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◆信濃川のサケ漁
 秋になると信濃川では、昭和大橋や千歳大橋から漁船が網を入れる風景が見える。これは信濃川漁業協同組合による流し網漁で、市域を流れる信濃川下流部で行われている。この漁法は上流から下流に網を流し、網の目にサケを絡ませて獲る。流し網を行う漁場は場と呼ばれ、下流から昭和橋場・関屋場・平島場・大島山田場・曽川場・天野舞潟場・酒屋漁場がある。漁期は早期・中期・後期に区分されており、信濃川漁協では中期の10月20日から11月15日まで漁を行う。早期のサケは魚野川に遡上するサケ、後期のサケは加茂及び五十嵐川に遡上するサケとして、最下流の信濃川漁協では漁獲をしないよう申し合わせている。また、隣り合う場で1日おきに漁を休むようにし、サケを漁獲し過ぎないよう調整している。
 実際の操業は、各場ごとにある支部単位で行う。昭和大橋から越後線鉄橋までを漁場とする昭和橋支部では、11人の支部員で漁を行っている。漁は、朝の7時から翌朝の6時まで行う。多くの漁師は兼業で他に仕事を持ち、仕事を終えて夜に漁を行う人もいる。
 漁は漁船1隻に1人が乗り込み、数隻の船で順繰りに網を入れる。風の強さや向き、天候、水の量や透明度、海の満潮干潮などによって遡上するサケの位置や数、動き方が変わるため、網を入れる漁師の経験で漁獲が大きく変わるという。採卵用のサケは生きているのが条件だが、網にかかったサケは弱りやすく、すぐに生簀(いけす)に入れる必要がある。生簀のサケは、信濃川漁協に輸送する。漁協では、採卵から孵化までを行い、平成16年度は約4000尾を捕獲し、約230万尾を放流した。
 
サケの流し網漁
 
 
 
 
 
 


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