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日本 タイとフィリピンで合同海賊対策活動
 日本海上保安庁は、アジア海域における海賊対策活動の一環として、タイとフィリピンで開催される訓練とセミナーに巡視船を派遣する。
 2月26・27日に開催される第4回海賊対策専門家会合には、地域海上保安機関の上級職員が出席する予定である。
 会合の一環として、日本は巡視船「りゅうきゅう」(総トン数3300トン、ヘリコプター搭載)をタイのレムチャバン港に派遣、タイと日本両国の海上保安機関が通信、被害者捜索救助、海賊追跡・捕捉の訓練を行う。
 その後「りゅうきゅう」はマニラに向かい、3月8日から11日まで海上における法令励行に関する研究訓練及びセミナーに参加する予定。
 「りゅうきゅう」の船上で、ダイバーを含むフィリピン沿岸警備隊の職員40名を動員した訓練が行われ、ヘリコプターも使用される。
 日本に輸入される石油のほとんどが東南アジア海域を経由して輸送されていることから、日本は同海域の海賊対策に先頭を切って取り組んできた。1990年代後半に日本船がマラッカ海峡でハイジャックされて以来、懸念が高まり係わりを深めている。
(2004年2月20日 ロイズリスト)
 
日本 タイと海賊対策訓練実施
 日本は、タイとフィリピンで実施される海賊対策訓練に参加させるため、ヘリコプターを搭載した巡視船を派遣し、地域各国に対する海賊及び海上テロ対策支援を続ける。
 日本海上保安庁の巡視船「りゅうきゅう」は、24日(火)にタイのレムチャバン港に到着し、その後5日間の訓練に参加するためマニラに向かう。
 「りゅうきゅう」は明日(27日)、タイ海上警察とタイ海事局と合同訓練を行う。日本海上保安庁は声明の中で、訓練は、通信、捜索救助、海賊追跡・捕捉・制圧に焦点を当てると述べている。
 訓練は第4回海賊対策専門家会合と共に開催される。この会合にはシンガポールを含めた地域16カ国がタイのパタヤに集まり、本日(26日)から2日間にわたって開催される。
 また、会合には国際海事機関(IMO)やアセアン事務局、日本財団のほか、IMB海賊情報センターも出席する。
 会合はタイ海上警察が主催、慈善団体である日本財団と日本海上保安庁の財政援助を受けて開催される。
 アジア各国の海上保安機関は、国によって編成・権限・経験が異なることから、日本海上保安庁は「アジアの関係機関が貴重な経験を共有することは大変有益なこと」と述べている。
 第1回海賊対策専門家会合は、2002年(注:2000年の誤り)11月にマレーシアのクアラルンプールで開催された。
 第2回会合は2002年3月にジャカルタで、第3回会合は2003年3月にマニラで開催された。
 日曜日(29日)に「りゅうきゅう」はマニラに出発し、3月9・10日に法令励行に関する研究訓練及びセミナーが開催される。
 「りゅうきゅう」の船上で、ダイバーを含むフィリピン沿岸警備隊の職員40名を動員した訓練が行われる予定。
 現在、日本海上保安庁は、国際協力機構(JICA)の技術協力による「フィリピン海上保安人材育成プロジェクト」に専門家3名を派遣している。
 中東から日本に輸送される石油の多くは、マラッカ・シンガポール海峡を通じて輸送されていることから、日本は海賊問題に深い関心を示すようになった。
 日本海上保安庁は、海賊問題を地域の国々の協力・協調なしには解決できない地域全体の問題ととらえている。
 日本海上保安庁は、2000年4月に初めて海賊対策に関する地域会合を開催、15カ国の海上保安機関が参加し、地域専門家会合や合同訓練を含む今後の相互協力に関する一連のガイドラインに合意した。
 これまでに日本海上保安庁は、マレーシア、シンガポール、インドネシア、タイ、インドと会合・訓練を実施している。
(2004年2月26日 シッピング・タイムズ)
 
