8月13日(日)
本日のスケジュール・内容
1)総括ミーティングI
2)総括ミーティングII
1)総括ミーティングI
グループ発表:(1)解決すべき課題(上位目標)(2)アウトカム(3)アウトプット(インディケーター)を挙げ、援助側・被援助側に分かれてグループ内でロールプレイ(30分)を行い、発表。
A班:西、高谷、白神、中野
B班:斎藤、内田、田畑、辻、原田
C班:梶本、舛岡、原、佐野
【A班】
(1)解決すべき課題(上位目標)
ストリートチルドレンの結核有病率を減少させる。
→保菌者数減少
→地域全体の感染者数減少
(2)アウトカム
ストリートチルドレンに集まってもらう
→スクリーニングにより感染者の早期発見
→DOTS実施(毎日、来てもらい薬を渡す)
→7日間服薬に来たら食事提供
→栄養状態の改善
●感染者の早期発見・・・咳、発熱、血痰、胸痛でスクリーニング
●健康教育により衛生の向上
●DOTSの実施率を上げる。
●栄養状態の改善
(3)アウトプット(インディケーター)
●DOTSの実施率
【B班】
(1)解決すべき課題(上位目標)
英語教育レベルの向上を、用の創出に結びつける。
国内に人材を留めたまま(brain drainなしで)外国とのビジネスでの外貨獲得がよい。
フィリピンの強み:英語、リテラシーの高さ
→英語圏ということになっているが、地域で差がある。特に地方の学力中位者が直接ビジネスにつながるような能力が十分ではないだろう。
(2)アウトカム
全国的、国際的に通用する英語能力テストを整備する。
●試験のシステム作り・・・指定の学校(実施機関)を認定
●試験の信頼性を高める・・・成績上位者に費用を負担してTOEFLを受験させる。
(3)アウトプット(インディケーター)
●テストの成績
●テスト上位者のTOEFLスコア
【C班】
(1)解決すべき課題(上位目標)
保健システム向上のため、現状把握をする。
現状把握できていない
→各機関の連携不十分
→保健システムの脆弱
(2)アウトカム
●学校の授業で教育(子供へのアプローチ)・・・長期的に効果あり
●医師や医療系学生による村の集会や教会で健康教育・・・村のリーダーや牧師との協力関係を築く
●医学生の実習に組み込む
●健康手帳の交付
●データの収集、記録
●調査結果の報告会
(3)アウトプット(インディケーター)
●健康手帳の発行数
●集会(健康教育、報告会)の回数
●集会の参加人数・リピーター率
●検診(病院にかかった)の回数
(文責:田畑)
2)総括ミーティングII
個人発表 テーマ:「11日間の研修を通しての感想」
【齋藤 怜】
今回の研修の収穫の一つ目は、今まで遠い存在だったWHOという組織を垣間見て、どのような人々が何を考えているかを知り、身近に感じることが出来るようになったことだ。二つ目は、様々な視点からフィリピンを見て、多くの可能性と問題点を見ることが出来たことだろう。その一つ、頭脳流出は私にとって悲しい事実であり、保健医療問題の根本に関わっていると思った。結局、現地の国の人間が自国を良くしようと思わなければ、外国人がやることはその国に根付いていかないだろう。この事実を踏まえて、海外の国に対する自分の将来の関わり方を、もう一度考えていきたい。
【佐野 宏徳】
WHOから地域の保健センターまで、フィリピンの保健医療の現場を隈無く見学させて頂いた。どのステージにおいても、「ひとびと、そしてそのCommunity」のことを一番に考えて日夜努められている姿が印象に残った。
フィリピンは今まで行ったアジアの国の中でもきれいな国であったと思った。マニラではスモーキーマウンテンやスラムのことが取り上げられるものの、行く先々の街角、道路には基本的にごみはなく、訪問した病院なども整然としていた。ある時、子供たちが小学校の周りの道路でほうきを持って掃除をしている現場に遭遇した。最近の日本では、中々見られなくなった光景である。「掃除をすると、ものを大切にする心が育める。」と父親や小学校のおばあちゃん先生より幼き頃学んだ。この国は、貧しいが、ものをそして、ひとを思い遣れる国であり、いつまでもそうあって欲しいなと思った。今の日本は美しいのだろうか!?
Communicable DiseaseとNon Communicable Diseaseという概念。発展途上国では今、感染症だけではなく、心疾患、糖尿病などの生活習慣病が急増し、疾病の二重構造に悩まされていることを知った。食生活の欧米化などが発展途上国をも駆逐している実態に危機感を感じずにはいられなかった。
【高谷 紗帆】
今回はじめて発展途上国と呼ばれる国を訪れたわたしにとって最も印象に残ったのは、いたるところに手持ち無沙汰に過ごしている人がいることだった。わたしは、そのことについての善し悪しをどうこう言うつもりはない。ただ、誤解を恐れずに言えば、そういった無為な時間は人を堕落させるのかもしれないと思った。そして、わたし自身やわたしの家族・友人たちの人生に当然のようにある仕事や教育、さらに自分や周囲の人たちの明日に絶望していなくていいということの幸せを痛感した。
【田畑 敦子】
WPRO、JICA、Hospital、RHU、バランガイ、NGO、大学を訪問し、様々な保健協力の在り方を直接肌で感じ、実際にその分野で活躍されている方々とお話できたことが一番の学びとなった。今まで、漠然としていた国際保健に従事することがイメージできた。
また、国際保健活動において、地域を知ること、専門性を有することが重要だと感じた。Barua先生がおっしゃっていた「人の中に入って、人に学ぶ」ことこそ、地域を知ることだと思う。そして、次世代へ継続して引き継がれるものは、地域を知ることで初めて成り立つと思った。
今回のフェローシップを通して、国際保健に関わる上で様々なアプローチがあることが分かった。今後の進路を考える上で意義深い経験となった。
【舛岡 伸高】
今回のフェローシップでは笹川記念保健財団、日本や在フィリピンの様々な施設の方々、国際機関のご協力により、貴重な体験をここにいる皆一緒にさせて頂きました。まずそのことに大変感謝しています。世界人類みな兄弟というほどまでの意識は、私自身が今現在は持ってはいないかもしれません。であったとしても、フェローシップに冠せられた言葉の国際保健協力にある、協力については引き続きこれからの機会に考えてゆきたいと思います。
【梶本 隆夫】
都市部における衛生環境の悪さが印象に残っている。街中にたくさんの路上生活者がいて物乞いをしている、中心街近くに大きなスラムがある、たくさんのゴミが路上に落ちている。日本にいると常に清潔な環境が当たり前であるが、世界に目をやると日本のような環境が例外なのかもしれない。日本の資金によって病院や学校を造ることも大切であるが、開発途上国における都市部の衛生対策に対してより力を入れることが大切だと感じた。
私はフィリピン人が大好きである。いつもサービス精神が旺盛だからだ。カラオケで場を盛り上げてくれる。楽器を弾き我々をもてなしてくれる。さらにプレゼンテーションでは我々の感心を引くのがうまい。今後は羞恥心を捨て相手に喜んでもらえる振る舞いを常に心掛けたいと考える。
【辻 麻理子】
関心が同じ方向にあるみんなからいい刺激がもらえた。自分が本当に納得するやり方でやればいいんだと思えて、気が楽になった。
実際に現場で働かれている方々と直に接することで、将来の夢が憧れから現実可能なものに変わるのを実感できた。次にどうしたいか、次のステップを具体的に考える原動力をもらった。
他のメンバーや西村先生、松本さん、中住さんとの交流を通じて考えたことがかなりあった。医療にしろ、何にしろ、当事者を含め相互に連携しながらやるもの。今後も、自分の社会勉強だけでなく、色々な方との交流を大切にして行きたいと思う。
【中野 紗也香】
仕事をするとは自分にとってどういうことなのかについて、研修を通して自分なりに答えに近づくことができたと思う。
WHOから地域の人々まで、みんな社会を良くしようと一生懸命だった。そういう人たちと交流できて、私もがんばらなくてはという気持ちになった。
今回の研修で、自分が所属するコミュニティをより大きくとらえることができるようになった。
【原 ひでみ】
これまで政策などの大きな視点で医療を考えたことがなかったが、個々の医療サービスを向上するために必要な、地域や国レベル、あるいは国際レベルでの視点を持つことも重要であると学んだ。
WHOという国際的な大組織から、バランガイという地域の小さな医療ユニットまで、様々なレベルの機関を見学し、そこで働く方々からお話を伺うことができた。
レイテ・ビリランヘ行けたことで、マニラなど大都市では見られなかったフィリピンらしい姿を垣間見られたのは大きな収穫だったと思う。
寄生虫の勉強をおろそかにしていたが、国際医療協力をしていく上で、寄生虫学を勉強することの大切さを身にしみて感じた。
自分が将来どのような形で国際医療協力をしていきたいか、考えるための大きなヒントが得られた。
【原田 麻紀子】
最初は、医大生の中で看護学生が一人やっていけるか本当に心配だったけれど、今はもうなぜそんなことを心配していたのかも思い出せない。それほど刺激的で楽しい時間だった。
この研修の与えてくれたパワーは絶大!今は、学んだことについてもっと知識を深めたくてしかたがない。とりあえず今すぐ帰って勉強したい!
【西 晃弘】
11日間最後まで見守ってくれて本当にありがとうございました。当初の目的は、WHOの先生と知り合いになること、フィリピン人の友達を作ること、自分の公衆衛生の分野での進路について答えを見つけること、ハンディを抱えながらの旅を無事に終えることでした。しかし、実際に思いがけず私が得た宝物は、みなさん、つまり13期のみなさん、事務局の方々、そして、西村先生、バルア先生との出会い、そして仲良くなれたことでした。自分が13期のすてきなチームの一員になれたことを誇りに思います。ありがとうございました。
【白神 一博】
(ここまでのみんなの感想を受けて。)
みんなそれぞれ色々な想いでこのフィールドワークに参加して、最終日になった今振り返ると、みんなそれぞれの目的に沿った収穫を得たみたいです。
僕自身も目的をもってこのフィールドワークに参加して様々な収穫を得たけれど、その内容に言明するよりも、みんなの最後の発言者として、一言。
今回のフェローシップに参加したみんなは、価値観も違うし考え方も違う。それゆえに将来は、臨床で働く人、行政の立場で働く人と分かれていくけれど、今回のフェローシップの間に、それぞれの価値観・考え方触れ合うことができた。これは、つまり、臨床・行政など医療を取り巻く様々な立場で働いている人達がお互いにどのようなことを考えながら働いているかが僅かかもしれないが分かったということである。
このように立場を超えて様々なことを理解しあえたことは本当に意義深かったし、これからもお互いをさらに理解できるようにkeep in touchしていきたい。友人としてもずっと繋がっていたい。
【内田 暁】
(最後の最後に。)
本研修ではたくさんの素晴らしい経験があったが、特に以下の3点が大きな収穫である。
1. 一つの思いがけないserendipityがあった。WHO訪問の日、Dr. Galeaと知り合った。なんというか、すごく格好よかった。こういう人になれたらいいな、というrole modelに出会った気がした。たった一日の出会いではあったが、夕飯時にはいろいろ話もできたし、思いがけなく素晴らしい経験であった。
2. 自分は国際協力の理論研究に取り組んでいる。そんな自分にとっての本研修の目標は、理論では分からない現場に触れること、だった。その目標は達成されたと思う。今後に役立つ有意義な経験であった。国際協力プログラムの、メカニズム・数値目標・進行の仕方・経済学的手法との関係など、について知ることができたのが特に興味深かった。
3. 英国で生まれたから、なのかどうかは分からないが、今まで自分は英語が大好きで、ずっと勉強してきた。その英語を、旅行会話以外の舞台で使うのは初めてのことだった。しっかりとした英語を聞き、話さなければならない今回の研修は、大変刺激的で思い出深い。これからも英語を使う環境に飛び込んでみたいと素直に思った。
8月13日 今日の一言
齋藤:長いと思っていたけれど、あっという間に終わってしまった。もちろん持っていった参考書は見なかったけれど、この13人と出会い、将来のことや色々な問題を話し、みんなの考えを聞けた濃い11日間だった。出会った全ての人に感謝。
西:みんな本当にありがとう!一生忘れない〜、こんなすてきな13期のメンバー、そして体験を与えてくれたことに感謝!!
内田:帰宅。夜なのに暑い。扇風機の前でじっとしていたら、意外と冷えて風邪をひきそう。へっくしょん。研修を終え、日本でののんきで幸せな日々が再び始まる。こんな幸せを世界中の多くの人が味わえようになることを祈っております。楽しかった!みんなありがとう!
佐野:早くもお別れなの(><)。でも、ほんといい思い出、経験が得られました。
そして、みんなとはこれからも仲良くしていけたらいいな。
白神:今日で終わり。まだまだ帰りたくないのに終わり。あー残念。成田でさらっと解散になったのは電車の都合かな。またみんな集まろうね。
高谷:ついに帰国。やっぱり日本も大好きだなと再確認。わたしはちゃんと成長できただろうか?
田畑:本当に充実した11日間。意義深い経験をし、素敵な仲間に出会えて、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとう!!
舛岡:盛りだくさんだったが、総括ミーティングでもたくさん話した。まだ元気があったということだと思う。長い時間を共にできたみんなどうもありがとう。
梶本:このメンバーじゃなかったらこんなに楽しくて充実した日々を過ごせなかっただろうな。本当にこれからもよろしくね!帰国後に鏡を見ると鼻毛が伸びていた。フィリピンの空気が汚れていたからかな。
辻:いよいよ日本へ。本当に濃かった11日間でした!みんなありがとう♪
中野:成田でさらっと解散になったのは、時間の関係もあったけど、誰もこれが最後だなんて思ってないからだと思う。私たちはこれからもつながり続けるんだ。
原:あっというまの最終日。とってもよい仲間に恵まれて、充実した10日間だった。この縁を大事にしていきたいなと思う。
原田:この旅でしか得ることができなかったたくさんの思い出。みんなありがと。ほんとはまだ帰りたくない〜!!!
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