第1回地域通貨国際会議 in Kuriyama
プログラム
[視察報告]
地域通貨国際会議 IN 栗山 <H14,8,22-23>
日本全国・世界各国どこでも、「してほしいこと」「できること」を登録して、お互いやりとりする時に地域通貨を使っている。地域によって、サービスのやり取り以外に、「もの」のやり取りにも地域通貨を使っているところもある。
地域名 |
地域通貨 |
参加規模 |
備考 |
団体・組織 |
北海道
栗山町 |
名前:クリン
種類:紙幣式
単位:1時間
1000クリン |
700名
2000年2月〜 |
日本でも先進地。
エコポイント(商店街と協力し、買物袋の節約でポイントを加算。クリンと交換) |
くりやまコマネー研究会(今後NPOへ)
現在社会福祉協議会内に事務局 |
兵庫県
宝塚市 |
名前:ヅカ
種類:エコマネー
単位:30分 |
518名
(20地区)
2000年8月〜 |
日本でも先進地。
ダイエーの協力(買物袋の節約でポイント) |
宝塚エコマネー実験運営委員会
他地域に運営委員会
窓口NPOセンターに |
神奈川県
大和市 |
名前:ラブLOVES
種類:電子(ICカード)→クレジットカードのようなもの |
9万人
(人口21万)
2002年4月〜 |
始ったばかり。
カード式にすることで、カードリーダーで誰でも簡単に交換できる。 |
市(情報政策課)
いずれNPO |
兵庫県
姫路市 |
名前:千姫
種類:電子マネー
(インターネット上)
単位:30分千姫 |
217名 |
携帯電話でもアクセス可能であり、若い主婦層も参加。20〜40代が多い。 |
姫路工大を中心に
やりとり |
京都府
京都市 |
名前:Q(キュー)
種類:電子マネー
(インターネット上) |
283名
2001年11月〜 |
サービスの他に「もの」も
交換。 |
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海外 |
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アメリカ
ワシントンD.C. |
タイムダラー
1時間1点など |
イギリス・日本・アメリカで70ヶ所。
カリブ諸島やブラジルなどでも実施。 |
各国によって特色ある内容。日本では、異世代間での自分史作りなども。 |
NPOタイムダラーネットワークジャパンが普及活動を行っている。 |
アメリカ
サンフランシスコ
「フレンドリー・フェバー」 |
サンキュー(Ts)
電子マネー
(インターネット上)
1Ts=1ドル |
130ヶ国
12,600
1999年 |
サービス・ものを交換。お金と地域通貨を混ぜて使う。例えば、7割お金+3割地域通貨など。割合については個人の自由。その人の気持ちによっては、10割地域通貨のものもある。 |
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イタリア
ローマ
「バンカ・デル・テンポ」 |
時間銀行
(時間の尺度で交換する)
通帳式 |
4,500名
イタリア各地266ヶ所にある
1991年〜 |
女性の力で発展。教育委員会など様々な団体と連携し事業も行っている。 |
時間銀行組合 |
カナダ
トロント |
トロントダラー
紙幣式
換金できる |
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トロントダラーからカナダ通貨に換金する際10%が基金として寄付。 |
NPO
基金は福祉団体の
活動資金となる |
イギリス
バーミンガム
LETS |
Heartsハーツ
小切手式 |
150ヶ所
1994年〜 |
コーディネーターはボランティアなので運営大変。 |
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<参加した感想>
○竹中大臣が挨拶に来る:大臣からも、今後地域通貨の重要性を大きく示唆された。全国でも、世界でも、地域通貨での「地域のむすびつき」「地域経済の活性化」が強く求められていることを実感した。
○活動内容は、どこも同じ。「してほしいこと」「できること」について、お互い交換し合っている。思いやりの気持ち・地域の中でのつながりを大事にしよう、とするところは、世界共通。
○地域通貨の手法にとらわれがちになるが、「何のためにこれをやるのか?」ということを常に振りかえってほしい、と講師達は強く話していた。増毛では、3年前から、「増毛にどんなボランティアがあったら住みよい町になるか」を話し合ってきて、考えてきた今の活動なので、まさにそのようにやってきたんだ、と思う。
○地域通貨には、「人と人のつながりを深める部分」と「地域経済の活性化」の2つの面がある。今は「人と人のつながりを深める部分」を重視してやっているが、今後は経済面も考えていけたらいいと思う。(例えば愛らぶスタンプ会との連携など)
○他の地域の事例を聞いていると、やはり子どもたちの参加を早くすすめていくことが重要と感じた。学校の総合的な学習の時間などとタイアップできたら良い。
○「この活動は地域のお宝探しでもある。とにかく楽しい交流会をたくさんやって、自分たちの良さ・できることを見つけあおう。地域に眠っている能力を掘りおこしていこう。」という話を聞いて、私たちはまだ親睦・交流の機会が足りないと感じた。
○タイムダラーでは、日本人が苦手な「助けられ上手になる」タイムダラーゲームをやるそう。その中身は、実はつどいでもやった「してほしいこと」「できること」を出し合ってマッチングし合うもので、みんな同じことをやっているんだ、と感動した。
報告者:山郷佳克、羽豆美津子、堀雅志、佐々木香織
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