若者企画『森で感じた未来の風 〜伝えたいんだボランティアスピリッツ〜』
司会進行
渡部 和樹(若者企画実行委員)
奥山 真希(山形大学3年)
パネリスト
西塚 梢(東北公益文科大学2年)
村岡 優子(東北公益文科大学2年)
宮城 洋子(東北公益文科大学2年)
ゲスト
加藤 真一(参加者)
斎藤 康成(東北公益文科大学1年)
野口 美恵子(SCVN)
藤垣 直也(若ゾウ)
石川 聡(参加者)
河野 準(参加者)
寺澤 久美子(参加者)
第1部(演劇)
道に迷った旅の一行が森での出会いや発見を通して集会テーマである“未来の風”をいかにして興していけるかについて語り合い輪を大きくしていきます。
第2部(ディスカッション)
奥山 私たちの若者企画のテーマは「森で感じた未来の風〜伝えたいんだボランティアスピリッツ」ということなのですが。未来の風というのが、全体会のテーマでもありましたが、私たちなりに考えた未来の風を皆さんに聞いて欲しいと思います。
渡部 未来の風というのは、未来で吹いている風というのと、未来に向かって吹く風の2種類あるんです。未来で吹いている風というのが、自分たち若者の理想としている社会のことで、未来に向かって吹いている風というのが、その理想の社会を達成していこうじゃないかという過程の中での取り組みのことなんです。
奥山 劇中では、マコトちゃんが、「人と人との関わりや思いやりを大切にして、ボランティアが特別なことじゃなくて、当たり前のように人々の中に浸透した社会をみんなで作っていきたいって」言ってたんですけれども、それがきっと私たちの未来の風じゃないかと思うんですが。
渡部 そうだね。僕もやっぱり、それが若者企画の中での、大枠でのボランティアの中での未来の風だと思っているんですよね。
奥山 私たちの未来の風を皆さんに聞いてもらいたいのですが、メンバーは揃ってますね。それでは、彼らが考える未来の風を聞いてみましょう。ではよろしくお願いします。(登場)
西塚 第1部の劇のマコト役をしました西塚梢です。
村岡 キラリ役をしました村岡優子です。
宮城 サクラ役をしました宮城洋子と申します。よろしくお願いします。
奥山 梢ちゃんは、昨日の分科会に出たと思うのですが、どこの分科会に出たのですか?
西塚 28分科会の「精神障害について」の分科会に参加しました。
村岡 私は鶴岡の30分科会の「地域通貨とボランティアについて」の分科会に参加しました。
宮城 私は朝日村で開かれた「いきいきサロン」という、お年寄りサロンを作っていくにはどうすればいいんだろう、という分科会に参加しました。
奥山 その中身を皆さんに紹介していただけますか。
西塚 私が参加した精神障害者の分科会は、精神障害者が持っている心のバリアや、社会での障害者に対するいろいろなバリアをどうすれば解き放つことができるか、という内容でした。
村岡 私が参加した分科会は、地域通貨であるエコマネーを通して、人との関わりあいとかを地域で広めていこうという内容の分科会でした。
宮城 私は、さっきも言った「いきいきサロン」というお年寄りのサロンを作ろうという分科会でした。何をすればいいか、どういう工夫がされればいいか。でも、それだけにとどまらず、高齢化についていろいろなお話がみんなでできる分科会でした。
奥山 どんなことを話し合ったのでしょうか。
西塚 最初、3つの事例報告を元にして、グループごとに、精神障害が今どのような現状にあるかなどについて意見を出し合って、それをどうしていったらいいかという対策について話し合いました。それで精神障害は他の障害と違って目に見えないものが原因だから、ボランティアをするにしても、自立して働くとしても難しいということが分かりました。
奥山 今回「未来の風」というのをテーマに掲げているのですが、分科会を通して、未来の風がみつかったかなというのを聞きたいのですが、どうでしょうか。
西塚 精神障害も地域に理解されて、当たり前のように生活できるような社会にしていければいいなと思っています。そうするためには、まず精神障害が、身体障害や知的障害と対等な立場で、制度などができて、地域でもわかっていったらいいんじゃないかなと思っています。
渡部 やっぱり、思いやりとか、人の関わりとかって関係あるのかな?
