船舶燃料の売り上げが昨年12月、2年ぶりの最高値を記録
シンガポール海事港湾庁(MPA)の最新統計によると、同国での昨年12月の船舶燃料の売り上げが推定で前月比3.4%増の192万トンと、23カ月ぶりの最高値を記録した。12月の船舶燃料の売り上げは、前年同月比ベースでは9.7%増だった。
船舶燃料の売り上げが大きく増加した理由について業界関係者は、昨年12月にはより大型の船舶が同国に寄港して、船舶燃料を購入している可能性が高いと指摘している。同統計によると、ジュロン島を含む同国の港に寄港したコンテナ船の総トン数は昨年12月に319万トンと、前年同月の294万トンから増加していた。昨年通年の船舶燃料の売り上げは史上最高の2080万トンと、前年比3.5%増加した。
(2004年2月11日 時事速報シンガポール)
シンガポールのPSAの長期債格付けを「Aaa」に格上げ=米ムーディーズ
有力格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスはこのほど、シンガポール政府系港湾管理会社PSAコープの外貨建て無担保長期債の格付けを「Aaa」へと、それまでの「Aa1」から格上げした。またPSAの格付け見通しについては、「安定的」とした。
ムーディーズはPSAが社内構造改革で、PSAインターナショナルを持ち株会社とし、PSAコープをその子会社へと組織を変更したことで、PSAグループの海外進出促進に伴うリスクを軽減し、財務基盤のさらなる強化を図ることができたと指摘した。ムーディーズは、今回の格上げが、過去12−18カ月の間に競争のプレッシャーと業界を取り巻く不安定な状況をPSAが乗り越えたことへの評価だと述べた。ムーディーズは、近隣諸国の港とPSAとの競争は今後も続くが、PSAがさらなるコスト圧縮圧力を吸収することは可能だと述べ、近隣のライバル港がPSAの取扱能力に対抗するまでにはさらに時間が必要との見方を示した。
(2004年2月13日 時事速報シンガポール)
ひびきコンテナ港の運営形態が確定=シンガポールのPSAが34%出資
シンガポールの政府系港湾管理会社PSAコープが参加する企業連合が北九州市当局と3年以上にわたり進めていた北九州港内のひびきコンテナターミナルの運営権をめぐる交渉が妥結し、このほど営業認可が下りた。同ターミナルは、北九州市が民間資金を活用するPFI方式での整備を計画している24時間港。PSAは日本の港湾プロジェクトに直接投資する初の外国企業となる。
PSAは当初同ターミナル運営会社の株式の60%を取得する計画だったが、その後運営条件や取扱量をめぐり交渉が難航し、2002年12月に出資比率を約34%に引き下げることで北九州市と妥協が成立していた。PSAは同運営会社株34%の対価として、2000万米ドル弱を払うと見られている。同運営会社の残りの株式については、港湾運送大手の上組が15.3%、北九州市が10%を取得し、残りを日本通運、三井物産など日本の企業16社が保有する。同運営会社の最高経営責任者(CEO)には上組の久保昌三氏が就任し、最高執行責任者(COO)にPSAのデニス・ソー氏が就任する。
同ターミナルの年間コンテナ取扱能力は100万TEU(20フィート標準コンテナ換算個数)に上るが、本格的な稼動は05年5月の予定。初年度には、約10万TEUのコンテナを扱う見通しで、日本・中国・韓国間の積み替え貨物の扱いが中心となる。
(2004年2月17日 時事速報シンガポール)
シンガポール港とPTPの貨物取扱量増加を楽観視=海運大手マースク
世界最大の海運会社マースク・シーランドのスティーン・ランド副社長(アジア地域担当)はこのほどビジネス・タイムズ紙とのインタビューで、PSAコープが管理するシンガポール港と、マレーシア・ジョホール州のタンジョン・プルパス港(PTP)での貨物取扱量が今後順調に増加することに楽観的な見通しを示した。PSAの最大顧客だったマースクは2000年12月に、南アジア地域の貨物積み替え拠点をシンガポールからPTPへと移転していた。ランド副社長は、同社が今後も引き続きシンガポール港とPTPの双方を利用し、両港での貨物の取り扱いを伸ばしていく方針を強調した。
PTPへの移転により、マースクとPSAとの関係悪化が伝えられていたが同副社長は、PSAとの関係はその後「良い関係」へと修復することができ、現在ではビジネスのあらゆる実務面での話し合いを定期的に行っていると述べた。同副社長は、シンガポールが依然、同社のアジア統括本部であることには変わりないと指摘した。同社は現在、シンガポール港を通じて貨物便3便を運航している。
