの項目として採用したい。
 また、磁気コンパスの統合規格についても、磁気コンパスの搭載はSOLAS規則で要求されているところから、これもhigh priorityとしたい。
アメリカ代表:CENからの要請のあった項目及び磁気コンパスの統合については賛成するが、Daylight signaling lamps及びWind direction meter and wind velocity meterについては、現在これらの機器に関するIMOの性能基準が作成されていないので時期尚早と考える。同性能基準がIMOの場で作成された後にISO規格を作成すればよい。
飯島議長:Daylight signaling lamps及びWind direction meters and wind velocity metersについてはSOLAS規則で要求されているが、その性能基準はIMOでは作成されていない。IMOの場で性能基準を作るには時間がかかるので、IMOに代わってISOの場で作成しても良いのではないか。
アメリカ代表:これまではIMOのリクエストによりISO/IEC規格を作成してきたが、最近ではISO/IECの方がIMOよりも先取りで規格を作成している。SC 6事務局の先取り提案の趣旨は分かるが、IMOの性能基準が規定されていないものについてISO規格が作成されると利用者に混乱が生じてしまう。IMOの事前了解を求めた後に規格化するべきではないか。
韓国代表:ISOの仕事は規格を作成することなので、必要なものは作成するという姿勢でよいと思う。韓国はこの2件もNWI(新規標準化項目)として登録することに賛成する。
飯島議長:アメリカ代表の趣旨は理解したので、25日のAG会議での報告時にアメリカの意向を報告する。これまでの議論ではこれらの項目をSC 6のNWIとする事に反対はないので、いずれのitemsについてもSC 6のNWIとすることの事前了解は得られたものと判断する。
 ただし、正式なSC 6のWI(Work Item:作業項目)とすることについては、追って行うSC 6メンバーによる書面投票により決定する。
 
(2)SC 6の所掌項目からの削除する項目について
 飯島議長から、次の項目については、SC 6の所掌項目から削除したいとの提案があり、反対意見が無くこれらの項目はSC 6の所掌項目から削除することとした。
[06.10R]Revision of ISO 10316:1990 Shipbuilding-Class B magnetic compasses-Tests and certification(理由:Unification of the ISO standards of magnetic compassesの中に包含されるため)
[06.14]Radio equipment GMDSS(理由:IEC/TC80で当該規格作成済みのため)
[06.17]Navigational charts(理由:本件の提案者であるIHOからの未だに提案が行われないため)
[06.23]Pelorus(理由:NWIP投票が否決されたため)
[06.24]Gyro-compasses for small craft(理由:ISO 22090-1:2002に包含されたため)
[06.25]Ship's whistle(理由:提案者からのNWIの提案が行われないため)
 
(3)アンケート結果により、新たなNWI(新規標準化項目)として追加希望のあった項目について
(a)ポーランドからの提案項目について
−Presentation of the radar image(digital radar video signal)on the ECDIS monitor.
−Multifunctional navigational monitors presentings simultaneously data received from different sources:ENC, radar ARPA or ATA, AIS etc.(required accuracy, clarity of presentation, etc.).
 これらの項目については、既にIEC/TC80/WG13(WG13 Displays for the presentation of navigation related information:航海用情報表示)の場で原案審議が行われているので、SC 6としては取り上げないこととした。
 
(b)日本からの提案項目について
−Marine radar reflector(Revision of ISO 8729)
−Voyage data recorder(VDR)-Guideline for installation
 Radar reflectorについては、来年開催される第49回IMO/NAV会議で性能基準が取りまとめられ予定であること。また、VDRについてはIMOの性能基準にあるVDRのinstallation用のガイドライン規格とするものであるため、SC 6の所掌項目とすることとした。
 
(c)オランダからの提案について
 オランダからの、[06.26]Rudder angle indicator、[06.27]Propeller shaft revolution indicators及び[06.31]Propeller pitch indicatorを1規格に統合して、ISO規格をの作成するという提案については、SC 6事務局提案を尊重して3規格に区分して作成することとした。
 
10 今後の会議の予定
 次回のSC 6会議の開催については、出席メンバーからの開催希望が出なかったので、未定とした。
 
11 その他
 アメリカ代表のMr.Roeberから、席上配布された参考資料(添付資料13参照)により、次のようなよう発言があった。
 ISOで作成する規格の中で、インタフェースに関する事項を規定する場合には、IEC/TC80
で作成しているIEC 61162シリーズの規格による規定を採用することを推奨する。ただし、これまでの例で見ると、ISO規格でIEC 61162を引用する場合、その引用方法の表現が異なっている。
 例えば、「IEC 61162によること」、「IEC 61162-1によること」、「IEC 61162で規定するセンテンスによること」などの種々な表現が見られる。
 それぞれのIEC 61162シリーズの規格で規定するformat, sentence等には違いがあるので、その引用に当たっては、この資料に記載されている内容をよく理解し、適切なインタフェース規格番号を具体的に引用して欲しい。
 なお、この資料はTC 8会議にinformationとして提出することとした。
 
12 決議の採択
 決議起草委員会委員作成のDraft resolutionsが読み上げられ、一部字句修正の上、次の決議を採択した。(SC 6 N 109:添付資料12参照
 
 決議5:SC 6は、
(1)SC6事務局からの活動報告、飯島議長が出席した第48回IMO/NAV会議報告及びSC6傘下の各WGの活動報告を了承した。
(2)SC6のNew Work Itemsとして、次の項目を取り上げ、投票にかけるることを了承した。
・クラスA及びクラスB磁気コンパスの統合規格
・回頭角速度計
・ラダーアングルインジケータ
・プロペラピッチインジケータ
・プロペラ軸回転計
・昼間信号灯
・風向/風速計
・VDRの装備基準
・ISO8729(レーダレフレクタ)の改正
(3)SC 6のWork Itemsから、次の項目を削除することを了承した。
・Radio equipment GMDSS
・Navigational charts
・Pelorus
・Gyro-compasses for small crafts:ISO 22090-1:2002に包含した。
・Ship's whistle
・ISO 10316(クラスB磁気コンパスの試験)の改正:磁気コンパスの統合規格へ包含する。
 
 決議6:SC 6は、第2回ISO/TC 8/SC 6釜山会議の開催に当たって、KATS及びKSAが行った会議準備及び設備提供等の援助に対して感謝の意を表する。
 
12 閉会
 SC 6議長の飯島教授からSC 6会議の開催国である韓国代表及び各国出席者対して謝謝意が述べられ閉会した。
 
以上







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