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b. 50μm未満10μm以上の水生生物
 表II.5.1-10(1)〜(4)及び図II.5.1-3(1)〜(4)には50μm未満10μm以上の水生生物の生物数変化及び殺滅率を示した。
 未処理貯蔵サンプル中における50μm未満10μm以上の水生生物数は、貯蔵1日後では47.4%強の減少であった。貯蔵3日後になると植物プランクトンは90%近くまで減少し、7日後には99.4%となった。しかし、動物プランクトンは7日後までの減少は80%前後にとどまった。ただし、このサンプルを処理すると95.0%の減少となった。なお、動植物プランクトン全体では、処理7日後に98%を越えている。
 
表II.5.1-10(1) スペシャルパイプ基本性能向上システム試験における未処理貯蔵サンプルの50μm未満10μm以上の水生生物数変化及び殺滅率
サイズ区分 50μm未満10μm以上 殺滅率(%)
対象生物 植物プランクトン
(細胞数/
動物プランクトン
(個体数/
合計
(生物数/
植物
プランクトン
動物
プランクトン
合計
未処理原水 12.492 0.271 12.763 - - -
1日後 6.629 0.081 6.711 46.9 70.0 47.4
3日後 1.367 0.039 1.405 89.1 85.7 89.0
7日後 0.078 0.064 0.142 99.4 76.4 98.9
7日後の処理 0.167 0.014 0.180 98.7 95.0 98.6
数値は3データの平均値
 
図II.5.1-3(1) スペシャルパイプ基本性能向上システム試験における未処理貯蔵サンプルの50μm未満10μm以上の水生生物数変化及び殺滅率
(拡大画面:28KB)
数値は3データの平均値
 
 スリット幅0.1mm、流速40m/s処理による50μm未満10μm以上の水生生物の殺滅率は、処理1日後では80%台であったが、処理7日後には99%を越えた。
 なお、動物プランクトンが処理3〜7日後にかけて増加しているのは、原生動物のHypotorichidaが増加したためである。原生動物は、植物プランクトンや水中にある有機物などを濾して餌とする食性のため、処理された生物の残骸を餌として増殖した可能性が考えられる。
 
表II.5.1-10(2) スペシャルパイプ基本性能向上システム試験におけるスリット幅0.1mm、流速40m/s処理による50μm未満10μm以上の水生生物数変化及び殺滅率
サイズ区分 50μm未満10μm以上 殺滅率(%)
対象生物 植物プランクトン
(細胞数/
動物プランクトン
(個体数/
合計
(生物数/
植物
プランクトン
動物
プランクトン
合計
未処理原水 94.912 0.207 95.118 - - -
処理直後 12.655 0.040 12.696 86.7 80.5 86.7
処理1日後 12.370 0.004 12.374 87.0 97.9 87.0
処理3日後 2.993 0.011 3.004 96.8 94.7 96.8
処理7日後 0.617 0.089 0.706 99.4 56.8 99.3
処理7日後の
処理
0.042 0.011 0.052 100.0 94.8 99.9
数値は3データの平均値
 
図II.5.1-3(2) スペシャルパイプ基本性能向上システム試験におけるスリット幅0.1mm、流速40m/s処理による50μm未満10μm以上の水生生物数変化及び殺滅率
(拡大画面:23KB)
数値は3データの平均値
 
 スリット幅0.3mm、流速40m/s処理による50μm未満10μm以上の水生生物の殺滅率は、処理直後が71.4%と低いものの、その後生物数が減少し処理7日後には99.9%の効果となった。処理3日後の動物プランクトンが増加したのは、生物の死骸などを餌とする原生動物のHypotorichida及びCiliophoraが増加したためである。
 
表II.5.1-10(3) スペシャルパイプ基本性能向上システム試験におけるスリット幅0.3mm、流速40m/s処理による50μm未満10μm以上の水生生物数変化及び殺滅率
サイズ区分 50μm未満10μm以上 殺滅率(%)
対象生物 植物プランクトン
(細胞数/
動物プランクトン
(個体数/
合計
(生物数/
植物
プランクトン
動物
プランクトン
合計
未処理原水 3726.701 0.096 3726.796 - - -
処理直後 1065.642 0.002 1065.644 71.4 97.9 71.4
処理1日後 499.262 0.003 499.265 86.6 96.9 86.6
処理3日後 427.969 0.047 428.016 88.5 50.5 88.5
処理7日後 3.936 0.019 3.955 99.9 80.5 99.9
処理7日後の
処理
0.944 0.004 0.948 100.0 95.5 100.0
数値は3データの平均値
 
図II.5.1-3(3) スペシャルパイプ基本性能向上システム試験におけるスリット幅0.3mm、流速40m/s処理による50μm未満10μm以上の水生生物数変化及び殺滅率
(拡大画面:25KB)
数値は3データの平均値
 
 スリット幅0.5mm、流速40m/s処理による50μm未満10μm以上の殺滅率は、植物プランクトンに対しては処理1日後まで50%程度と効果が低かったが、処理7日後には99.7%となっている。
 
表II.5.1-10(4) スペシャルパイプ基本性能向上システム試験におけるスリット幅0.5mm、流速40m/s処理による50μm未満10μm以上の水生生物数変化及び殺滅率
サイズ区分 50μm未満10μm以上 殺滅率(%)
対象生物 植物プランクトン
(細胞数/
動物プランクトン
(個体数/
合計
(生物数/
植物
プランクトン
動物
プランクトン
合計
未処理原水 31.635 0.250 31.886 - - -
処理直後 22.655 0.038 22.693 28.4 84.8 28.8
処理1日後 15.024 0.232 15.256 52.5 7.5 52.2
処理3日後 3.227 0.025 3.251 89.8 90.1 89.8
処理7日後 0.084 0.019 0.103 99.7 92.4 99.7
処理7日後の
処理
0.100 0.012 0.112 99.7 95.3 99.6
数値は3データの平均値
 
図II.5.1-3(4) スペシャルパイプ基本性能向上システム試験におけるスリット幅0.5mm、流速40m/s処理による50μm未満10μm以上の水生生物数変化及び殺滅率
(拡大画面:23KB)
数値は3データの平均値


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