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V章 漁業と遊漁
1)十和田湖増殖漁業協同組合の概要
 
写真:ふくべ網を設置した様子
青森県水産総合研究センター提供
 
写真:ふくべ網の構造図
(拡大画面:42KB)
青森県水産総合研究センター提供
 
 十和田湖増殖漁業協同組合(以下「十和田湖増殖漁協」という。)は、昭和27年(1952年)1月1日に設立され、現在の組合員数は50名である。十和田湖増殖漁協は、十和田湖の漁業権を有し、漁業は漁業権に基づいて行われており、漁業権の内容となっている魚種は、ヒメマス、コイ、フナ、サクラマス、エビの5種類である。
 行われている漁業の概要は表5-1-1のとおりであり、詳細は漁協の行使規則で定められている。なお、ワカサギは漁業権魚種となっておらず、青森県及び秋田県の両県から許可を受けて、ふくべ網(建網)で採捕している。
 
漁業の名称 漁業の方法 期間
ひめます漁業 刺網 10月21日〜翌年6月20日
7月11日〜10月20日
こい漁業 地びき網、釣り 7月21日〜9月30日
刺網 6月21日〜7月5日
ふな漁業 地びき網、釣り 7月21日〜9月30日
刺網 6月21日〜7月5日
さくらます漁業 刺網 6月1日〜6月20日
12月1日〜翌年2月末日
えび漁業 せん 5月1日〜11月30日
(十和田湖増殖漁業協同組合行使規則から引用)
 
 1974年(昭和49年)以降の十和田湖における漁獲量を表5-3-1に示した。漁獲の主体は、ヒメマスとワカサギであり、エビは最近ほとんど漁獲されていない。
 1984年(昭和59年)頃まで増加していたヒメマスの漁獲量は、ワカサギが大量に漁獲された1985年(昭和60年)に急激に減少し、それ以降両魚種の漁獲量は大きな変動を繰り返している。
 十和田湖増殖漁協では、漁業権魚種の資源の維持・増大のために、種苗放流、産卵床造成に取り組んでいる。
 ヒメマスのふ化放流については、戦後、水産庁十和田湖ふ化場または青森県及び秋田県なら成る十和田湖ふ化場協議会が中心となって実施してきたが、1986年(昭和61年)からは、十和田湖増殖漁協が単独で実施しており、2002年(平成14年)にはふ化場が老朽化したため、新十和田湖ふ化場を建設している。
 
 1974年以降の遊漁者数(十和田湖漁協の遊漁券発行枚数)を表5-3-1に示した。ヒメマスの遊漁者数は1983年には約16,000人と最高であったが、以後減少傾向にあり、2002年には最低の1,100人となっている。
 遊漁の方法については、遊漁規則で区域、時間、その他の制限事項が詳しく定められており、遊漁期間と遊漁料は表5-3-2のとおりとなっている。







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