IMOの保安コード期限達成、海運各社に再喚起=シンガポール海事港湾庁
 シンガポール海事港湾庁(MPA)は8日、同国の船会社や船舶施設など海運関係各社に対し、国際海事機関(IMO)による「船舶および港湾の国際保安コード」(ISPSコード)のテロ対策基準を、今年7月1日の期限までに満たすよう改めて喚起した。IMO加盟国は、今年7月までに同コードに対応する必要があるが、シンガポールは独自に達成目標期限を4月1日に前倒ししている。
 ネプチューン・オリエント・ラインズ(NOL)の子会社ネプチューン・シップマネジメント・サービシズ(NSSPL)は同日、ISPSコードへの対応を完了、同国の船会社では達成第1号となった。
 MPA幹部によると、同国の港湾施設の約半分、シンガポール船籍の船舶の62%がこれまでにISPSコードに対応しているという。また、同幹部は、未対応の海運関係各社に早期の対応を求めるとともに、IMOが設定した7月1日の期限が延長されることはないと警告した。
(2004年3月9日 時事速報シンガポール)
 
シンガポール・マラッカ海峡、テロの主要ターゲットとなる恐れを警告
 海運専門家らは17日、シンガポールで開催されたセミナーでの講演で、国際貿易の主要拠点であり、世界の海運市場にとっても重要な拠点である同国が海上テロの攻撃対象として「二重のリスク」を負っていると警告した。
 東南アジア研究所(ISEAS)の主任研究員、マイケル・リチャードソン氏は、世界の貿易の4分の1、世界の石油の半分が、狭いマラッカ海峡とシンガポール海峡を通過していると指摘。同氏は、自身の分析と米エネルギー省の分析から、両海峡が、ボスポラス海峡とトルコ海峡を除き、「世界で最もテロ攻撃の危険にさらされている」と断定できると述べた。さらに、世界貿易市場に占める両海峡の重要性は、トルコ海峡をはるかに上回っている。
 シンガポール国立大学(NUS)の海事法を専門とするロバート・ベックマン教授は、東南アジア地域の海域を航行する船舶にとり最大のリスクは、テロリストがその船舶を乗っ取り、船舶自体を武器として使用することだと強調した。同教授は、海峡の下半分の地域は公海ではなく、インドネシアとマレーシアの領海であるため他の国々が警察権を行使できず、安全保障面で最もリスクがあると語った。同教授は、特にインドネシア領海内は世界で最も多く海賊襲撃事件が発生しており、海賊が簡単に船舶に乗り込むことができるなら、テロリストが船舶を乗っ取るのも同じように簡単だと指摘した。
(2004年3月19日 時事速報シンガポール)
 
アチェ沖でシンガポール船籍のタンカー、海賊の銃撃受ける
 国際海事局(IMB)の海賊事件報告センターによると、インドネシアのアチェ沖を航行していたシンガポール船籍のタンカーが今月13日に、マシンガンで武装した海賊の銃撃を受け、同船体が深刻なダメージを受けていたことが分かった。
 同船舶は13日の午後4時20分に、8人の海賊の乗った漁船の襲撃に遭い、警報を鳴らし、スピードを上げて海賊の追跡を振り切ろうとしたところを、マシンガンなどで撃たれた。乗員は全員無事だった。海賊がAK-47やM-16などの武器を用い、軍服を着用していたことから、独立派ゲリラ「自由アチェ運動(GAM)」の関与が疑われている。テロ攻撃に対し、IMBはこれまで、同海域で武相した海賊による襲撃や、乗員を拘束して身代金を要求する事件が多発していることから、同海域に立ち入らないよう繰り返し警告していた。
(2004年3月19日 時事速報シンガポール)
 
タイ当局 ハイジャックされていたタグボートとバージを拘束
 タイ当局は3月15日、ハイジャックされていたインドネシア船籍のタグボートSing Sing Mariner号とバージKapuas68号をタイ湾で拘束した。
 タグボートとバージ(やし原油3,000トン=160万米ドル相当積載)は1月29日、インドネシアのカリマンタン島Satuiを出発、マレーシアのバターワースに向かっていた。2月9日、インドネシアのビンタン島付近を航行していたところ、4名の海賊にハイジャックされた。乗組員は付近の島に放置され、その後通りかかった漁船に救助された。
 「S号とK号に類似した船舶の身元偽造作業がタイ湾で進められている」との目撃情報をIMB(国際海事局)が入手。IMBから通知を受けたタイ海軍と警察が該船を拘束し、船内にいたミャンマー人7名を逮捕した。拘束された時、タグボートはTyson号、バージはTysonV号に船名を変えられようとしているところだった。
 2003年には、タグボートとバージ計12隻が東南アジアの犯罪グループによってハイジャックされた。タグボート、バージは速度が遅いため容易に乗り込めることから、海賊の標的になっている。
(2004年3月18日 IMBプレスリリース)
 
