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全体会
Ending
 
全体会
◇各分科会からの発表
 各分科会の参加者・スタッフが、各分科会の内容を報告しました。分科会の内容については分科会のページをご参照ください。
 
◇参加者からの感想
コーディネーター:松井由佳
 
 
松井/今日は来てくださってどうもありがとうございました。このフォーラム全体の感想を何人かの方に聞いてみたいと思うのでよろしくお願いします。まず、筑波大学の人間学類二年生の大高君。
 
大高/筑波大学の人間学類で教育学について勉強している大高です。水戸中心にスクールボランティア、総合的な学習の時間をお手伝いする、フラスコというボランティア機関の運営に携わっています。今回のフォーラムのサブタイトルにも総合学習と書いてありますが、スクボラと総合学習とは切り離せないと思いながら普段からスクールボランティアをしています。僕自身は中学校で、総合学習を生徒として体験してきた第一期生です。それから五年くらい経ちまして、日本各地の中学校で、このような総合的な学習の取り組みがされていてすばらしいと思いました。僕は茨城大学付属中学校出身ですが、うちの中学校でも、Webing学習というものをやっていました。吾妻中はつくば市の市長に提言されたそうですが、僕らも水戸市長に提言しました。僕らが経験してきたものが実ってるなあ、中学生がんばってるなあと非常に実感しました。
 それから田中先生はカリキュラム開発という専門の立場から見ていらっしゃいますが、学校も僕らもスクールボランティアをやっていくうえで、コラボレート(協働)ということは非常に大事だと思っています。学校と地域施設・地域住民とのつながりはコーディネートという面では非常に弱いと思いますが、コラボレートは大切なキーワードだと思います。最後に、素晴らしいフォーラムを作ってくださったぐっぴぃの方々、お疲れ様です。こういう素晴らしい取り組みは何年も何年も継続的にやっていってほしいと思います。
 
 
松井/ありがとうございました。次にわざわざ千葉県の木更津市から足を運んでくださった、篠原さんにお話を聞きたいと思います。お願いします。
篠原/教育委員会の学校教育課で仕事をしています。篠原和行です。ここに来たきっかけは、今年の2月山形でボランティア研修会があって、そこで松井由佳さんと会ったことにはじまります。木更津市では学校支援ボランティアを制度化しまして、小学校18、中学校13で、環境支援と、教育支援という二つの部分で、登録していただいて学校に入って頂くという形でやっているのですが、8月に全国学校ボランティアサミットということで、情報発信と、全国の動きを知ろうということで始まり今年が3回目になるのですが、筑波大の生徒のみなさんが何人か来てくださいました。その後、松井さんにフォーラムを紹介され、先週、千葉大の明石教授と飲んでいたときにも、ぜひ行ってきてねと言われたこともあり、今日来ました。
 もう一つは、大学生が、このフォーラムを開くパワーはすごいなあ、と思ったことです。今の若者は・・・とよく言いますが、いまの若者は立派だと思う。私は学生の時、自分が生きる力ははぐくんできましたが、人のためにしようとする発想はなかった。筑波大をはじめとする茨城のぐっぴぃの人たちが学校と地域の中に入って自分のできることを探して何かをしようとする力はすごいと思います。
 木更津市は、11月21日段階で、学校支援に協力してくださる人が1200人を超えました。活動は登録制ですから、80%は活動してくださっている。20%はまだ活動していただいてないので課題なんですけれども。その中に大学生はまだいないです。今日大学生の皆さんの様子を見て、大学にも働きかけてみようと思いました。
 木更津では、家庭、地域社会、学校のトライアングルで子育てをしていこうというのを基本理念としてやっています。ですからボランティアの方に学校に入っていただく時に、効率だけを求めるのでなく、少しでも学校にきていただいて中から地域と共に子どもを育てていこうという風に考えています。効率性だけを求めると、先生方のニーズも高まってきて、最後はやっていけなくなるんです。大学生も授業などいろいろあるだろうし、気をつけていかなくてはいけないと思います。
 