西塚 第1部でマコトが最後に言ったセリフとほとんど同じだなと、分科会に参加した時に思いました。
村岡 自分自身は、エコマネーってまだやったことがないので、これからやろうって思っているんですけど、地域の中での人とのコミュニケーションって、まだ、盛んじゃないじゃないですか。だから、エコマネーを通して頼みやすくなったりとか、人との関わりとかも広がったらいいな、と思っています。
奥山 具体的にはどんなふうに使っていきたいとかいうのも出たのかな?分科会の中で。
村岡 人それぞれ、やってあげられることって違うから、自分の得意なこととかを、お互いに交換しあって、地域の人との交流も深められるかな、って。
奥山 私は聞いていて思ったんだけど、人と人との関わりというのが大きいかなって感じました。宮城ちゃんは、朝日村でどんなことを話し合ったんですか?
宮城 最初は事例報告で、その後、小さなグループに分かれての話し合いをさせてもらったんですけど、やはりエコマネーと思いは似てるかな。お年寄りだけのサロンを作るというのを、今、行政は考えているんですけど、そうじゃなくって・・・
奥山 いろいろな世代とか?
宮城 そう。お年寄りだけじゃないし、子どもだけでもない。人間同士のつながりが希薄になっている時代だから、無理やりにでもきっかけを作るのは大切だと思うんです。人と人とのつながりはとても大切だと思うし、今は無理やり作っていくものでも、いずれは、そういうことを意識しないでも、社会全体がだれとでも話ができる、だれにでも悩みを相談できるような柔らかい社会になっていったらいいと思いました。
【若者企画分科会では?〜未来予想図〜】
奥山 3人は、さまざまな考えを持って分科会に参加したと思います。私たち若者企画は、全体会とは別に、若者企画での分科会というのをやったので、それについて、お二人に聞いていきたいと思います。自己紹介をお願いします。
加藤 皆さん、おはようございます。僕は、20番目「若者と公益」という分科会に参加しました、加藤真一です。よろしくお願いします。
斎藤 今回「若者と公益」を企画しました斎藤康成です。
奥山 よろしくお願いします。ではまず、お二人には、企画側と参加者側ということで、お話を聞きたいのですが、まず分科会の内容を教えていただきたいのですが。
斎藤 分科会の内容ですが、私たちは未来予想図をメインに行いました。自分たちの未来予想図をたたき台にし、二つのグループに分かれて、未来予想図を作りました。それで話し合った結果、まず、こちらの未来予想図ですが、人が原動力となり、さまざまな分野でのつながりが必要であるということを表しています。もうひとつのほうですが、至るところで、人が情報という種をたくさん広い地域にまいています。それが人や社会に関わるきっかけを作っています。その中で芽生えてきたものがつながりになっていくということを表しています。
渡部 分科会をとおして自分たちが見えてきたものは何だったのかということを教えてもらえたら。
斎藤 今回、分科会のキーワードとして、つながりとか、人の力とかがあったのですが、話し合ってみて、やはりそれを再認識しました。
渡部 こちらの3人と分野が違うとしても、やはり人との関わりって重要なんですよね。
斎藤 それは思いました。
加藤 僕は「公益とはなんぞや」と思って分科会に参加しました。今回の分科会をきっかけとして公益というものを、これから学んでいこうと思いました。
渡部 未来の風という部分で、人との関わり合いということが出ているわけですが、自分たちはどうやっていけばいいか、という意気込みがあったら教えていただきたいと思います。
