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分科会3 平田町
住民による『共働』のまちづくりはできるか!
ひらたタウンセンター発!町づくりとボランティア
コーディネーター 大久保 邦子(Vnet社会教育施設ボランティア交流会事務局・埼玉県)
事例報告者 大村 虔一(宮城県立大学)
佐藤 博幸(社会福祉法人「共生」・鶴岡市)
センター概要説明 佐藤 良広(平田町職員)
 
1. ねらい
 「医療・保健・福祉」さらに文化・情報・生涯学習の複合施設としてオープンしたひらたタウンセンター。
 この利用をとおして住民が世代やハンディを超えて共に助けあい支えあう“心”を培っていく―。
 地域で人とひととのつながりをどうつくっていくか、みんなで考えてみましょう。
 
2. 内容
講演
「みんなでまちをつくるということ」 大村虔一氏
センター見学と説明 佐藤良広氏
話し合い
コーディネーター 大久保邦子氏
事例発表者 佐藤博幸氏
 
3. 講演
◎建築家そして一市民として関わったまちづくりをスライドで紹介しながら
オペラシティの例
 国立劇場建設を依頼され検討を始めたが、官だけではうまく行かない。民間の土地をみんなが歩けるよう周辺整備も含め、官民体のまちづくりを提案した。
 周辺の住民も納得し、満足するよう話し合いを重ね完成。15年かかった。
 
羽根木プレイパークの例
 東京都世田谷区で子どもの遊び場づくりをはじめた。
 カンパをして資金をつくり、汗を流して、親も子も学生もみんなでつくった。子どもたちは生き生きし、夢中になって遊ぶ。
 「事故が起きたらどうするか?」という問題は、「自分の責任で遊ぶ」という約束で乗り越えられた。
 評判を聞いて他の町にも広がり、行政からお金が来るようになった。
 
ボランティアとは
 自分がどう輝くか?やらされるのではなく、自分からやるから楽しいのだ。行政に相談し、むずかしいことが動いた時の快感!
 おもしろい事を会社でも地域でも、追いかけていこう。それが町中に輪が広がり、少しずつ世の中を変えていく。まちづくりに仲間が入っていく。そのなかから未来の町が生まれるのでは?
 
4. 話し合い
◎佐藤博幸氏より
 「障害」は環境がつくり出している。障害をもつ私達が声をあげないと決してよくならない。障害者も政策決定の場に入り、予算を使う順を話し合って決めよう。「福祉は金がかかる。」と言われてきたが発想を転換しよう。福祉は雇用開発になる。
 宮城県ではITを活用し障害者の仕事をつくっている。東京都町田市は障害者福祉の先進地。
 山形県鶴岡市は町田にならい「福祉のまちづくり」をすすめている。
 秋田県鷹巣町のモデルはデンマーク。国は税金の使途を情報公開し、国民も財政が厳しいことを納得したうえで、住民、行政、民間が一緒に進めている。
 
◎佐藤良広氏より
・行政でも住民の声を聞いて動いている。
 
◎参加者より
・一人ひとりの「この町でこう生きたい」という想いがいくつか集まって、町ができていく。自分で発信してだれかとつながって行く。行政に言っても聞く耳を持たない時は自分たちが動く。逆に行政が何かやったときは「なかなかやるな」と住民も応援する。同時的な動きで進んでいくことだ。
 
・公共施設での活動は、行政の人と深く関わることが多い。行政の肩代わりではないかと思うこともあるし、自分もお上意識になることも。
 合併を経験したが、これまで先駆的にやっていたことは後退しないよう、先行している所に水準をつくるようにしてほしい。
 
・会社を経営している。ボランティアで新しい発見ができた。社員と海岸清掃をしたが、ブーイングが起きないかと心配だった。終わってみるとみんなの顔が清々しかった。
 町長、議員、職員どの立場でも自分でできることを一生懸命やることだ。みんなが関わりあい生きていることを大事にする。よそからきた人を温かく迎える。
 町民のレベルアップは全てにつながる。それにはまず交流する事だ。
 
◎佐藤博幸氏より
 まちづくりは地域づくり。安心して支えあうまちをどうつくるかで重要なことは「住民の自立」だ。
 だれもが自立しなければならない。そのためには、平田町をどうしたいか語り合い、しぼり込み、順番をつける。
 そうして決定したことで、自分たちでできることは自分たちでやる。できないことは行政から応援をもらう。
 うまくいかなかったら再検討する。責任も共に分かち合うことが必要だ。
 
◎大村虔一氏より
 デンマークでは、自分の暮らしをよくすることに限定して金を出す。
 本当にいいものを身近におくのが豊かな生活というのだろう。高くても買うのは地域経済を興す力になる。
 働く場がないことについて。60年代に会社をつくった。私のやりたいことは、普通の会社ではできないと思ったから。ボランタリーな活動で利益に結びつくものではなかった。資本金集めに苦労したが、当時はそんな冒険ができた。
 
◎大久保邦子氏より
 一人ひとりが学習し、楽しみながらボランティアに還元しよう。
 平田の課題は、全国でも地球でも課題です。一人でいるよりセンターに来ておしゃべりし、気づいたことからみんなで一緒にやっていこう。
 センターに喫茶コーナーもつくろう。
 この次平田町に来たとき、おいしいコーヒーが飲めるのを楽しみにしています。
 
5. 反省
ふりかえって・・・大久保邦子氏より
 町民の皆さんが一丸となって会を担ってくださり(前夜の手作り尽くしの交流会、笑い転げた診療所の寸劇・・・etc)、また町長、助役、議員、住民等地域の関係者が一堂に会しセンターのあり方を通しまちづくりをホンネで討論しました。
 大村先生の講演は「羽根木プレイパーク」に象徴される地域の拠点づくりの視点がすばらしく、研究集会の最終回にふさわしいものでした。全体的に地域色豊かな内容の濃い会でした。ありがとうございました。
 
実行委員会より
 実行委員会を立ち上げて以来、テーマや内容について何度も話合い、進んだり戻ったりしながら何とか終えることができました。でもこれで終わりではないのです。ここがスタートなのです。
 今年を平田町の「ボランティア元年」として一歩一歩進んでいきます。まず動き出すことから。応援してくださいね。
 
 
 
 







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