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新規範発見塾 レクチャー・メモ vol.16

 事業名 先駆的情報の創出・発信事業
 団体名 東京財団政策研究所 注目度注目度5


ピンポイントなら日本こそお家芸
 昔ながらに心を合わせて働いているという現象は、いまだ日本には多く残っているのであって、航空自衛隊の偉い人と話したらこんなことを教えてくれました。
 F15という戦闘機があります。F16と合わせて日本は二〇三機持っている。世界に冠たる航空戦力ですが、このF15はアメリカでつくって日本へ持ってきたものと、三菱がライセンス生産したものと二つ混ざっている。航空自衛隊のパイロットはすぐに見分けて、三菱に乗りたい、アメリカのには乗りたくないと言う。なぜかと聞いたら、「ともかく具合が悪い」と言うのだそうです。同じ飛行機ではあるが、何かしらちょっとした違いがある。三菱の方が安心だそうです。
 今度のイラクでの戦争で、ラムズフェルド国防長官は「アメリカはピンポイント攻撃をした。一般市民に被害が出ないように一発必中の攻撃をした」と自慢していますが、あれを聞いてどう思いますか。
 一発必中は日本の戦争の仕方です。アメリカの戦争は絨毯爆撃と決まっています。面で攻撃をする。日本はそんなに爆弾がない。もったいないからよく狙って必ず当てる。ですからインド洋海戦のとき、日本の急降下爆撃機の爆弾命中率は八八パーセントです。全速力で回避運動をするイギリスの重巡洋艦ドーセットシャーとコーンウォールの二隻に、五三機の九九式艦上爆撃機は急降下爆撃をして、八八パーセントを命中させた。阿部善朗隊長が率いた赤城隊は一七弾を投下して一五発を命中させた。古今未曾有の命中率です。爆弾がもったいないから必ず当てようとしたためで、それをアメリカが五〇年遅れて真似するようになった。
 今、日本財団が北朝鮮の沈没した工作船を、鹿児島からお台場の「船の科学館」に持ってきて陳列しています。毎日一万人以上の人が押しかけて見ていますから、八〇〇〇万円というお金がかかりましたが意義のあることでした。国会議員などはあれを見ないと時代遅れ、たいへんな盛況です。
 工作船を射撃したときのビデオを海上保安庁はしっかり撮ってあります。いかに我々は手順を尽くして、人道的に攻撃したかという証拠ビデオですが、それを会場の隣に置かれた羊蹄丸の中の映画ホールで映写しています。みんな食い入るように見ています。「射撃してよろしい」という命令が下って、射撃する人が大きな声で「ただいまから、正当防衛により射撃をします」と言うのです。かわいそうにと思いませんか?正当防衛なら周り中に聞こえるように言わなくても、さっさと撃てば良いのです。身の危険が迫っているのですからね。
 それはともかく、引き金を引いたら、全弾吸い込まれるように当たる。荒波でしたから、こちらの船は動いているし向こうの船も揺れている。しかし、人間に当てないよう「へさき」だけに当てなければいけないというときは、へさきに全弾吸い込まれるように当たるのです。だから陳列してある工作船を見ると、へさきのところだけポコポコ穴があいている。ものすごくよく当たる。
 
