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―環境省から(1)―
環境カウンセラー制度について
―こどもたちの環境学習の頼もしい助っ人―
環境省総合環境政策局 環境教育推進室 中野 庄治
 
1 環境カウンセラー登録制度とは
 環境省では、環境保全に関する専門的知識や経験を有する方々を「環境カウンセラー」として登録し、広く公開しています。
 環境カウンセラーは、自らの知識や経験に基づき、市民や市民団体、事業者など様々な人々が行う環境保全活動に対し助言等(=環境カウンセリング)を行っています。また、自らも積極的に様々な環境保全活動を行っています。
 
2 環境カウンセラーの登録状況
 現在、全国で三、〇九七名の環境カウンセラーが登録されています。このうち、市民や市民団体を対象とした環境カウンセリングを行う「市民部門」が一、二八五名、事業者を対象とした環境カウンセリングを行う「事業者部門」が一、九九四名、両部門登録者が一八二名です。
 登録者を専門分野別でみると、市民部門の環境カウンセラーは、環境教育、自然観察、市民活動分野(市民や市民団体の環境保全活動の支援)や住民の身近な環境問題である廃棄物やリサイクル分野で多く登録されています。また、事業者部門の環境カウンセラーには、大気、水質、廃棄物、化学物質等の専門的知識を持った人材が多く登録されています。
 
環境カウンセラーが制作した環境絵本
 
3 環境カウンセラーの活動の様子
 環境カウンセラーの活動は、環境教育の講師や市民団体の活動支援、また、事業者に対する環境改善の指導や行政の行う環境保全事業への協力など、多岐に渡っています。
 特に市民向け講座や学校における総合的な学習の時間で、環境教育・環境学習がテーマに取り上げられることが多くなってきているため、その講師を務めたり、プログラム作りに協力したりといった活動が増えています。
 子どもたちを対象とした活動としては、環境教育のための絵本や紙芝居を制作している環境カウンセラーや、子どもたちを自然の中へ誘い、自然に直接触れることで豊かな感性を養うための活動を行っている環境カウンセラーもいます。
 また、環境カウンセラーは、個々に活動するだけでなく、同一地域の環境カウンセラーが自発的に集まり、協力しながら活動を行っている例もあります。このような協(議)会は、全国四〇地域で設立されています。協(議)会のメンバーは、互いに切磋琢磨しながら資質の向上を図ると同時に、それぞれの専門とする分野を補完し合うことで、一人では出来ない活動を精力的に行っています。
 これらの活動の様子は、環境カウンセラーのホームページで紹介しています。
 
自然観察会で解説する環境カウンセラー
 
4 環境カウンセリングを受けるには
 環境カウンセラーの登録情報はインターネットで公開しています。
http://www.eic.or.jp/counselor/search.html)環境カウンセラーの氏名、生年月日、連絡先、専門分野、これまでの活動実績等が掲載されており、希望にあった環境カウンセラーを簡単に検索できます。地域や職場等で環境保全活動を行おうとする際、環境カウンセラーに相談すれば、活動に対する有効なアドバイスが得られたり、環境教育等の講師などニーズに合った環境カウンセリングを受けることができます。
 なお、環境カウンセラーに依頼する場合の経費等諸条件については、一律の定めはなく、カウンセラー本人と依頼する方との間で相談して決めてもらっています。交通費や教材費等の経費を負担していただく場合もありますので、依頼する際によくご相談下さい。
 
環境カウンセラー研修風景
 
5 環境カウンセラーとともに地域の環境保全活動を
 今日の環境問題の多くは、地球温暖化や廃棄物の問題に代表されるように、この地球上に住む人間一人ひとりの日常生活に起因するものです。これらの問題の解決のためには、我々の生活を、環境に配慮した生活に変えていかなければなりません。
 特に、子どもたちに対しては、環境学習など様々な環境保全活動を通じて、環境への関心の喚起を促し、環境を大切にする心を育むようしていかなければなりません。このため、正しい知識に基づき、こどもたちが主体的に参加、体験できる場の提供が必要です。
 子どもたちと楽しく環境保全活動を行うため、どのように行ったら良いか分からない、あるいは、専門的なアドバイスが欲しいといった場合、是非、お近くの環境カウンセラーに御相談下さい。
【環境カウンセラー制度に関するお問い合わせ】
環境省総合環境政策局
環境教育推進室市民活動係
〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2
電話 03(5521)8231
 
 
 
 
 元旦にこの原稿を書く。
 敬愛するアルフォンス・デーケン先生は「日本は一九八一年に変わった」と指摘された。一九五九年に来日された師が「死生学」を日本社会に問われてから、二〇年の年月が流れていた。一九九〇年、ある雑誌の編集長として「死」の特集を編んだ私は、デーケン先生の指摘にもかかわらず、「死」という言葉を避け、特集の題を「メメント・モリ」とした。中世の「死を想え」という言葉を用いたわけである。
 現在、我が国の平均寿命は男七八歳、女八五歳になった。見ないふりをし続けた「死」の問題に、日本社会もそろそろと直面すべき時代なのではなかろうか。
 社会福祉も、二つの理由から「死」の問題を回避してきた。一つは「死」は経済学的に捉えられないこと、一つは少なくとも「医療」の問題であること。しかし、社会福祉はいつから「経済学的」に捉えられることだけを対象にすることになったのであろうか。いつから社会福祉の世界は「医療」の負け犬になったのであろうか。
 そもそも社会保障とは、「貧困や病気を原因とする『死』を、人間の叡智と社会連帯によって限り無く遠ざけようとする営み」であり、社会福祉事業はその中核を担ってきた。それだけの誇りも抱いてきた。戦前の社会事業家は、石井十次にしろ賀川豊彦にしろ、医療事業を内在化させてきた。日本救世軍が主要事業として医療事業を揚げてきたことは周知のことであろう。
 今回から数回にわたり、「メメント・モリ」を論ずることにする。それは、社会福祉が「死」に対峙する覚悟があること、そして社会福祉の仕事に「死」を内在化させることにより、知恵や勇気が沸いてくるのではないかということを主張したいからである。







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