日本財団 図書館


60. 持参した資料が大いに役立つ
西南師範大学 941 小池真理
 当大学は、1950年に創立された総合師範大学で、現在、外語学院日語系学生は1年生28名、2年生32名、4年生25名。昨年まで隔年募集であったが、今年度より毎年の募集となった。4年生ともなるとかなり高度な日本語が理解でき、1年生でも2ヶ月も経てば授業中の指示の理解はもちろん、基本的な会話も十分成り立ち、直説法の授業で教師自身なんら不自由を感じることはない。現在、4年生の「総合日語」6時間、「日語古文」2時間、「外報外台(新聞・ニュース)」2時間、2年生の「交際会話」2時間、1年生の「実践語音」2時間、計14時間の授業を担当している。扱う内容は多彩で、パソコンはもちろんのこと、小説や詩集、評論などの書籍のほか、持参した参考資料(各種辞典類、地図帳、国語便覧、各教科の資料集、日本語の文法・語法に関するもの、日本の歌、雑誌、広告、ビデオ、百人一首など)が大いに訳に立っている。他校の例に漏れず、学生の学習意欲は申し分ない。日本語科の先生方との交流は普段はほとんどないが、何か希望があれば快く応じてくださるので、これも特に不自由は感じていない。
 
61. 「日本通覧」の授業がもてて幸せ
燕山大学 937 田中 稔
 今年度前期(秋期)、私は2年の「日語会話」を1クラス、週4時間、3年の「日本通覧」を2クラス合同で週4時間、それに4年の「日語写作(作文)」を1クラス、週3時間、計11時間受け持った。
 それぞれ異なる内容でおもしろい。特に「日本通覧」の授業を持てたのは幸せであった。はじめ3年は「会話」を担当するように言われたのだが、特に頼んで、他の日本人教師の担当であった「日本通覧」と交換してもらった。
 内容は、日本の地理・政治・経済・文化などで、元社会科教師として、以前から機会があれば、ぜひ中国の学生と一緒に勉強したいと思っていたからである。一応テキストはあるが、自分なりに、現実の日本理解に役立つようにと願って、日本から用意してきた資料の他に、毎回インターネットで新しい情報を取り入れるように努めた。学生も大変熱心に聴いてくれて、毎時間終わった後に提出させた紙には沢山の質問があり、次の時間にそれに答えながら授業を進めた。2年目なので大学の事情もいくらか分かり、コピーなども教師用のは自由に頼んでやってもらえるようになった。
 
62. 語学を教える醍醐味
燕山大学 894 高橋淑子
 燕山大学の日本語科は3校に分かれて建っている。まず、外国語学院、次ぎに北東に科学技術学院北楼、最後に南に科学技術学院南楼(今年度新設)である。徒歩で、北楼へは20分、他は10分ぐらいで行ける。学校としての組織も、それぞれが別個のようで、教務課の対応も全く異なる。日本語が通じないので、中国人教師に試験手続きの通訳をお願いしているが、彼らが好意で熱心に手伝ってくれるので本当に助かる。しかし、試験日程などは学生から情報をもらう方が早く、正確である。
 中国人教師11人、日本人教師4人で教えている。中国人教師は男性3人、女性8人で、うち女性4人が今年採用され、20代が9人である。彼らは授業の持ち時間が多く、ほとんど打ち合わせもなく、連繋のない授業をしている。昨年は北楼の2年生3クラス72人を週12時間担当したが、今年はすべて1組担当と言うことで、3年2時間、2年4時間、1年8時間、計14時間、74人を担当している。北楼には4年生は居ない。学生は素直でおとなしい。ほとんどが女子で、男子はクラスに5人ぐらいである。今年は1年生と週4回も会うので、日本語の通じなかった彼らと笑いながらはなせる今、語学を教える醍醐味を味わっている。
 
63. 準備しておくとよいもの
浙江大学 789 藤井 裕
1, 大学の施設・設備:
 東京ドーム20以上入るほどの広大さ。5年後に新キャンパスすべて完成。その時は学生、教職員合わせて20万人前後になるとか。教室はすべて冷暖房完備、黒板やチョークはなく、スクリーン方式。授業は各学年とも15名以内。学生食堂は3階建て、東京ドーム程度。殆ど中国全土の料理を選択できる。
2, 専家楼の環境・設備:
 建物は古いが、場所に恵まれている。インフラ関係は心配なし。商店も沢山あり。
3, 学生のレベル:
 かなりハイレベル。素直。勉強にかけては天才、かつ貧欲。あまり外に出ないせいか幼稚なところも。先生思いで人懐っこい。授業での反応、質問はかなり鋭い。男性は17クラスに2〜3人程度。
4, 赴任に当たって:
 ノート型パソコン、各種の辞典類、天声人語か新聞・雑誌の切り抜きがあると授業は楽(テキストはあるが、自分で揃えなくてはならない時もある)。テストの作成は手書きは駄目なのでパソコンは絶対必要。ウイルスにしょっちゅうやられるのでその処理をしっかりやっておくか、それ用のソフトを用意しておくこと。用紙、インク類は中国でも購入可。
 衣類は安いので中国で買って間に合わせたほうが荷物にならない。薬類は中国のもので十分間に合う。しかし、 気になる人は常用の風邪薬程度はあった方がよいかも。その他、セイロガンや梅干しなどもあると良い。
 大学によっては、日語1級検定試験の指導もあるので小型のカセットテープレコーダー、問題集も必要。
 授業での質問は殆ど文法や類似語に関するものが多いのでそれらに関する資料などを前もって作成しておくとよい。とくに例を豊富にあげるととても喜ぶ。
5, その他:
 中国語を出来なくて結構。授業はすべて日本語ばかり。但し、入門期の日語指導は若干話せると楽。日常の買い物は学生が喜んで通訳してくれるので心配なし。慣れるまで一人で行かない方がよい。値段をつり上げられることしばしばあり。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION