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2.1.2 第1回作業部会議事概要
 
(1) 開催日時及び場所
 
 日 時:平成12年7月31日(月)14:00〜16:30
 場 所:日本海難防止協会会議室
 
 
(2) 議 題
 
[1] 小型船舶の緊急連絡手段等に関する意識調査の実施
[2] 小型船舶に搭載すべき通信機器の検討
[3] その他
 
 
(3) 出席者
 
[1] 委 員
庄司 和民
荒井 郁男、中村 勝英、高野 武王、原 美都雄、片山 泰夫、蛭子 徹也、宮原 邦之、古屋 博司(代理:畑 武彦)
[2] 関係官庁
池田 佳史(代理:板垣 正志)、磯谷 兵衛(代理:森部 賢治)、渡部 典正(代理:宮尾 努)、冨賀見栄一(代理:中村 公亮)
 
[3] その他
松瀬 博文
 
[4] 事務局
田島 邦雄、菅野 瑞夫、池嵜 哲朗
 
 
(4) 資 料
 
[1] GM(00)1W-1 平成12年度調査研究委員会作業部会名簿
 
[2] GM(00)1W-2 遭難時における連絡手段の確保に関する意識等の実態調査実施要領(案)
 
 
(5) 議事概要(◎:委員長  ○:委員  △:関係官庁  □:事務局)
 
[1] 平成12年度調査研究委員会作業部会名簿について、事務局が資料GM(00)1W-1により説明するとともに、郵政省電気通信局電波部衛星移動通信課長の本作業部会への参加について提案し、承認された。
 
[2] 作業部会長に、委員会委員長である庄司委員が選出され、以後作業部会長により議事が進行された。
 
[3] 議題1「小型船舶の緊急連絡手段等に関する意識調査の実施」について、事務局が資料GM(00)1W-2により説明し、これに対して次の質疑応答、意見等があった。
 
(実施要領(案)について)
○ 「目的」のところには、本委員会の目的と実態調査の目的が含まれているが、その関係が整理されていないのではないか。
□ 事務局としては、2行の最後「既存機器…」から以降の部分が最終的な目的で、それ以前がそのため実態調査の内容という考えで作成している。
○ それであれば、前段と後段を入れ替えては。
◎ この内容は、後段が目的で、前段がそのための手段という関係である。従って、順序はこのままとし、1行目の最後から2行目にかけての「…、小型船舶への自主的なイパーブ又はそれに代わる機器の搭載に関する意識を調査し、…」の部分を、「…、小型船舶への自主的なイパーブ等の搭載に関する意識の調査を行って、…」と修正することで、目的と手段の関係を明確にするのが良い。
□ そのように修正する。
△ 標題には、「遭難時における」という言葉が入っているのに対し、目的の中には入っていない。目的の内容も合わせた方が良いのではないか。
◎ 指摘のとおりと思う。目的の3行目「…小型船舶の最適通信連絡体制…」を「…小型船舶の遭難時における最適通信連絡体制…」と修正することでどうか。
□ そのように修正する。
○ この要領(案)の中に、「イパーブ」と「EPIRB」が混在しているので、整理した方が良い。
◎ 要領(案)に最初に登場した時に、「イパーブ(EPIRB)」とし、以後カタカナのイパーブのみを使用することでどうか。
□ そのように修正する。
○ アンケート調査を実施する数はどの位か。
□ 全国を8地方に分け、それぞれの地方で漁船、プレジャーボート各50隻、従って、合計各400隻としている。また遊漁船については、全国で合計50隻程度の調査を予定している。
 
