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 これらの基本施策の主体別取り組みと具体的な行動の事例として、以下の事項を示している。
 
表2.5 干潟保全の主体別取り組みと行動例
盤洲干潟(小櫃川河口干潟)の保全
主体別取組
市民の取り組み 事業者の取り組み 市(行政)の取り組み
・定期的な清掃等を積極的にPRし、市民の参加を呼びかけましょう。
・現場観察の補助員をボランティアとして行いましょう。
・干潟入口付近に観察舎を兼ねた便所、休憩所を設置し、管理をボランティア、市民で行ないましょう。
・事業活動が干潟に影響を与えないよう配慮しましょう。
・環境教育の場としての利用目的を定めます。
具体的行動例(すぐにでもできること)
市民 事業者 市(行政)
・環境教育の場として利用し、関心を持ちましょう。
・清掃活動(干潟に負荷を与えないような)に参加しましょう。
・植物の生息状況に関心を持ちましょう。
・盤洲干潟(小櫃川河口干潟)に関係する学校の活動にボランティアとして積極的に参加しましょう。
・干潟の保全に協力しましょう。
・自然環境保全地域の指定に向け調整を進めます。
・周辺開発には干潟の環境に配慮した設計にするなど指導を進めます。
・学校教育に干潟学習を取り入れ、干潟の保全に役立てます。
・木更津市小櫃川河口干潟保全基金の活用を進めます。
・関係機関との連携のもと、干潟の自然環境に配慮した整備・管理のあり方について検討します。
出典:木更津市環境基本計画「未来につなぐ環境にやさしいまち きさらづ」 平成15年3月
 
