PART 1 「いのちと健康」
1-1 アフガニスタンの旱ばつから健康を守る
〜ペシャワール会・名古屋〜
1-2 フィリピンの都市スラム住民の健康を守る
〜(特活)アジア日本相互交流センター(ICAN)〜
1-3 チェルノブイリ原発事故の被害から子どもたちのいのちを守る
〜(特活)チェルノブイリ救援・中部〜
1-4 いのちと健康を育む人材を育てる
〜(財)アジア保健研修財団アジア保健研修所(AHI)〜
PART1 写真教材番号一覧
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1-1
ペシャワール会 |
1-2
ICAN |
1-3
チェルノブイリ救援 |
1-4 AHI |
A 人々の暮らし |
1 |
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3 |
4 |
B 直面する問題 |
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6 |
7 |
8 |
C NGO/NPOの活動 |
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D 子どもたちの姿 |
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アフガニスタンの旱ばつから健康を守る
A アフガニスタンの人々の暮らし
バザールは庶民の台所 1
アフガニスタン、ダラエヌール村のバサール(市場)の通りの風景です。日常の生活に必要な物はたいてい何でも売られています。食べ物で目につくものは、主食であるナン(小麦粉でつくった平らなパン)、野菜、米、ティー、果物、スープ、鶏肉などです。アフガニスタンの一般的な食事は、朝がティーとナン、お昼と夜はナンとスープです。スープは、野菜を油でトロトロに炒めたものが入っており、もし肉が入っていればごちそうです。ティーは、ザラメ砂糖を入れて飲みます。ミルクティーもあります。アフガニスタンは敬虔なイスラム教徒の国なのでアルコール類は一般的には売られていません。
B アフガニスタンの直面する問題
旱ばつがひどく農業用水路の整備が急務 5
アフガニスタンの主な産業は農業と遊牧です。しかしながら、地球温暖化による旱ばつの影響で、人の住めない地域が増えています。
写真5は旱ばつのあった地域に農業用水路をひく工事をしている様子です。土嚢や麻袋など、現地で手に入り、現地の人が扱える伝統的な材料を使って作業を進め、約2億円をかけて現地の住民600人を雇っています。アフガニスタンでは雇用の機会が限られているため、住民にとってこの工事は貴重な収入源となっています。用水路が完成すれば人々は農業で生活していけます。
C ペシャワール会の活動
医療診療所の風景です。診療を受ける子どもに、母親が付き添っています。診療所に来る患者に多い病気は、皮膚病や呼吸器の病気で、夏になるとマラリアやチフスなどの感染症も深刻です。ペシャワール会では、特にらい病の根絶に努めています。
当会では日本から医者を派遣することもありますが、基本的には現地の医者や看護師を育てて雇うようにしています。最近、アフガニスタンへの関心が高まったため、欧米のNGOなどにせっかく育てた優秀な医者などが引き抜かれてしまう問題もあります。引き抜かれた医者は一時的に高い給料を得ることができますが、将来どうなるのかが心配です。現在ペシャワール会は、パキスタンに病院を1つ、診療所を4箇所(パキスタンに1箇所、アフガニスタンに3箇所)持っています。
D アフガニスタンの子どもたち
子どもたちがお手伝いで井戸水をくんでいる風景です。ペシャワール会は現地の人が作ることのできる、伝統的な手押しポンプの井戸を設置するための支援をしました。
後ろに見えるのは家です。この女の子たちは、一般的な服をきていますが、アフガニスタンでは、女性に対する拘束が厳しく服装も制限されます。子どものうちは自由に外を出歩けますが、大人になると女性は家で子どもを育て、家庭を守るものと考えられ、用事のある時以外は出歩きません。写真を撮られることにも抵抗が強いです。この子どもたちのそばには母親たちがいましたが、写真は撮らせてもらえませんでした。
ペシャワール会名古屋
【所在地】〒460-0011 名古屋市中区大須4-1-11 中部歯科技術研究所内
【TEL & FAX】052-265-0731
【海外事務所】パキスタン・ペシャワール病院、アフガニスタン・ジャララバード事務所
【設立の経緯】1983年9月、中村哲医師がパキスタンで難民の人々に医療活動を支援する目的で結成。
【組織の目的】パキスタンとアフガニスタンで医療活動、水源確保活動、農業支援活動を行う。パキスタン、アフガニスタンと日本の連携で、国づくりをサポートする。
【代表者】鈴木信雄
【事務局】事務局長:八木巌
事務局無給スタッフ 15名
【事務局開所日】不定期
【事業対象分野】医療事業、水利事業、農業計画事業
【事業形態】人材派遣、資金助成
【活動対象国】パキスタン、アフガニスタン
【過去数年の主な事業】
(1)ペシャワールのPMS病院(70床)を中心に、パキスタンに2箇所(治安悪化で1カ所一時閉鎖)、アフガニスタンに3箇所の診療所を設けて活動。(2002年度の診療者数約16万人、医療事業スタッフは2003年現在で110名)。
(2)2000年8月よりアフガニスタン東部で水源確保事業開始
(3)2002年1月より灌概用水確保と自給自足できる農業事業
(4)2003年3月よりクナール水系利用灌慨用水確保事業(2003年現在利用可能水源932箇所、水利事業スタッフ140名、労働者700名)。
(5)ダラエ・ヌール渓谷で試験農場を作り活動中
【設立年月日】1994年2月
【意思決定機関】総会(100名)、幹事会(20名)、事務局会議(15名)
【会員制度】全国会員12,000名、当会会員1,200名
【ボランティア制度】国内事務、イベント、会報の発送、報告会手伝い
【財政】(2002年度、全国)
総収入 410,000,000円
総支出 270,000,000円
現地活動費:92.12%
事務局費:4.88% 広報通信費:3.26%
【定期刊行物】
「ペシャワール会報」(年4回、2万部)
【その他出版物】
『ペシャワールにて』(石風社、1989年)
『アフガニスタンの診療所から』(筑摩書房、1993年)など多数。
アフガニスタン
1. 面積 652,225km2(日本の約1.7倍)
2. 人口 2,510万人(出典:国連情報センター)
3. 首都 カブール
4. 人種 パシュトゥーン人、タジク人、ハザラ人、ウズベク人等
5. 言語 ダリー語、パシュトゥー語
6. 宗教 イスラム教(主にスンニー派のハナフイ学派であるが、ハザラ人はシーア派)
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