3. マ・シ海峡の水深
II-3
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マラッカ海峡分離通航帯及びその付近の水深23m未満の浅瀬、岩礁等
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船舶がマ・シ海峡の通航に際して最も問題とするのは水深です。これは、通常の地図を見るだけではわかりませんが、海図を詳細に見た場合、浅瀬、岩礁、沈船などが多数点在し、実際に大型船舶が航行できる海域は極めて限られていることがわかります。マ・シ海峡の分離通航帯及びその付近の大部分の海域は、水深23m以上が確保されていますが、VLCCの通航に影響を及ぼす水深23m未満の浅瀬、岩礁等も多数存在しています(図II-3参照)。従って、VLCCにとっては、分離通航帯航路内を航行していても決して安全というわけではなく、そのような浅瀬、岩礁等を避けて航行する必要があります。特に、東アジアへ原油を輸送するタンカーは、東航時(満載時)に水深の影響を最も受けることになりますが、VLCCなどが船底下に定められた余裕水深を保って通航するためには、適切な海域を選び、また、高潮時を待って通航することが必要となります。
⇒水深23m未満の浅瀬、岩礁等
■ワン・ファザム・バンク灯台付近(図II-4参照)
ワン・ファザム・バンク灯台の南側の西航航路内には最小水深が8.4mのアマゾン・マル・ショールという浅瀬が存在する。このため、西航航路幅は約4,600mであるにもかかわらず、大型船舶が航行できる航路幅はその半分の約2,200m程度である。また、同灯台西側の東航航路内には、水深12m〜20mの浅瀬が2カ所、航路に並行してほぼ南北に存在する。東航中の深喫水船やVLCCは南側にある浅瀬の更に南側を航行し、その後、水深23mを示す2灯標の間(1,350m)を航過するよう推奨されている。
ワン・ファザム・バンク灯台
ワン・ファザム・バンク灯台の西にある沈船
注:ワン・ファザム・バンク灯台は、1874年に英国東インド会社によって建設された。写真の左にある小さい灯台が旧灯台(保存工事中)であり、右は1999年に運用を開始した新灯台である。両者の距離は約300mである。
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■トゥアン岬沖(Tg. Tuan)(図II-5参照)
マラッカ海峡トゥアン岬沖の東航及び西航航路内に水深14〜18.8mの浅瀬が点在する。なお、東航の深喫水船やVLCCは、国際海事機関(IMO)が採択した国際ルール(マラッカ海峡及びシンガポール海峡の通航に関する規則)に従い当該海域の南側に設置されている深喫水航路(水深25m以上が確保されている)を航行しなければならない。
II-5 トゥアン岬沖
■フェア・チャンネル・バンク(Fair Channel Bank)(図II-6参照)
マラッカ海峡ラボ岬(Tg. Laboh)からピサン島(Pu Pisang)にかけての西航航路内に長さ約40km、幅約2km、最小水深8.5mの細長い浅瀬(フェア・チャンネル・バンク)が存在する。
II-6 フェア・チャンネル・バンク
■ラッフルズ・ショール(Raffles Shoal)(図II-7参照)
シンガポール海峡ラッフルズ灯台西側の西航航路内に、当該航路北側境界線に沿って、最小水深12.2mの浅瀬(ラッフルズ・ショール)が存在する。
II-7 ラッフルズ・ショール
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