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(2)関係条例
 小櫃川及び小櫃川河口干潟を保全していくための関係条例として、「小櫃川河口干潟基金条例」及び「水道水源保全条例」がある。これらについて、以下に示す。
 
■小櫃川河口干潟保全条例
 この条例は、干潟清掃にかかわるごみ処理事業、自然保護団体への助成事業を制度化したものである(環境衛生課)。この条例の経緯は次のとおりである。
・昭和63年 小櫃川河口公園基本構想策定
・平成元年 小櫃川河口干潟保全推進に対する所管部協議
千葉市長会、第一回干潟祭り後援
・平成2年 木更津市第二次基本計画策定、第二回干潟祭り後援
小櫃川河口干潟保全についての陳情
・平成3年 木更津市第五次3ヵ年実施計画策定
定例市議会で質問あり、干潟祭り後援、小櫃川河口干潟の保全について要望あり
・平成4年 「小櫃川河口干潟保全基金条例」上程、議決1億円の積立
 
■木更津市小櫃川流域に拘わる水道水源の保全に関する条例制定までの経緯
 小櫃川の支流御腹川支流の沢に産業廃棄物処分場の建設が始まり、それを反対した地元住民を中心に小櫃川の水を守る会が設立された。
・平成2年 「小櫃川を守る会」が君津氏の産業廃棄物処分場の放流水が流れる沢の水を独自に調査し、シアン、砒素、フェノール類を検出した。同会より、1万人の署名を添え、水源保護条例の早期制定の陳情が行われる。
・平成3年 木更津市水道水源保護問題協議会を設置して検討を開始。
・平成3〜5年 甲府市、長野県、清水市等条例制定にかかわる視察、研修。
・平成6年 「木更津市水道水源保護問題協議会」は、市長に対し8項目からなる「提言書」を提出し解散。
環境保全課による水源保護条例の草案を検討。
・平成6年9月 市の水源保護条例案について、国、県に説明。
・平成6年11月 学識者の意見聴取を行う、関係者への説明。
・    12月 「木更津市小櫃川流域に係る水道水源の水質の保全に関する条例」制定。
・平成7年 袖ヶ浦市への協力の依頼
「木更津市小櫃川流域に係る水道水源の水質の保全に関する条例施行規則」制定
 第一回審議会開催、既存の対象施設(ゴルフ場、処分場)への協力依頼・説明、千葉県水道事業団、袖ヶ浦市、君津市に説明
 
(3)環境基本計画
 木更津市環境基本計画は平成15年3月に発表され、「未来につなぐ環境にやさしいまち きさらづ」を目指すこととしている。このなかで、盤洲干潟、小櫃川河口干潟に関連する課題として
・河口干潟の保全
・アサリの生産環境の保全
・水辺景観の保全
・既存の環境団体等による取り組みの推進
・地域住民による日常的な環境行動
 こうした課題に対し、木更津市が、首都圏の50km圏内でありながら、盤洲干潟等良好な自然に恵まれているものの、地域の社会経済が停滞傾向にあり、「木更津市の現在の環境を保全し、または、より快適なものとし、子や孫の将来世代に引き継いでいくためには、現在の市民生活、産業構造を改善し、豊かな自然と都市機能を備えた木更津市らしい環境特性を生かしながら、持続可能な社会の形成を進める必要がある」としている。
 
 このようなことから、環境目標を
 
 
として、次の4つの基本目標を掲げている。
 
1. 資源を大切にする省資源・循環型社会を目指します。
2. 身近な自然を守り育み、共生を目指します。
3. 共に考え、共に取り組む行動を目指します。
4. 地球環境にやさしいまちをつくります。
 
 環境基本計画における施策の体系を図2.12に示す。
 
図2.12 施策の体系
(拡大画面:131KB)
出典:木更津市環境基本計画「未来につなぐ環境にやさしいまち きさらづ」 平成15年3月
 
 また、干潟に関連する基本法方針としては以下の点を挙げている。
 
自然環境の保全と創出
個別施策
(1)『盤洲干潟(小櫃川河口干潟)の保全』(重点課題)☆
(2)『動植物の生息・生育環境の保全と創出』☆
自然環境に配慮したまちづくりの推進
個別施策
(1)『適正な土地利用への誘導』
(2)自然環境に配慮した産業の振興』☆
(3)観光・レクリエーションにおける自然の活用』☆
(4)良好な景観の保全と創出』☆
(5)公園の整備と維持管理』(重点課題)
(6)市街地における緑化の推進』(重点課題)
環境保全活動の推進
個別施策
(1)『環境保全活動への参加の促進と活動支援』(重点課題)☆
(2)環境情報の整理と共有』☆
環境教育の推進
個別施策
(1)『学校における環境教育の推進』(重点課題)☆
(2)『環境学習の場への参加の促進』(重点課題)☆
 
☆:干潟に関連する課題


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