表2.6 動植物の生息・生育環境の保全と創出の主体別取り組みと行動例
動植物の生息・生育環境の保全と創出
主体別取組
市民の取り組み 事業者の取り組み 市(行政)の取り組み
・貴重な動植物の保護活動に参画・協力しましょう。
・生物の生存基盤である森林の保護・育成(植林等)に参加・協力しましょう。
・緑化などに際しては、地域の植生への配慮に努めましょう。
・有機栽培農業を進めましょう。
・水環境の保全と水辺の植物や河川の管理に協力しましょう。
・生物調査などに協力しましょう。
・貴重な動植物の保護活動に参画・協力しましょう。
・野生動植物の生息・生育場所の保全に協力しましょう。
・水辺の植物や河川の管理に協力しましょう。
・水環境の保全と親水空間の創出に協力しましょう。
・野生動植物の生息・生育場所に影響を与える恐れのある開発事業などは、影響を回避あるいは最小限に抑える対策を講じましょう。
・緑化などに際しては、地域の植生に配慮して実施しましょう。
・山中に資材を置いたり、車をとめる場合は生物の生息に配慮しましょう。
・有機栽培農業を進めましょう。
・水系全体の自然環境を保全するため、森林の保全・育成や河川の水質浄化などに努めましょう。
・計画的な漁場の使用やアサリの生息環境の保全など、水産資源の維持保全に取り組みましょう。
・市民、事業者との協力のもと動植物の生息・生育環境等の保全の仕組み作りを検討します。
・里山の所有者や市民団体などと連携・協力し里山の維持管理に努めます。
・農林業に携わる事業者とともに農林業と野生生物との共存のあり方等を検討していきます。
・山林の地権者等の協力を得ながら野鳥の生息環境の保全と創出を図っていきます。
・魚や昆虫水鳥などが多く生息できるよう水域や水辺の保全・再生に努めます。
・関係機関との連携のもと、自然環境に配慮した河川・ため池等の整備・管理を進めます。
・緑や水の連続性に配慮した、生物の生息環境の保全・創出に努めます。
・緑化などに際しては、地域の植生への配慮に努めます。
具体的行動例(すぐにでもできること)
市民 事業者 市(行政)
・環境教育の場として利用し、関心を持ちましょう。
・山ではむやみに草花を採ったり、ごみを捨てたりしないようにしましょう。
・むやみに動物を捕らえずに自然のまま観察しましましょう
・地域の動植物の分布や良好な生物環境などについて知るようにしましょう。
・外来動植物の持ち込みなど、地域の生態系を乱す行為はやめましょう。
・里山の果たす環境保全の働きを理解するように努め、保全活動に積極的に参加、協力しましょう。
・砂浜や干潟、河川など生物の生息環境の保全活動に積極的に参加しましょう。
・農薬や化学肥料などの適切な使用を進めましょう。
・有機栽培によってつくられた農作物を積極的に購入しましょう。
・無リン洗剤の使用など、洗剤の適切な利用を進めましょう
・夜間照明により、生物へ悪影響を与えないよう、
・照明の配置や方向、強さ、点灯時間に配慮しましょう。
・野生動物(鳥獣)に餌をやらないようにしましょう。
・家の周りの水路や草むらの動植物など、身近な生物環境に関心をもちましょう。
・校内や通学途中の自然環境に目を向けてみましょう。
・駐車場の植物等に排気口を向けないようにしましょう。
・農薬や化学肥料などの適切な使用を進めましょう。
・動植物の持ち込みなど、地域の生態系を乱す行為はやめましょう。
・地域の生物相を理解し、生物調査などに参画・協力しましょう。
・砂浜や干潟、河川などの保全活動に積極的に参画しましょう。
・里山の保全について協力しましょう。
・屋外照明や広告塔照明を設置する際には、生物に悪影響を与えないよう、照明の配置や方向、強さ、点灯時間に配慮しましょう。
・事業活動に伴い発生する排水は適正に処理し、基準値を超えるものは出さないようにしましょう。
・開発に当たっては、生態系などの負荷を軽減するよう配慮するとともに、必要に応じ、代替措置としての植林や自然環境復元に努めます。
・自然観察会などの場を活用して市民の里山の保全への関心を高めます。
・自然とふれあうマナーについての啓発活動を進めます。
・保存樹、保存樹林の指定など、法令による貴重な自然の保全を進めます。
・関係機関と連携して野生動物の保護に努めます。
・夜間照明により、生物に悪影響を与えないよう、照明の配置や方向、強さ、点灯時間への配慮に努めます。
出典:木更津市環境基本計画「未来につなぐ環境にやさしいまち きさらづ」 平成15年3月
 