加藤 自分がどんな「風」になりたいかなと考えたのですが、来年度から小学校の教員になるので、子どもたちのために、より良い、住みやすい社会を築けるような大人のひとりになりたいと。具体的にはどうしようというのはないのですが、とにかくそれを考えながらこれから先やっていきたいなと思います。
斎藤 今回の分科会で考えたことを、全国に広めるために、アンケートに協力してくれた学生に、未来予想図を送りたいと思っています。それで、私たちが持っている情報を少しでも多く広めることが、私たちが吹かせられる未来の風だと思っています。
奥山 自分たちがまとめあげた未来予想図を皆さんに発信していこうということですね。企画の狙いとか意図はあったのでしょうか。
斉藤 企画の狙いは、公益という考え方を庄内だけでなく全国にまず広めたいというのと、公益イコールなんとかではなく、広い分野でつながっているということを認識して欲しかったということです。
奥山 実際にやってみて、その意図は達成できたでしょうか。
斎藤 できたと思います。
渡部 いっしょに未来の風を作っていきましょう。
奥山 二人には、若者企画の分科会について報告と紹介をしていただいたのですが、これからも若者のころの自分の考えを持って、成長していってもいろいろなことを考えていって欲しいなと思います。少ない時間で、加藤さん、話し足りなかったと思うのですが今日はこの辺で。ありがとうございました。(拍手)
【佐賀、岐阜、そして庄内〜若者の意見〜】
渡部 今年で若者企画は3回目で佐賀と岐阜の集会があったわけです。どういう思いでやったのかを聞いてみたいと思うのです。
奥山 お二人ともステージにどうぞ。皆さん、拍手でお願いいたします。
(拍手)
奥山 よろしくお願いします。まず、お二人に自己紹介をしていただきましょう。
野口 九州の佐賀から参りました野口と申します。2年前に佐賀集会がありまして、そこではじめて若者企画をやりました。実は私はその時の実行委員ではないのですが、近くで見ていたこともありまして、代わりに話したいと思います。よろしくお願いします。
藤垣 皆さん、おはようございます。岐阜から参りました藤垣という者です。昨年、岐阜集会やったんです。その続きで「若ゾウ」というグループと「根っこワーク」というグループが残りまして、その会員となっております。今日はよろしくお願いします。
渡部 前回、前々回でどんな内容だったかを聞いてみたいのですが。
野口 佐賀での若者企画です。テーマがちょっと長いんですが、「あっ、いー、うふ、えっ?、おー ボランティア」ということで若者たちの大討論会を行いました。ちょっと名前だけではわからないと思うのですが、ちょっと説明しますと、「あっ」は発見、「いー」は満足、「うふ」は喜び、「えっ?」は疑問、「おー」は納得、という意味です。内容としては、まず第1部、第2部に分かれていまして、第1部では、若者の大討論会ということで、そのころすごい話題になっておりました奉仕活動の義務化について、二つ目は、今後のボランティアについてをみんなでディスカッションを行いました。第2部ですが、アフリカ太鼓(ジャンベ)のリズムに合わせて踊りをしました。体いっぱい使って、元気に踊るダンスなんですが、最後は会場のみんなともダンスをして、幕を閉じた、という形です。
奥山 自分たちの若者企画を通して、心境の変化というのがあると思うのですが。
野口 はじめての若者企画だったのですが、すごく反響が大きくて、参加された方々からも、「ホント、全体会良かったよー、一番良かった」とか言っていただいて、それが、私たちにとってボランティアをやる中でも大きな自信にはなったと思います。
藤垣 昨年の集会の若者企画を担当しておりました。テーマは、「蟻の目、花の根、あのねのね」です。飛騨のほうでもあったのですが、そちらは「ハートフル・ステーション飛騨 気づいたらボランティア」。そのテーマふたつを掲げてやりました。