寝た子を起こすと後悔する
 海上保安庁の人に「すごいものですね、あれは訓練したのですか」と尋ねたら、「いいえ、訓練なんかしていません。スイッチを押したら必ず当たります」と言う。レーダーで照準して、お互いの揺れも風向きも何もかも修正して、全部吸い込まれるように当たるのだそうです。
 向こうにはその自動照準装置が無いから、撃ってきた被害を見るとバラバラに当たっている。もしも装置が先方にあったらこちらは本当に命が危なかったという、笑えない話です。能登沖のときはわざと当てなかったものですから、当てないように撃つのが大変だったそうです。当たらないように一〇〇メートル、二〇〇メートル先の海に照準を合わせる機械などはないのです。当てないほうが難しいのであって、当てても良いのなら百発百中です。
 世界の国は日本をバカにしていろいろ悪いことをする。しかし、そのうちに日本は目が覚める。
 日本は目が覚めるとたちまち何でもできる国です。そのような底力を持った怖い国です。だから「寝た子を起こさないほうが良い。起こすと後悔しますよ」と、私はかねて言ってきました。
 ペルリの日本開国についてイギリスではこんな論評があるそうです。「アメリカやイギリスは日本の富に目をつけて開国を迫り、ドアを開けろと要求したが、ドアが開くと我々が進入するのではなく、強い日本人が中から世界に飛び出してきた」。日本に国際化を迫ると後悔することになるのは、その後も何度も繰り返されています。
 北朝鮮の工作船もそれです。ついに日本政府は「よし、撃て」と言い、国民はそれを支持した。「撃ってよかった」というのが今回の国民の意識です。あの巡視船が鹿児島まで帰ってきたとき、港にはテレビ局や新聞記者がたくさん集まっていた。これまでのように「なぜ撃った。もっと話し合いをせよ」とか、「泳いでいる人をなぜ助けなかった」と書こうと思って手ぐすね引いて待っていた。ところがブリッジに撃たれた穴がたくさん開いて、撃たれてケガした人もいた。国家公務員が命がけで仕事をしているということを見た瞬間、テレビも新聞も全部記事が変わった。みなさんもそう実感したと思います。
 その実物とビデオを今度お台場へ持ってきて見せたら、一般国民が本当に襟を正して見ています。北朝鮮があまり気安く日本のそばへ寄ったのがいけません。日本をなめたので、逆に日本の目を覚まさせてしまった。
 海上保安庁や自衛隊の人に聞きますと、今は中国の船が相変わらず入ってくる。現場はカリカリして「ここは日本の領海です、退去しなさい」と言っても、全然聞く耳を持たずにその辺を徘徊している。
 「では、撃ってしまえばいいのではないですか」と言うと、「現場は撃ちたくて仕方がありません。しかし外務省が止める」という返事をした人がいます。「穏やかに交渉するから待ちなさい」というわけですが、しかしそれでもう一年、二年と経っているから、中間報告でももらいたいものだと現場は言っているようです。
 
新しい時代に入っている日本
 つまり日本の底力ということで言えば、日本をなめていろいろしていると、結局寝た子を起こしたことになって、外国は後悔するという実例が幾つも出そろってきた。有事立法もすぐに通ってしまった。
 この後はきっと武器輸出はOKになり、非核三原則は廃棄で、迎撃ミサイルは買う。そのうえ「トマホークを買おう」ということも実現するのではないでしょうか。アメリカはもちろん売ります。日本に買う金はあるのですから、あとは訓練して使いこなすぐらいは何でもない。アメリカが条件をつけるとすれば、航続距離を短くするとか、値段を高くするとか、ソフトの一部は渡さないとかでしょう。穏やかな方法を選ぶなら、「アメリカのトマホーク部隊に場所を貸す」と言えばいいわけで、世界中でそれをおかしいと思う国はないでしょう。
 日本国内はそのように意識がすっかり変わって来ました。昔、佐世保や横須賀に原子力空母が来ると、出迎えて非核三原則で騒いだ人たちがいっぱいいましたが、あの人たちは今全然出てきません。
 日本は次の新しい時代に入っているのです。
 ついでながら、日本が真珠湾攻撃をしたときは軍事目標だけを攻撃し、一般市街地はまったく攻撃していません。それが絨毯爆撃を続けてきたアメリカ人にはわからないのです。だから、アメリカ人が『パールハーバー』という映画をつくると、日本の飛行機が市街地にも爆弾を落としたとか、機関銃をあたりかまわず撃ちまくったとか、そういう映画になってしまう。
 こういうことは絶対に抗議しなければいけない。そんなもったいないことを日本人はしません(笑)。それはアメリカ人がやることです。
 今ならイラク戦争を材料にして言えばいいのです。「ようやくアメリカも日本の真似をするようになった、ピンポイント爆撃をするようになった。アメリカは日本より六〇年も後進国ですよ」と。







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