海軍警備艇衝突事故、操縦士の判断ミスが原因=海事港湾庁
 シンガポール海事港湾庁(MPA)は6日、今年1月に発生したシンガポール海軍警備艇とオランダのコンテナ船の衝突事故の原因が、同海軍警備艇の操縦を監督していた海軍士官ウン・ケンヨン大尉(29)の「判断ミス」だったことを明らかにした。同衝突事故は、警備艇に乗っていた女性兵士4人が死亡するという同国の海軍史上最悪の事故となった。
 MPAによると、ウン大尉は、警備艇を操縦していた部下(23)がコンテナ船の航路に侵入するコース変更の指示を出した際に、これを認める判断を下した。この部下は同警備艇の操縦訓練を開始してから4カ月目で、ウン大尉は操縦歴が4年以上あった。ウン大尉は、コンテナ船が同じ航路、速度を維持して進むと判断し、警備艇が安全にコンテナ船の航路を横切ることができると判断した。
 また、2隻が衝突しそうになった際には、双方が右に旋回しなければならないとの規則に反し、警備艇が左に旋回したことから、規則に従って右旋回したコンテナ船との衝突に至った。
(2003年4月7日 時事速報シンガポール)
 
韓国船籍タンカー、シンガポール東部沖合いで爆発
 東部ベドック波止場の南沖合い約2キロメートルのシンガポール海域で11日早朝、韓国船籍の化学タンカー「Bum・Ik」が爆発炎上し、中国人の乗組員1人が死亡した。
 このタンカーは中国・天津を出発した後、9日夜から燃料供給を受けるため同海域に停泊していた。インドネシアに向かうためいかりを上げた矢先、船首にある貯納室で爆発が発生。消防船が駆けつける前に、乗組員の消化活動で鎮火した。
 事故発生後、同タンカーはシンガポール海域にとどまり、海事港湾庁(MPA)と警察の調べを受けている。
(2003年5月13日 NNA)
 
インドネシアの貨物船がインド沖で沈没、乗組員全員無事救助される
事故発生日時:2003年5月16日(金)未明
事故発生地点:ベンガル湾 カルカッタ南沖200キロメートル
被害船の詳細:貨物船Saragitis Biru号、インドネシア船籍
インド西部ポンバンダル発バングラディッシュチッタゴン行き
貨物:ソーダ灰2万トン、油150トン
乗組員22名
状況:S号はベンガル湾でサイクロンに襲われ浸水した。17日には乗組員が決死の試みで、船体の穴を塞いだ。S号はインド沿岸警備隊に無線通信し、同沿岸警備隊は現場にホバークラフトを派遣、沈没を始めたS号から乗組員を救出した。警察によると、S号は16日未明に沈没したとのこと。その後、該船乗組員は別の船でカルカッタ南部120キロメートルの港町ハルディアに運ばれた。貨物の油及びソーダ灰が海上に流出しているかどうかについては、報告が矛盾しており、警察はすでに流出が始まっているとしているが、沿岸警備隊は流出の可能性は否定できないとしている。沿岸警備隊の司令官は、船体の亀裂からの油流出を懸念していると述べたが、沿岸警備隊は環境への被害に対応する能力があると付け加えた。
(2003年5月19日 シッピング・タイムズ)
 
バトゥ・プテー島付近でコンテナ船APLエメラルドが座礁
 シンガポールとマレーシアがそれぞれ領有権を争うバトゥ・プテー島(シンガポール名・ペドラ・ブランカ島)付近で、シンガポール船籍のコンテナ船APLエメラルドが11日未明に座礁した。同島付近での事故は昨年12月以降4回目となる。
 シンガポール海事港湾庁(MPA)によると、座礁したコンテナ船からは推定150トンの燃料油が流出しているが、同コンテナ船は安定した状態だという。MPAと同船舶のシンガポール代理店タンカー・パシフィック・マネジメント(TPM)は汚染防止船とダイバー・チームを現場に派遣し、流出した油の処理にあたっている。MPAによると、他の船舶の航行に影響はないという。
 MPAによると、船舶航行情報システム(VTIA)が同日の午前2時25分、同船が針路をそれたことを観測したことから、同船に針路を確認するよう警告した。しかし、同船からの応答はなく、17分後に船長から座礁したとの連絡が入ったという。事故当時、灯台は正常に機能しており、天候も良好だった。
(2003年6月13日 時事速報シンガポール)
 