「蟻の目、花の根、あのねのね」のほうは、「蟻の目」というのは、ただ、前にあることをずっと、自分の専門分野だけを見ているのではなくて、もっとグローバルに大きく見て、ボランティアを見ていこうという意味があります。「花の根」というのは、もっと地域に根付いて、せっかく全V研をやるんだから、ここに根付けるボランティアを進めていこうじゃないか、という意味を込めました。そして、「あのねのね」というのは、みなさんに、あのね、どうなの みんなは?その問いかけの意味を込めてつけました。
「ハートフル・ステーション飛騨、気づいたらボランティア」というのは「気づいたらボランティアしていた」という自然なボランティア、当たり前のようなボランティアというのを高校生といっしょに考えていこうという意味でつけました。テレビ会議システムを使って、ふたつの会場を結んで、お互いの活動紹介をしたり、思いを伝えあってきました。
奥山 長い期間、準備する中で、その間のいろいろな心境の変化があったと思うのですが。
藤垣 この全V研が終わってから、家族というものに対してすごく考えることができたのと、家族から始まるボランティアというのがあるのではないか、JYVAでも「おやこdeボランティア」とかやっていますけれども、家族から始まるボランティアの発信、いわばボランティアの再生産をしていきたいなと思っていました。そういう心境の変化がありました。
渡部 岐阜の集会には、自分も参加したのですが、他にも参加した方がいるんですよ。それで、若者企画についてどう思ったか、自分もどういう変化が生じたかなんて、聞いてみたいと思います。
宮城 岐阜集会の内容というより、同年代の人があれだけできるんや、と。私は一昨年の合宿にも参加させていただいて。本当に同い年なのに、考えていることが全然違って、というか、大きくて、自分がすごいちっちゃい人間に思えて、自分が1年後にああできるかと思ったら、絶対にできないという、すごい「負けた!」というのがあって、でも、勝てないとはしても、このままちっちゃいままでいるより、もう少しでいいから大きくなりたいな、というのはすごく感じました。あと、去年参加して、ボランティアは「出会いや!」という人が多くて、だから、人と人との関わりというのを感じました。
渡部 ところで、分科会と全体会、交流会で、人との出会いという部分では、何か探したものがあったのかなと思うんですが。教えてくれませんか?
野口 「大人が守る子どもの人権」という分科会に参加したのですが、本当に子どもに関わる大人の在り方とか、子どもに関わる人へのケアという本当に新しい視点を教えていただいて、すごく勉強になりました。参加されていたかたもユニークというか、個性的というか、素敵な方々ばかりで、そういう方々のお話を聞くことですごく自分にもプラスになったし、いっぱいパワーをもらった気がしました。
藤垣 昨日は、平田町に行ってきました。平田町では、私たちから協働というのを考えていこうと。共に働くという意味もありますし、コラボレーションの協働という意味もあります。でも、平田町では、共に働くというwithの精神と、コラボレーションとをうまく掛け合わせて進めていただいてやってきました。この分科会というのは、町長さんと議員さんと住民の人がみんな参加しました。民と官というのはよく言うんです。けれども、議会とか政治というのは、なかなかここに加わってこない。だけれども、そこにうまくふっと加えた、そんな分科会でした。
渡部 人との関わりとか、出会いについて、自分たちがこうやりたいという部分での未来の風をどう考えていきたいかを教えてくれませんか。
野口 今からの未来を築いていくのは、若い世代、子どもたちだと思うのですが、皆さんひとりひとりが風になってもらいたい。ひとりひとりが風になるような未来ができたらいいなと思いました。