 
 その点で、うちの分科会(地域)のアドバイザーのPTAの野本さんも言っておられましたが、今後の活動として書いてあった大学生の中の窓口、コーディネーターを大学生の中に作っていくこと、コーディネーターがあった方がいいなということと、そして学校も学校の考えを大学生につたえていかないといけない、大学生のやりたいこと・学校の求めることを常に調整していかないと不満が残ってしまうと思うので、学校の中にもコーディネーションができるようなシステムを作らないと軋轢が出てくると思います。人と人って絶対軋轢ができてあたりまえですが、それをできるだけないようにしていけば大学生がもっと活動できていけるのではと思います。
 それともう一つ、大学生のみなさん、本当に一生懸命やっておられますけれども、楽しみながら気長にやってください。4年しかないけれど自分が楽しまないとボランティアは続かないです。ぜひがんばって教員になったら木更津の方にぜひ来て下さい。ありがとうございました。
 
松井/ありがとうございました。一年前に篠原さんにお会いできなければこの企画もなかったかもしれません(><)。それでは、先ほど篠原さんからも紹介があった野本さんにコメントをお願いしたいです。野本さんは吾妻中と私達をつないでくださいました。
 
野本/野本です。今は吾妻小と吾妻中の学校評議員をしております。夏休みに小島校長先生にぐっぴぃのメンバーを紹介してから4ヶ月くらいになりました。今日まで本当にご苦労様でした。本当に有意義なフォーラムだったと思います。ただ、ぜひこれを実現していってほしいので、少し辛口の意見を述べたいと思います。
 総合学習を今回テーマに挙げていますけども、どういうふうに現場で行われているか、学生が一緒になって総合学習を手伝う以上、学校に入り込んででも総合学習について実際に知ってもらいたいと思いました。その為には学校の先生にお願いして時間を作る必要があると思います。手伝うにしてもそうですよね。先ほどもおっしゃっていましたが、コーディネートをするところを学校側に頼むのは実際には無理です。先生方はほんとに忙しい時間をやりくりして子供たちに教えているので、コーディネートをするなら、大学生が学校に入っていって先生方のお忙しい時間を少しでもなんとかいただいて総合学習に必要な物が何か、考えるところから始めてほしい。それくらいの覚悟がいると思います。
 それから覚悟という意味では、一年間を通じて子供たちと付き合う、そのくらいの気持ちで、学校の中で自分たちの力を発揮してほしい。ちょっとだけ学校に来て、表面的なところで自分たちもわかったつもり、子ども達にもちょっとだけ印象を与えて終わりになると、総合学習の中で生きる力・考える力を育てられないと思います。一年間、一緒になって苦労しながら正面からつきあう、という気持ちで始めてほしいと思います。
 
 
 特に子供の興味は様々です、最後までしっかり付き合って欲しいことと、頭で考えた案にとどまらず、子ども達と一緒に考え、行動し、悩み、しかも子ども達の自由な発想を壊さないようにしてほしいです。また、皆さん自身がまず人権や福祉など社会的な見識をしっかりと持って欲しい。その上で中学生、小学生と向き合ってもらわないと、子供たちの学びを支えることにならないと思います。先ほどいただいたパンフレットに書いてあった通り、(通常は学校と地域と家庭のトライアングルを描きますが、)今回は学校、地域、大学生というトライアングルが提示されています。この場合、地域と学校は、既にPTAなどで強く結びついています。そして、学校と大学生の結びつきが今回のテーマです。ここであなた方大学生にお願いしたいのは、地域と大学生の結びつきについても考えてもらいたいということです。
 大学生にぜひ社会性を持ってもらいたい、そのためにも環境、福祉のNPOの方達、農家の方たちなど地域の人々とのコラボレーションを大切にしながら、協力しながら、大学生の皆さんも地域の中で学びながら、子供たちにいろいろなことを教えてほしい。吾妻中の小島先生は、総合学習だけでなく、教科学習でも大学生の力を借りたいとおっしゃっていました。大学生の協力は、これから子ども達を育てる大きな力になると思います。
 今日のフォーラムを机上のもので終わらせないで下さい。志を高く持って進んで下さい。今日のすばらしい成果を後輩達にもきちんと伝えて、地域ぐるみで子ども達の教育をする取り組みにしていっていただけたら、と願っています。皆さんのこれからのがんばりに期待しています。







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