大江巳之助焼印
大神宮(翁)
かしら番号5
千代(千歳)
かしら番号6
新作 親沢の人形三番叟のかしら二組
もっとも発達したうなづき形式は、現在の文楽のかしらに施されている「引栓式」といううなづき形式である。かしらの胴串(握り手)の前に細い溝が上から下まで彫られていて、その溝に、うなづきの糸を付けた卜型の木片を上下に滑らせることで頷かせる形式である。この「引栓式」は木片を滑らせる加減によって動きを調節できるので、人形表現上、たいへん細やかな動きができ、情緒的な表現もうまく為せる形式である。反面、技術的にはうなづきの糸を付けた卜型の木片が溝から外れることもあり(固定されておらず溝を滑らせているだけなので)、たいへん難しい。プロの人形遣いのような、長年訓練された高度な技術があってはじめて繊細な感情表現が可能になるようである。したがって、「引栓式」はもっとも進歩したうなづき形式といえる。「引栓式」かしらは引栓を最大限引くと、人形の顔が正面を向く構造になっている。よって、遣い手は弓栓を引き胴串(握り手)を握る左腕を直角に曲げ、胴串(握り手)と腕が一直線になるように構えてかしらを遣う。
全国的には、主に人形浄瑠璃の発祥地である大阪を中心に、ごく狭い範囲に分布する。数量もそう多くない。
写真 2 うなづき形式
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