表2.7(1) 自然環境に配慮した産業の振興の主体別取り組みと行動例
自然環境に配慮した産業の振興
主体別取組
市民の取り組み 事業者の取り組み 市(行政)の取り組み
・農地や里山の果たす環境保全の働きを理解するように努めましょう。
・「森林ボランティア」に参加し、森林の保全、育成を進めましょう。
・間伐材を有効活用するため、市民としてのアイデアを提供しましょう。
・適切な森林管理のために伐採した間伐材の使用を進めましょう。
・ふれあい農業を行い、市民の方に体験してもらいましょう。
・自然環境に配慮するため産業間の連携をもちましょう。
・田を休耕田にせず、維持していきましょう。
・農業事業者は、農協などの関連機関と連携して無農薬、減農薬、減化学肥料農業、有機栽培農業を実践しましょう。
・農業後継者を育てましょう。
・農機具や農業資材は、環境に配慮したものを使用しましょう。
・新鮮でおいしい有機農産物のマーケットを拡大するため、新しいブランドの農産物の開発に努めましょう。
・市内で生産される農産物の販売ルートを作りましょう。
・森林の自然、施業技術を市民に伝えるための広報活動を行いましょう。
・事業者や市民との調整を図りながら、植林地においてモデル林を設定し、間伐等手入れのノウハウを集積、伝達する場として活用しましょう。
・間伐材の有効利用のため、市民、関係機関との連携を深め多様な支援を検討しましょう。
・森林所有者は、森林環境の保全に必要な管理を行いましょう。
・森林組合等関係機関との連携を進め、木質バイオマス利用の推進に努めましょう。
・農地周辺の事業者は、工場や事業所からの排水や排出ガスが農地へ影響しないよう配慮しましょう。
・生き物の生息に配慮した農業用水路の整備・管理に努めましょう。
・農業や林業においてグリーンツーリズムの推進に協力しましょう。
・漁場である海域、海岸と漁業の状況について市民に伝えるための広報活動を行いましょう。
・環境ビジネス関連企業を誘致します。
・農業後継者対策を進めます。
・市内で収穫した農産物を地元で流通させるシステムを確立するため、事業者との協働により直販所や朝市、宅配システムを支援するとともに、市民の協力を得ながら、そのシステムを充実させていきます。
・農薬や化学肥料の使用をなるべく控えるような環境保全型農業を促します。
・農協など関係機関と連携して無農薬、減農薬、減化学肥料農業、有機栽培農業を促進します。
・イベントをとおして環境保全型農業の紹介をします。
・安全が確認できる市内で生産された農産物の学校給食への利用を促進します。
・遊休農地などを活用した市民農園や観光農園、施設園芸など、多角的な農地転換を検討します。
・「緑のボランティア」制度により森林ボランティアの育成に協力します。
・有機性廃棄物を有効利用した堆肥を使用するなど、環境に配慮した農業技術の普及に努めます。
・関連機関との連携のもと、廃棄物の集積等により漁場としての効用が低下している海域の保全を図ります。
■グリーンツーリズム:農村や漁村地域において、その自然・文化・人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動のことをいいます。
■環境保全型農業:適切な農業生産活動を通じて国土・環境保全に資する観点から、農業の有する物質循環機能などを生かし、生産性の向上と環境への負荷の軽減に配慮した農業形態をいいます。具体的には、化学肥料や農薬に大きく依存しない、有機肥料の使用や無農薬、減農薬などの取り組みがあげられます。
■木質バイオマス:バイオマスは、もともと生態学用語で「一定面積内の生産現存量」のことですが、現在では「利用可能な生物資源」の意味で使用されています。この中で、特に森林、大木から発生するものを「木質バイオマス」と総称しています。
出典:木更津市環境基本計画「未来につなぐ環境にやさしいまち きさらづ」 平成15年3月
 
表2.7(2) 自然環境に配慮した産業の振興の主体別取り組みと行動例
具体的行動例(すぐにでもできること)
市民 事業者 市(行政)
・市内で生産される農産物を知り積極的に購入しましょう。
・市民農園や観光農園の利用を通じて、農業や自然に親しみましょう。
・地域の自然の源である森林について知るようにしましょう。
・市の漁業及び漁場の状況について知るようにしましょう。
・観光やレクリエーション等で海岸を訪れた時は、釣り糸やごみを捨てないようにしましょう。
・農業、漁業等、事業者間の交流を深め、互いを知るようにしましょう。
・農薬や化学肥料などの適切な使用を進めましょう。
・飲食店などでは、地元の食材を積極的に使用しましょう。
・森林の魅力や森林環境の現状を伝える情報を頻繁に提供しましょう。
・環境に負荷をかけない製品の使用を促進しましょう。
・漁業系廃棄物(廃船、魚箱、漁網、発泡スチロール、貝殻、廃油等)は分別回収し、海岸に放置せず適正に処理しましょう。
・有機すずを用いた船底塗料等を使用しないようにしましょう。
・漁業で使用する器具、容器等は、可能なかぎり再利用を図りましょう。
・農業に伴うごみの回収や資源化を検討します。
・自然環境に配慮した農業を啓発します。
・農業において化学肥料使用量の減量化、有機無農薬栽培などを促します。
・市内で生産される農産物の市内消費を促します。
出典:木更津市環境基本計画「未来につなぐ環境にやさしいまち きさらづ」 平成15年3月


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