藤垣 私は、「未来の風」を一週間ぐらい前に提示されてから、なんだろうこの未来の風はということを考えてきたんです。私の中での答えとしては、みなさんの心と心のセックスかなと思いました。自分だけで満足してもいかんし。かと言ってボランティアというのは、再生産を行っていかなくてはならないというのもある。そういうことを考えると、みなさんとの心と心のセックスがボランティアであって、あと、未来への風を作るための再生産をするという意味だと思います。違う違うと言うかたもたくさんいると思いますが。もし、この論が深められたら、みなさんで考えていけたらと思っております。今からもう一回考えてみたいと思います。
渡部 私たちも未来の風という部分で皆さんに話を聞かないと、模索できないわけです。自分たちの中でも、普段こうしたいとか、ああしたいと思っていても何をしたらいいかわからなくて、きっかけを探しているわけで、果ては出会いだったり、心のセックスだったりとかで、通じ合うものが出ればと思っています。
渡部 佐賀と岐阜の話を聞いて、そして自分たちが今まで提示してきた未来の風があるわけですけど、今の段階での気持ちを教えてくれないかな。
村岡 今の段階で思う未来の風というのは、やはりさっきの佐賀のかたが言ったように、一人ひとりが、何かをまず、身近なことから始めてみるということを、だんだん、まわりの人がわかってきて、増やしていくというのが必要なんじゃないかと思いますね。
奥山 野口さんが子どもの人権の分科会に参加されて、それを通して、ということで言っていたんですが、これから子どもたちが未来の風になっていけたらいいということでした。私たちが子どものころにそういう環境にあれば私たちはちょっと変わっていけたのかなと思ったりします。未来の風ってなるともうちょっと若い世代の人たちにも伝えていくべきなのかな、と私は聞いていて思ったんです。
【若者と大人〜大人が考える未来への風って?〜】
奥山 これまでは、過去2大会の若者や若者企画の仲間からの、私たちに対する意見だったのですが、これからは、若者だけでなく、大人と若者の境がどうかわからないのですが、大人や、会場にいるかたにお話を聞きたいんですけれども。
渡部 交流会でなんか気になった人がいたんだよね。
奥山 それでは、まず簡単に自己紹介お願いします。
石川 茨城県ひたちなか市から、何回か全ボラに参加させていただいております石川と申します。今回、若者の未来の風ということでお話いただきました。みんな未来のことを考えて、やろう、という気持ちもあっていいと思うのですが、まず自分が生きていかなきゃ。生きている中で、物にも価値があるし、どんな物にもいろいろな価値があるから、その価値をお互いに認め合って、そういう存在があるということを知って、それを認めなければ、それを大切にしないし、それで生きていけないと思う。人との出会いというのも、相手の存在も確認して、そういうところで接していかなければ。そういうところをどんどん広めていければ、もっと未来の風ができるのかな、と俺は思いました。
河野 コメントし慣れて、その後にしゃべるのがすごく嫌なんですが。出身は愛媛で、ずっと不登校してて・・・ずっとでもないか。中2のころに。気分的には中2中退なんですけれども。それで、菊池さんの「フリースペース遊民館」というところに行って、そこで、社会不適合学をとことん詰め込まれて、今は立派な旅人で、栃木に住んでいるんですよ。なんで栃木かは自分でもよくわからないんですが。河野と申します。どうぞよろしく。
奥山 それではおふたりが参加した分科会についてちょっとお聞きしたいのですが、ふたりは違う分科会に出られたのですか?石川さんは?
