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保育界(平成16年2月号)

 事業名 保育活動の推進
 団体名 日本保育協会 注目度注目度5


―子どもの健康を考える(13)―
統合保育〈気になる子〉
全国保育園保健師看護師連絡会 勝又 すみれ
 
統合保育の姿
 乳幼児期の発達は可逆性に富、機能の発達や新たな学習の方向づけがしやすい時期で、また環境の影響をもっとも受けやすく、障害を軽減したり、生活への適応能力の向上が促されやすいと早期から療育指導や統合体育が行われています。日々生活している保育園では、障害の軽減になっているのか。生活適応能力の向上になっているのか。保育をかえりみる毎日が続きます。さらに、勇み足になっていないか。ありのままに受け止めいつくしんでいるのか。と自問自答がくり返されます。
 平成十三年度、国の障害児保育事業として全国で九六七四人が、六三六九か所の保育園で保育を受けています。同年実施した当連絡会のアンケート「障害及び疾患を持った園児の実態と保健職の関わり」(全国八〇〇件配布・回収一九三件)から実情を見てみると、一三九園に二八八人が、七五種類の障害と疾患を持って保育を受け、一四〇園に三一五人が二三種類の疾患で医療行為を受けていました。資料1の示すように多種多様です。私自身保育現場で出会った障害児保育事業の園児は、ダウン症、筋ジストロフィー、二分脊椎、発達遅滞、先天性白内障と多岐にわたっています。障害への援助はもちろん同じではなくそれぞれの対応が求められます。一人一人の保育対応に試行錯誤し、情報収集に右往左往しているのが現実です。さまざまな障害への保育集団における援助方法は、確立され周知されている訳ではありません。
 
情報収集と活用の困難
 疾患の医学的情報は、医学書を読みインターネット等で調べますが、山のような情報から必要な内容を選択し整理するだけでも大変な労力を要します。
 医学的情報収集の方法は、資料2から主治医の書面と考えられます。保育上配慮したい点まで助言をもらうためには保育園側が何を知りたいのか整理されていなければ、的確な内容を得ることは出来ません。基本的な医学データーから、疾患ごとの一定の配慮を知った上で、保育集団の中での児にあった援助を見つけていくわけです。主治医は配慮点や注意点は知っていますが、保育集団は知りません。日頃の保育園生活を伝え、問題点や疑問点を具体的に質問します。どちらの領域も知っている保健師・看護師は積極的にかかわり、よりよい援助ができるように協力したいものです。医療・療育機関からの巡回指導が活用され、連携の取れた保育保健実践例を聞く機会も増えてきています。しかし多種多様な疾患があるため、集団の中での効果的な援助方法の情報は入手が難しく、点と点のままでクロス検討されていない又はできない例が多く存在していると考えられます。保育集団における援助についての情報収集はこれからの課題といえます。
 
保健職の専門性
 資料2の保育士定数内・外のかかわり方の比較表から、「医療・療育機関との連携にかかわっている」保健職は定数内三七・〇%外六一・九%と、保育士定数内に含まれている場合、保健業務の時間が取れない分少なくなっています。また「全くかかわれない」の理由記載欄には「ゼロ歳クラス担任になって保育をしている」「人員不足のため体制がきびしい」「保健職としての業務内容が理解されていない」「正規職員でなく発言できない」など難しい立場がうかがわれます。専門性を発揮させるためには、保健的視点の必要性を職員間で共有すると共に保健職自身の研鑽が大切になります。保育士定数内に保健職が含まれている場合、保健的視点が必要な時、ゼロ歳クラスを支援する体制を、職員間のチームプレイによって、スムーズに取れる日々が積み重ねられてこそ保育保健の充実につながっていきます。統合保育の真価を発揮するために、保健面からの視点も重ねて障害及び疾患をもった子どもの発達と安全を保障し、共に育つ仲間の社会的、情緒的発達も促される保育につとめたいものです。
 
資料1
 
 
受託園児の障害および疾患名
精神発達遅滞 自閉 ダウン症 脳性麻痺 てんかん
言語遅滞 心室中隔欠損 ADHD レット症候群 広汎性発達障害
情緒障害 高度難聴 聴覚障害 弱視 斜視+弱視
心疾患 心室心房中隔欠損 動脈管開存症 ファロー四徴症 川崎病後遺症
肺動脈狭窄 単心房 軟骨無形成 肢体不自由 左半身麻痺
低筋緊張 体幹機能障害 良性筋緊張低下 四肢麻痺 小児麻痺
筋ジストロフィー 下肢内転内反 超未熟児 小脳変性症 水頭症
二分脊椎 未熟児網膜症 先天性白内障 免疫不全症候群 左指欠損
手指欠損 食道狭窄 血栓症 MASA症候群 血管腫
全身性ミオパチ 口蓋裂 水腎症 海綿状血管腫 乳児肝炎
声門下気管狭窄 副腎皮質過形成 ヘルペス脳炎後遺症 ラッセルシルバー病 ウイリアム症候群
アルゼンマン症候群 細菌性髄膜炎後遺症 機能性尿路感染症 水頭症による麻痺 全盲+水頭症
心疾患+発達遅滞 ヒルシュスプリング病 ピエールロパン症候群 ヴィクウィズ・ウイードマン症候群 僧帽弁閉鎖不全+肺動脈不全
発達遅滞+鼻咽閉鎖不全 ソトス症候群+知的障害 原発性免疫不全+精神発達遅滞   精神発達遅滞+側湾症 水腎症+多指症+心室中隔欠損
ADHD+精神発達遅滞 発達遅滞+てんかん 自閉+精神発達遅滞 精神発達遅滞+軟口蓋+ファロー四徴症+気管支軟化症+両側感音性難聴
 
医療行為の必要な疾患
食物アレルギー アトピー性皮膚炎 てんかん 喘息 熱性けいれん
慢性気管支炎 脳性麻痺 声門下気管狭窄 心疾患 副腎皮質過形成
乳児肝炎 MASA症候群 中耳炎 二分脊椎 四肢麻痺
風邪 動脈瘤 免疫不全後けいれん 単心房 精神発達遅滞
後部尿道弁術後腎機能低下 高ガラクトース血症 染色体異常+難聴+心室中隔欠損  







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