(アンケート(案)について)
◎ アンケート用紙の前に、お願いのための文書といったものを添付するのか。
□ 調査の目的、調査の対象、記入上の注意事項といったものを示した文書を添付 するつもりでいる。
◎それならば、アンケート用紙冒頭の※部分は不要ではないか。
□ ご指摘のとおりと思う。削除する。
○ 問1は、誰に対する問なのか不明確である。
□ 当該船舶の船長に対する問であるが、説明が必要と思われるので、理解できるよう説明を入れる。
○ 小型漁船に対する調査について、具体的にはどのように実施するのか。
□ 全国を8地方に分け、全漁連のご指導を受けて各地方ごとに4、5個所の漁協を選定し、各漁協で所属船10隻程度のアンケート調査を実施していただく。アンケート用紙は、当協会から直接各漁協あて送付し、アンケート用紙の回収については、各漁協で取りまとめて当協会へ送付いただくか、解答者に直接投函してもらうか検討する。なお、各漁協の担当者には、なるべく多種類の船舶からアンケート結果が得られるよう依頼するつもりである。
○ 各漁協に対しては、例えば総トン0〜5で何隻、同5〜10で何隻というようになるべく具体的に指示を与えて欲しい。また、活字をもっと大きくして欲しい。
□ 了解した。そのように明示する。
○ 回答する側に立って、なるべく平易な表現でお願いしたい。例えば、「受有する」、「運航する」というよりは、「現在お持ちの」、「船を使用する」という方が一般的ではないか。また、経験年数については、例えば4級で10年、その後1級を取得して10年といった例も考えられるので、どの経験年数を記載するのか注意書きが必要である。
□ 見直したうえで、配慮する。
○ 遭難等の経験に関しての問があるが、遭難等というと例えば海上保安庁に救助を求めざるを得ないような大きな事故を連想するのではないか。海難等以外でも通常と異なる状態となった時、どのような通信を行ったのかを広く聞けるよう言葉を考えた方が良い。
□ 了解した。そのように修正する。
○ イパーブ等種々の機器の存在を、何を通じて知ったか、という問があり、マリン雑誌、ボート販売店という回答項目が用意されているが、ここに例えば漁協、造船所といった項目も必要ではないか。
□ 検討して整理する。
○ 問13は、「遭難時等緊急の場合に有効な既存通信機器として…」として、携帯電話も挙げられているが、携帯電話を緊急の場合の有効な既存通信機器とするのは、如何なものか。
△ 「有効な」を削除することでどうか。
○ 「緊急の場合に使用できる既存通信機器として…」程度の表現でどうか。
○ 同じ項目で、携帯電話について「搭載」という言葉は適切ではないので、修正願いたい。
□ それぞれそのように修正する。
○ 該当する項目に○を付ける形よりは、四角の欄を設けてそこにチェックする形の方が美しいのではないか。
□ そのように修正する。
○ 問2の船舶の種類について、[3]の遊漁船の中に遊漁の専用船と漁船兼用船の双方が入るようになるが、遊漁専用船だけのデータが分かるようにこの項目は専用船だけとした方が良い。
□ 確かに兼用船の通信機器の状況等は、漁船と同様であり、遊漁専用船の特異性を見るためには、[3]の項目は遊漁専用船のみとした方が良いと考えるので、そのように修正する。
△ 問2の船舶の種類において、プレジャーボートの「その他」には、どのような船舶が入るのか。
□ 今回の調査においては、水上オートバイ、無動力船等それほど沖合まで進出しないであろうものは、対象としていないので、実態としてはないものと思われる。従って、「その他」は削除する。
△ 問15において、「現在、小型船舶においても携帯電話が広く普及していますが、…」のところは、小型船舶に普及している訳ではなく、小型船舶に乗り組む人の間に普及しているのであるから、表現が適切ではない。また、同問の(3)として、携帯電話の海上での使用に係る新たな機能を問うているが、携帯電話のサービスは元々陸上でのものであって、現段階ではその一部が海上で使用できるに過ぎない状況である。携帯電話に何らかの機能を付加するといった検討は、将来的には有り得ない訳ではないが、現時点で色々なアイデアが出てきても、それを直ぐに製品に反映させることはできない訳であるから、この質問の仕方は検討の必要がある。
◎ 「現在、小型船舶においても携帯電話が広く普及していますが、…」の部分はなくても意味は通じるので、削除してはどうか。また、携帯電話について、実現可能かどうかに関わらず、あれば便利だというアイデアを聞くのは、参考になることなので、この設問は残して良いと思う。
◎ 問16(2)のカッコ内に「例えば腕時計型」とあるが、これは「例えば腕時計型機器等」とした方が分かり易い。
□ それぞれご指摘のとおり修正する。
○ 問13の機器の中に、漁業無線があるが、一口に漁業無線の機器といっても色々な型のものがあるので、少なくとも搭載しているものがSSBかDSBか判別できるようにして欲しい。
□ ご指摘のとおり新たな項目を設ける。
◎ 問6の乗船者数にかかる質問の意味は何か。
△ この質問は、主として一人のみで航海する人が、どの位あるか知りたいということで用意した質問である。
◎ それであれば、遊漁船については、乗客を含まない旨の注意書きが必要であろう。
○ 一人乗り船の割合を調べることが主目的であれば、回答は、1人、2人、3人以上程度の区分でも十分ではないか。
○ 参考資料の中に携帯電話の説明が入っていないが、これを入れる必要がある。
□ それぞれご指摘のとおり修正する。
△ 先程の問15(3)において、携帯電話に求める新たな機能の質問であるが、ユーザーの一方的な要望を突き付けられる形になるのは、関係官庁の立場では非常に苦しいところであり、やはり質問の仕方を検討して欲しい。
◎ これについて、(3)として項目を設けるのではなく、(1)の一部として「携帯電話にあれば便利だと思う機能があれば記入下さい」程度の質問とすればどうか。
□ そのように修正する。
○ 問14において、「…現在、殆どの小型船舶には、イパーブを搭載する義務はありませんが、…」という部分があるが、今回の調査対象は、イパーブの搭載義務のない小型船舶としているのであるから、この一文は必要ないのでは。
□ ご指摘のとおりと考えるので、削除する。
◎ この問には冒頭に「イパーブを搭載していない方に伺います。」といった一文が必要と考える。
□ ご指摘のとおり修正する。
○ 問16の(2)に「海中転落した場合、自動的に遭難信号を発信するような機器」とあるが、実際にそういった機器が存在するのか。
△ 米国において似たようなものが実用化されている。航空機のパイロット等が着水した場合に、狭い範囲に限られるが、121.5MHzの遭難信号を発射するもので、価格は70数万ということである。
 