石川 宮城さんといっしょの「いきいきサロン」というところです。サロンというのは、結局、お年寄り、老人ホームとかの施設が、東京とかにはあるかもしれないのですが、今回参加した朝日村のほうでは、高齢化・過疎化になって、お年寄りがひとりで生活を始めてしまって出会いがないというかたが多いところで、そういう場所を提供してやっていこうか、という社協の考えと、自分たちでそういう場所を作ろうよ、という人たちと、そういう事例発表の中で、いろいろなことを発表されてました。
河野 ぼくは鶴岡の25分科会で、「大人が守る子どもの人権」
渡部 自分たちが大人になった場合に自分たちがどうやっていけたらいいんだろうと思うのですが、未来の風という部分で、自分がどうやっていけたらいいのか、という具体的なところがあればお願いしたのですが。
河野 正直、まだ自分がまわりのために何かできるとは思ってません。自分の人生を発展させないとどうにもこうにも。今、僕が何をしたって説得力ないですからね。ふらふらするだけですから。
渡部 可能性を見つけるとか、人の出会いを探していく、という旅もされている訳ですからね。
奥山 人との出会いというのが、やっぱり大きいのかな。
河野 それが第一ですね。全V研というのが僕の価値観を変えてくれた場所ですから。
渡部 石川さんのほうは、未来の風という部分で、自分がどうやっていけたら、ということは。
石川 やはり生き続けることです。それぞれの存在を認めて、生き続けること。お互いの価値観を確認して、お互いに成長していく。そういう生きかたを自分の中でやっていきたいなと思って。未来の風ということにさせていただきたいと思います。
奥山 ありがとうございました。それでは、「コミュニティーと災害」ということで、分科会17に出られた寺澤久美子さん、いらっしゃいますか?
奥山 どうぞ。よろしくお願いします。自己紹介をお願いいたします。
寺澤 皆さんこんにちは。徳島から来ました。徳島県民活動プラザでボランティア・コーディネーターをやってます寺澤と申します、よろしくお願いします。
(拍手)
奥山 参加した分科会は、どのような内容で行われたのでしょうか。
寺澤 災害が起きたとき、いざというときに、どういう動きができるかということで、日頃、そういう災害が起こった時の意識が低いというので、非常時にどういう活動ができるか、ということについて課題出しや対策などを考えました。
奥山 その分科会を通して、寺澤さんなりの未来の風というのは見つかったでしょうか。
寺澤 人と人との関わり。お隣に寝たきりのかたがいたり、ひとり暮らしのかたがいたり、障害をお持ちの方がいたり、小さいお子さんがいたりなど、地域の中を知らないと災害が起きた時に助けられないこともあったりする。地域を知っていること、人と人との関わりが大切だということを今回教わりました。
奥山 私たちが提示したマコトのセリフの中で、未来の風というのを掲げたのですが、それについて、どうでしょう?賛成でも反対でもかまわないのですか。
寺澤 まあ、賛成です(笑)。優しい風だったり、暖かい風だったり、いろいろな風が吹くと思うので、未来からも、未来に向けてもいいと思います。
奥山 さきほどのいきいきサロンのほうでも、地域ということが出ていたと思うのですが、災害時もやはり地域でまとめていく、助け合わなくてはいけないというのが大事なことだったのですか。
寺澤 その被災されているところの、生活をしている人たちとか当事者のかたを主体に見て、必要な援助をしていく。必要じゃないことはちょっとお節介になってしまうというのも気づかされました。
奥山 まとめとしては、やはり地域全体でということで。
寺澤 やはりネットワークも大切ですし、でも地域で取り組むのがまず一番かな、と思います。
奥山 おふたりの意見を聞いて思ったのですが、地域ということがやはり前面に出ているかなと感じました。災害の時というのは、地域だけでやっていけない時には、いろいろな人との関わりというのがあって、ネットワークがあって、遠いところからも、いろいろな救援なりが来ていたと思うのですが、その前にまずは地域で、ということですよね。
寺澤 助けを待つ前に、まず自分たちで何ができるか。災害が発生した時も大切ですけど、する以前に、予防というか、何ができるかというのを考えておくことも、そういう意識を持ってもらうことも大切だということですね。
奥山 寺澤さんには、参加していただいた分科会についての報告と、私たちの未来の風について意見をいただきました。次は新しい未来の風を作っていくということを5人で討論していきたいと思います。貴重なご意見、ありがとうございました。
