分科会27 鶴岡市
NPOにおけるITの上手な使い方
〜ITがもたらす新しいボランタリー社会とは〜
シンポジウムコーディネーター・ワークショップアドバイザー 公文俊平(CANフォーラム・東京都)
シンポジウムパネリスト・ワークショップアドバイザー
小笠原和司(三瀬どっとネット・鶴岡市)
佐藤浩正(いいどごだの加茂・山形県)
田村信之(地域ポータルサイト協会・東京都)
ワークショップファシリテーター・実践講習 桑畑幸博((株)慶應学術事業会・東京都)
実践講習 若松正秀((株)キューズ・鶴岡市)
1. ねらい
この分科会は、1. ITの最新活用事例を紹介し、NPO活動者にとってのIT活用の意義を整理する。2. NPO活動にいますぐ活用できる、安値、簡単なITの技を伝授する。3. 「ボランタリー社会の構築にITがもたらす効果」を参加者とともに考え、既存の枠にとらわれない「新しいITの使い方」を提案する。の3つをねらいとして開催しました。
2. 話し合いの記録
1)実践講習会1「Take IT Easy」
〜無料&簡単インターネット活用法〜
検索、共有、発信、活用に分類し、以下のことについて参加者が学んだ。
検索:インターネットで必要な情報を検索する方法と効率的な技。
共有:市民活動を円滑に行うためのコミュニケーション法としてe-グループなどの情報共有ツールの活用法。
発信:簡単、効率的にホームページを作る方法やメーリングリストの活用法、著作権について学んだ。
活用:無料で便利なサービス、活用する上でのネチケットについて学んだ。
2)シンポジウム「地域コミュニティサイトの明日」
事例報告、意見交換などを通して、参加者から今後の活動の糧になる“ヒント”をお土産に持ってかえっていただくことを基本として進められた。
また、シンポジウムでは“コラジェクタ”を用い目に見える意見交換を行った。
・公文さんから・・・
産業化は第3次産業革命で成熟。一方で、第1次情報革命で情報化が到来。
情報社会とは、=グループ社会であり、共通の価値を協働で実現するもの。その社会での基本的ツールとしてITがある。
・田村さんの活動
国立ショッピング情報(営利)、いきいきくにたち(非営利)のサイトを運営。この2つを連携させ相乗効果を狙っている。簡単で人手がかからない仕組みをつくり、新鮮な情報がいつも掲載されるようにして、見てもらう工夫をしている。
・小笠原さんの活動
2,000人弱の地区での新たなコミュニティの創造を目指して、コミュニティサイト設立に関わる。地域内向けにPC教室、地域外向けにライブカメラでの情報発信を実施。今までの地縁団体とITに対する温度差はあったものの連携しながら事業を進めている。
・佐藤さんの活動
大学での研究活動から自分の生まれた地域の良さを地域内外へ向け情報発信している。このサイトを見て、この地区に土地を購入した人、自分の故郷を思い出し感謝のメールをくれた人がいる。
3)意見交換など
パネリスト、コーディネータ、参加者がそれぞれの経験、活動を発表し、様々な意見交換がされた。
・自分の見せたい・知らせたいことを発信することが大切。
・発信した人は些細と思っている情報でも、見る人の受け取り方で意味が違ってくる。
・一人で全て担うことは困難。おのおのが持つ情報の価値に気づかせてあげること。
・あくまでもITはコミュニケーションツール。
・情報発信による思わぬつながりができたりする。
・5年後の世の中がどうなっているかは分からない。
・地域コミュニティサイトは、リンクのみでも役に立つ。
・情報発信のおもしろさを知ることが大切。
4)実践講習会2
「コラボレーションツール コラジェクタ」
コラジェクタ=コラボレーション+プロジェクタ
「目に見える議論」(論旨、論点、論脈の視覚化、保持)を可能にするコラジェクタを活用することで、NPO活動におけるコラボレーションの「場」である“会議”が、効率的に進められ、優れたアウトプットが生産される仕組みを学んだ。
5)ワークショップ
「コラボレイティブコミュニテイの構造」
シンポジウムの報告事例「いいどごだの加茂」(佐藤さん)の地域コミュニティサイトを題材として、コラジェクタを用い、関係する人たちを洗い出し、新たな企画の提案にいたるまでを実際に会場の皆でコラボレーションした。
図1 いいどごだの加茂を見ている人を次々に挙げてもらった。
図2 在住者について「個」と「全体」、「仕事」と「遊び」の軸を設けて、分類を行った。
図3 分類の中で新たな企画に活用できそうな部分を見つけ、
どのようなことができるかを検討。
図4 会場の様子
・先進事例紹介
事前にNPO活動に役立つ「ひと」「もの」「かね」を支援するサイト等をリンク集としてまとめ、会場にある端末で公開した。
3. 成果
コラジェクタを使ったシンポジウム、ワークショップによりITを活用した新たなディスカッションの方式を学んだ。
4. 課題
・ITを使うということが、目的になりがち
・生きた情報の発信方法
・やりたいことをやれるだけできる仕組み
・活動の潤滑油としての新たなITの活用
5. 参加者の声
・シンポジウムでのパネリストの事例を後のワークショップで題材にしたのは、良かったです。
・久々に頭の体操になりました。
・コラジェクタ!すごい!何かを話し合いながら、作り上げていくのにすごく役に立ちそう。
→見て分かった気になってしまっては、駄目ですよ(^^)
6. 運営サイドから
ITって便利だよね。多くの人から使ってもらいたいよね。でも、これからってどうなるの?新しい使い方って?といったことから始まったこの分科会。すばらしい講師の方々から、関わっていただき、講師、参加者、スタッフ共々勉強になったと思います。
ITってほんとに便利ですよね(^^)
皆さん、コラジェクタ知りたいでしょう(^^)
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