マレーシア ククップ島沖の沈船、引き揚げられる
 2ヶ月にわたるインドネシアのコンテナ船Tirta Mas号の引上げ作業が先週終了し、船体が船主に引き渡された。T号の引上げ作業はSmitサルベージが請け負い、海底34メートルからクレーン4基で引き揚げられた。T号は、今年2月26日夜、マレーシアのククップ島沖(当事務所注:マラッカ海峡とシンガポール海峡の境目近く)でばら積み船Sanko Robust号と衝突し、間もなく沈没した。
(2003年6月25日 シッピング・タイムズ)
 
クス島沖の船舶衝突で油がわずかに流出=シンガポール
 シンガポールのクス島南東沖2.8キロの海域で21日深夜、マルタ船籍のばら積み船「MVシー・リバティー」号と、パナマ船籍のコンテナ船「MVアラビアン・エキスプレス」号が衝突した。海事港湾庁(MPA)は、衝突により両船から「わずかに油が流出」したものの、深夜にわたる除去作業の結果、すべて取り除かれたとしている。衝突による同国港の操業への影響はなく、海峡の船舶の航行にも影響を与えなかった。
 MVシー・リバティーのエンジン・ルームの一部などが破損したが、両船とも大きな被害はないもようで、現在、近くの港に停泊している。MPAが、事故の原因を調査している。
(2003年9月23日 時事速報シンガポール)
 
海上事故の8割は過失に起因、海運局長
 運輸省のチュック海運局長は、国内航路における事故の8割が船主や船員、監視要員などの過失に起因しているとして、海事教育訓練を充実させる必要を訴えた。ビス二ス・インドネシアが伝えた。
 インドネシアはこれまで海上人命安全条約(SOLAS)、国際海事機関(IMO)の船舶安全管理規格(ISMcode)、海洋汚染防止条約(MARPOL)、海上衝突予防条約(COLREG)、船員訓練・資格・当直に関する条約(STCW)などの条約に批准。海上安全と海洋環境保全に努めているものの、国内の訓練機関にうち、これらのIMOの規定などを満たせるのは国営機関6機関と国営石油プルタミナの海運部の1機関しかなく、民間の24機関や専門学校75校の大部分では、教員、資機材等の不足による困難が生じているとしている。
(2003年9月25日 NNA)
 
バンカ海峡でセメント船衝突、4人不明
 南スマトラ州パレンバン県当局によると、バンカ海峡で23日、リベリア船籍の貨物船とインドネシア船籍のセメント船が衝突しインドネシア船の乗組員4人が行方不明になっている。テンポ(ウエブサイト版)が伝えた。
 当局が無線連絡を受けたのは、24日午前10時30分という。衝突したのは、リベリア船「MV・PACビンタン号」と、インドネシア船「KMパガルユン05号」。両船とも北ジャカルタのタンジュンプリオク港に向け航行していた。
 衝突でパガルユン号の28人が海に投げ出され、24人は救助されたとしている。
(2003年9月25日 NNA)
 
スラバヤ沖で船舶衝突、3人死亡
 東ジャワ州グレシク県の沖合で26日午前9時30分、貨物船と客船が衝突し、客船の乗客3人が死亡、11人が負傷する事故が起こった。ニュースサイト「デティックコム」が伝えた。目撃者によると、事故は、スラパヤから15マイル(約24キロメートル)の地点を航行中の客船「マンディリ・ヌサンタラ号」に貨物船「ユニ・グローリー号」が衝突した模様だ。けが人はスラバヤのスモト病院で手当を受けたという。
 貨物船の衝突では、23日に南スマトラのバンカ海峡でリベリア船籍の貨物船とインドネシア船籍のセメント船が衝突しインドネシア船の乗組員4人が行方不明になっている。
(2003年9月27日 NNA)


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