(2004年2月20日時事速報シンガポール)
海事港湾庁(MPA)は24日、船舶の給油停泊地をシンガポール港の西側に2カ所オープンすると明らかにした。スドン・バンカー・アンカレッジ「A」(ASUBA)と「B」(ASUBB)で、来月1日から使用できる。25日付ロイター通信などが伝えた。
給油停泊地は現在、東側に2カ所あるが、昨年の船舶燃料売上量が過去最高だったこともあり、給油停泊地を増やすことにした。昨年は2001年に記録した2,040万トンをさらに上回る2,080万トンを売り上げ、世界最大の燃料補給地となっている。
(2004年2月26日 NNA)
星港に対抗したジョホール港船舶燃料補給港建設プロジェクトに進展か
消息筋によると、シンガポールの船舶燃料ハブ(中枢)の地位奪取を目指したマレーシア南部ジョホール州のタンジョン・プルパス港(PTP)内での大型船舶燃料補給港の建設プロジェクトに進展があったもようだ。
複数の消息筋によると、PTPの経営権を握る実業家サイド・モクタル氏はこのほど、同船舶燃料補給港建設で中東の提携先を見つけたことから、同補給港は来年にも完成する見通しとなった。サイド・モクタル氏が経営するシーポート・ターミナル社は当初、船舶燃料補給港建設のパートナーとして、国営石油会社ペトロナスとダイアログ社と交渉を進めていたが、両社は同プロジェクトからの撤退を決めていた。今回建設が決まった船舶燃料補給港の規模については、明らかになっていない。
シンガポール港は、世界最大の船舶燃料補給港であり、船舶に必要な水や食品の供給港としても最大規模の港。シンガポール海事港湾庁(MPA)によると、同国は昨年、史上最高の2080万トンの船舶燃料を売却していた。
(2004年3月2日 時事速報シンガポール)
海事港湾庁(MPA)は、港湾事業センターのマルチレーダー追尾システムのレーダー装置2基を追加設置し、海上交通の監視機能を強化している。3日付シッピング・タイムズが伝えた。
MPAは昨年、チャンギ海軍基地とジョホール海峡東部に新レーダー装置2基を設置。これにより同装置の設置数は計11基となった。
同システムは、シンガポール海峡や港湾施設沖合いなどを監視するもの。海上保安への配慮が求められるチャンギ、ジュロンの両海域での船舶交通の監視が強化できる。
これに伴いMPAは同センターに4人を増員した。
(2004年3月4日 NNA)
コンテナ・ターミナル開発用地を確保=アジア貨物量増大で―シンガポール
シンガポールのヨー・チャウトン運輸相はこのほど、アジア・ターミナル運営会議で、同国政府が、大きく増加しているアジアの貨物量に対応するため、コンテナ・ターミナルを新たに開発するための用地を確保済みであることを明らかにした。
政府系港湾管理会社PSAコープは最近、同国港の年間コンテナ取り扱い能力を2000万TEU(20フィート標準コンテナ換算個数)から2400万TEUに拡大するため、新たに5つのコンテナ船の係留スペース(バース)を建設する計画を明らかにしている。ヨー運輸相は、各種調査を引用して、貨物量の拡大に対応するには東南アジアでは2011年までにさらに120のバースを建設する必要があると指摘。同国港の将来の成長を支えるためにも、政府としてはコンテナ・ターミナル拡大のための用地を確保してあると述べた。
同運輸相は、積み替え貨物の獲得をめぐる同国港と近隣港の競争が激化していると認めた上で、PSAが管理するシンガポール港と第2の港、ジュロン港が、インフラの改善とIT化によるコスト削減などを通じて、中国やインドを中心に大きく成長しているアジア貨物市場でシェアを拡大していく方針を強調した。
(2004年3月5日 時事速報シンガポール)
バタム島の港湾プロジェクト獲得にPSA含む大手港湾管理・海運会社が意欲
インドネシア・バタム工業開発局(BIDA)の幹部はこのほど、シンガポール国境近くのバタム島・バトゥ・アムパール港を、地元貨物および積み替え貨物を扱う大型コンテナ港に再開発するプロジェクトの入札に、シンガポールのPSAコープを含む大手港湾管理会社、海運会社14社が参加の意思を示していることを明らかにした。バトゥ・アムパール港はシンガポール海峡に面し、同島内の主要工業地区に隣接している。既存港は現在、シンガポールで積み替えられる貨物を中心に年間16万−20万TEU(20フィート標準コンテナ換算個数)の貨物を扱っているが、再開発後には同港のコンテナ取扱能力は最大年間200万TEUに拡大する見通し。
同コンテナ港の設計・建設および25年間の運営権の入札手続きは3日に開始され、6月には落札企業が発表される。同入札では、PSAのほか、P&Oポーツ、ハンジン・シッピング、サムデラ・シッピングなどが既に応札の意向を表明済み。BIDA幹部によると、同コンテナ港の第1期工事は2005年に開始され、07年には操業を開始する予定。第1期工事が完了する07年には、同港の年間コンテナ扱い能力は90万TEUに拡大する。
(2004年3月5日 時事速報シンガポール)
バタム島新港湾プロジェクト、PSAの脅威とはならず=シンガポール運輸相
シンガポールのヨー・チャウトン運輸相は5日、同国国境近くのバタム島のコンテナ港開発プロジェクトが、シンガポール港を運営する政府系港湾管理会社PSAコープの脅威とはならないとの考えを示した。バタム工業開発局(BIDA)は先週、バタム島の・バトゥ・アムパール港を、地元貨物や積み替え貨物を扱う大型コンテナ港に再開発するプロジェクトの入札手続きを開始し、PSAなど大手港湾管理会社、海運会社14社が参加の意思を示していた。
バトゥ・アムパール港のコンテナ港への再開発について、同運輸相は東南アジア地域内の港間の競争激化を反映した動きと指摘するととともに、PSAは港間の競争激化に伴う「教訓を充分学んでいる」と強調した。また、重要なことは海運市場が急速に成長しており、「PSAを含む他の港にも成長の余地はある」と述べた。
(2004年3月8日 時事速報シンガポール)
ヨー・チャウトン運輸相は5日、シンガポール海事協会(SMF)の設立式における演説で、国際海事センターとしてのシンガポールの地位を強化するため、税制を含む優遇措置の拡大など3項目の措置を実行すると表明した。
実施に当たるのは監督機関の海事港湾庁(MPA)で、優遇措置の見直しのほか、船舶所有・運営業者の誘致努力を強化、海上保険、法律サービス、船舶仲買・金融など付随サービスを充実させる。
SMFは業界の意見を代弁する組織として設けられた。海事産業関係者のフォーラムとして機能し、そこで生まれたアイデア、提案をMPAをはじめとする政府機関が吸い上げ、政策に生かす。
SMFは政府と協力し、国際海事センターとしてのシンガポールを海外に売り込む。会長にはシンガポール海運協会(SSA)のテオ・ションセン会長が、理事には業界代表5人と、ルイ・トゥクユーMPA最高責任者が任命された。
(2004年3月8日 NNA)
シンガポール海事港湾庁(MPA)はこのほど、シンガポールでの船籍登録を奨励するため、船主に対する資本金要件および関連会社規制を緩和すると業界に通知した。国際海事センターとしての地位強化に向けた措置の一環として実施する。8日付シッピング・タイムズが報じた。
船舶をシンガポール船籍にする企業の最低払込済み資本金は5万Sドルにまで引き下げた。以前は50万Sドルか船舶評価額の10%のいずれか少ない方だった。
引き船、はしけ所有会社の最低払込済み資本金も、最初に登録した船舶の評価額の10%か5万Sドルのいずれか少ない方に引き下げた。これまでは最高25万Sドルだった。
裸用船契約で、現地企業を通じ船舶を登録する外国資本の船主会社の最低払込済み資本金は最低5万Sドルに設定。
関連会社に関しては、スライド制に従い船舶をシンガポールに登録するとの条件で、払込済み資本金要件の適用を免除する。現在のMPA登録船舶は3,065隻で、総トン数は2,540万トン。
(2004年3月9日 NNA)
バタム島の新港湾プロジェクトに参加せず=シンガポールPSA
バタム工業開発局(BIDA)は9日、バタム島のバトゥ・アムパール港のコンテナ港への再開発プロジェクト入札で、シンガポール政府系港湾管理会社PSAコープによる参加意志は伝えられていないことを明らかにした。ビジネス・タイムズ紙は先に、同プロジェクトの入札参加企業として、P&Oポーツ、サムデラ・シッピングと並んで、PSAも含まれていると報じていた。
今回の入札は、シンガポール海峡に面する同コンテナ港の設計・建設および25年間の運営権に関するもので、BIDAによると、既にこれまでに35社が参加の意思を表明、しかし、PSAの名前はなかった。ヨー・チャウトン運輸相は5日、同プロジェクトについて、PSAの脅威とはならないとの考えを示している。
同港の現在の年間コンテナ取扱能力は20万TEU(20フィート標準コンテナ換算個数)。コンテナ港への再開発で、年間最大取扱能力が200万TEUに拡大する見通し。
(2004年3月10日 時事速報シンガポール)
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