[4] アンケート用紙については、指摘のあったところを事務局で修正し、委員長確認の後成案とすることで合意された。また、アンケート用紙の具体的な配布先については、海上保安庁、全漁連、海レ協からの意見を元に事務局が配布先リストを作成し、その他の委員の方々に送付のうえ了解を得て発想することで合意された。
 
[5] 議題2「小型船舶に搭載すべき通信機器の検討」について、事務局が、本議題に当たっては、既存通信システムの問題点の整理、既存のイパーブに変わる機器に開発といったところを、先ず専門の技術者の方々に検討いただきたく、水洋会にこの件依頼したい旨提案したところ次の質疑応答、意見等があった。
 
○ 本件検討するに当たっては、国際的基準が避けて通れない問題であり、関係官庁として海上保安庁にもその作業班に参加いただきたい。水洋会として、先ず既存の通信システムの問題点といったことを取りまとめて見たいと思う。
◎ 先ず既存の通信システムの問題点を全て洗い出して、そのうえで実行可能なものを選択し、その方策を検討していくという方法であろうと考える。その方向で水洋会にお願いしたい。
 
[6] その他として次の質疑応答、意見等があり、午後4時30分委員会を終了した。
 
△ アンケート調査に話を戻すが、現在の携帯電話のシステムは、既に陸上用として完成されたものであり、これに対して海上での使用のため改造、新たな機能の付加といった提言に結びつく可能性のある質問の仕方は、やはり避けていただきたいと考える。
△ 携帯電話のユーザーが、海上においてどういった機能を望んでいるのか調査し、その結果可能なことについては、改良を提言するというのは特に問題ないのではないか。
△ 既存の携帯電話のシステムを海上での使用のために変更することは、非常に困難であり、実現性が薄い。
◎ 現行のシステムでは、種々の制約があって不可能なものでも、将来的に可能になることが有り得る訳で、将来に繋がる検討を行うということでご理解いただきたい。
○ 例えばプレジャーボート用の無線として、マリンVHFがあるが、これには免許が必要、検査が必要といったことがネックとなって、あまり普及していないのが現状である。しかし、これについても現行法下でそうなっているから仕方がないと処理するのではなく、将来的にどうしていくかといった検討をすべきではないか。
○ 携帯電話の場合、海上でのサービスが保証されていないという現状で、安全確保のための手段として検討することを危惧するのは理解できるので、そういった配慮も必要であろう。
◎ そういった色々な問題があり、またそれに対する色々な方策がある、それらを全て抽出し、検討したうえで小型船舶に最適な通信連絡体制を考えていかなければならないと思うので、どうかご協力をお願いしたい。








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