(拍手)
【人との関わり・地域〜自分たちがたどり着いた「未来への風」とは〜】
渡部 地域で生きていく中で、自分としては何をやっていくかとか、横とのつながりとか、自分がこれから何ができるかという部分で、自分はさらにどんなことを加えていけるかを、一言ずつでも言ってもらえたらいいな、と思うんですが。
西塚 福祉全体を通して見ても、一部分から見ても、まず地域が、福祉に関して興味を持ったり、本当に小さなことからでもいいからやっていく、行動することが大事なんだと思います。そうしたら第1部でマコトが言っていたようなセリフのようになっていくんじゃないかな、と私は思っています。
奥山 人と人との関わりというのは、地域という狭い範囲でなく、広い範囲というのもあると思うんだけれど、今までの話を聞いてきて、地域というのが大事なのかなと思ったんです。だから、人と人との関わりって、もっと具体的に言うと、距離的に近い人たちって言うのかな。
西塚 それもあると思うし、自分がいろいろなボランティアをやることによって、関わっていく人たちもたくさんいると思うし。
村岡 ボランティアと言っても、いろいろな種類のボランティアがあるから、その中で、自分が興味を持ったり、自分が得意なこととか、それを活かしていけるようなボランティアを見つけて、少しずつでもやっていけたら、つながるかな、と思います。
宮城 ちょっと二人が言ったこととは違うと思うのですけれど、広めるということは大切で、ボランティアを自分はしたいと思うし、人に知って欲しいと思うのに、自分がすることばかりが主体になってしまって、引き込む努力というのを自分は怠っていると思います。
奥山 当たり前のように浸透した社会というのは、やはり、私たちが持っている理想なのかなあ。そうじゃなくて、もっと具体的な社会が、目標としてあるんだったら・・・
渡部 こうあったらいいな、これなら自分だったらやりやすいなあ、とかね。
奥山 岐阜の藤垣君のような、地域に根付いてというのがあると思うんだけれども、そういう地域を主体として、当たり前にボランティア、人々の関わりというのが大切なんだなと思ったのね。だから、私たちの新しい未来の風となると、どういうフレーズが出てくるのかな、と思ったんだけれども。やっぱり地域というのが前面に出てきて、当たり前のように浸透した社会というのは、そういう理想というか目標としてあっていいと私は思うのね。
渡部 「地域」とか「思いやり」というのも必要だけどね。「浸透した」というのは難しいけど。人との関わり、地域もだけど、「自分も大切にして」という部分で。他の地域との協力だったり、つながりだったり、人の力という部分でやっていければと思う。
西塚 やっぱり地域っていうのは必要で、当たり前のようになったらいいですね。
渡部 当たり前のようにというのは難しいとは思うのですが、やはり、人との関わりとかだったり、地域とかを大切にすることによって、それが当たり前になるということで。自分が意識しているか、無意識のうちにでも、気づいたらボランティアだったとか。気づいたら、人のためだったり、自分のためだったり、世のためだったりするわけだから、そういう社会を作れればいいなと思うね。
奥山 それでは私たちとしては、大人の意見を聞いて、まずは「地域での」というのが大切かなと思いました。私たちの未来の風というのが、前は、人と人との関わりという、ちょっと広すぎるイメージだったんですけれども、もっと具体的にするとなると、やはり「地域での」活動が大事になると思うので、地域のいろいろな世代の人たちと交流することが大事なんだと思いました。
渡部 若者たちはこう考えていたと、さらにはこういうふうにやっていきたいんだ、ということをご理解いただければ。
全員 よろしくお願いします。
(拍手)
渡部 この90分間で、自分たちなりに考えてきましたが、それがどういうふうに活かされるかというのは、やはり周りとの協力だったり、自分がどうやっていけるか、という部分で可能性を探っていくことが大切だと思います。
奥山 つたない議論だったのですが、私たち若者の意見を聞いていただいて、ありがとうございました。
渡部 今回の34回で終わりだということで、振り返りをJYVAの斎藤さんにお願いしたいと思います。早速、斎藤さんに登場していただきたいのですが、映像がありますので、まずそちらのほうで、皆さんに振り返っていただけたらと思います。企画はこれで終わります。
全員 ありがとうございました。(拍手)
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