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6-2-2 海運
 
船舶の平均使用年数
(単位:%)
国名 船舶の種類 0〜4年 5〜9年 10〜14年 15〜19年 20年以上 耐用年数
世界全体 船舶全体 22.0 20.9 15.6 13.2 28.1 12.6
タンカー 26.9 18.5 21.1 9.5 24.0 11.6
ばら積貨物船 19.7 23.9 12.8 17.8 25.8 12.7
貨物一般 9.4 13.6 9.8 16.7 50.6 17.0
コンテナー船 31.1 33.9 13.1 10.0 11.9 9.1
その他 14.9 13.1 13.4 9.4 49.2 16.0
アフリカ・サハラ以南
(オープンレジストリー国を除く)
船舶全体 2.7 1.3 2.4 5.5 88.1 22.1
タンカー 2.6 0.0 0.6 0.0 100.0 23.5
ばら積貨物船 5.3 3.5 0.0 0.0 91.2 21.8
貨物一般 1.0 1.4 5.5 17.9 74.3 21.3
コンテナー船 0.0 0.0 0.0 0.0 100.0 23.5
その他すべて 4.7 5.2 5.2 7.8 77.0 20.5
タンザニア 船舶全体 0.0 0.6 0.1 2.8 96.5 23.2
タンカー 0.0 0.0 0.0 0.0 100.0 23.5
貨物一般 0.0 0.0 0.0 0.0 100.0 23.5
その他すべて 0.0 4.0 0.5 19.4 76.1 21.5
 
 アフリカ全体の海運状況は、2-2-2 海運(セネガル概要)参照
 
6-3 日本政府によるODA実績
6-3-1 日本の援助実績
 タンザニアに対する本格的な政府開発援助はタンザニア政府の要請を受けてキリマンジャロ州地域開発を支援することから始まった。同時に食糧援助(KR)や構造調整との関連で国際収支支援の商品輸入援助(CIS)をノンプロ無償援助で実施し、運輸関連インフラ基盤整備についても無償援助を行ってきている。我が国のタンザニア援助は社会主義的前政権のころに始められ、また移行過程のタンザニアに対する援助は1986年に始まった。
(1)日本政府は、タンザニアが、東・南部アフリカ諸国において指導的な役割を担い、積極的に活動していること、1986年以降、金融部門改革、公社・公団改革等の構造調整・市場指向型経済政策を着実に推進していること、1992年5月複数政党制を導入し、1995年10月大統領・国会議員選挙を実施する等、民主化努力を推進していること、日本政府との関係が極めて良好であること、具体的な開発目標を掲げ、経済社会開発のための主体性(オーナーシップ)をもって行っているタンザニアの開発政策は、経済開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)新開発戦略の趣旨に合致し、同国において新開発戦略の実施を重点的に支援しうる状況にあること、一人当たりGNPが220ドル(1998年)と極めて低い水準にあり、援助需要が大きいこと等から、日本政府援助の重点国の一つとして位置付けている。
(2)また、日本政府は、タンザニアにおける開発の現状と課題、開発計画等に関する調査・研究、1997年2〜3月に派遣した経済協力総合調査団及びその後の政策協議等における政策対話、及び2000年6月対タンザニア援助の一層の透明性の確保及び効率性の増大のために策定し発表した「タンザニア国別援助計画」を踏まえ、以下の分野を重点分野として援助を実施している。
(a)農業・零細企業の振興のための支援
 タンザニアでは農業がGDPの約5割、総輸出額の7割強を占め、労働人口の8割(1,280万人)が農業に従事していることから、同分野に対する支援はタンザニア経済にとって大きなインパクトを持つ。また、日本政府はこれまでキリマンジャロ州を中心に農業分野の支援において豊富な経験を有し、今後も効果的な援助ができるものと期待される。援助の方針としては以下の3つの観点を重視している。
 まず、農業・農村開発の観点から、小規模灌漑施設、農業インフラ整備、農業技術の移転を実施していく。続いて、タンザニアの農業従事者のうち7割が小規模農民であり、農業振興は貧困対策としての側面も有していることから、農業協同組合組織の整備・育成、マイクロ・クレジット等を推進していく。最後に、零細企業の育成を通じた貧困救済のために、農林産物の付加価値を高めるための加工技術の普及、企業振興等、さらには縫製、製粉、皮革製造、金属加工、窯業等の技術開発や技能訓練、及び小規模融資等による起業家支援を検討していくとしている。
(b)基礎教育支援
 教育分野は、貧困削減戦略ペーパー(PRSP: Poverty Reduction Strategy Paper)の策定段階で最重要分野とされ、タンザニア側の援助ニーズが非常に高い分野である。この分野では、1999年より教育セクター開発計画(EdSDP: Education Sector Development Programme)が実施されており、ドナーの援助協調が進んでいると言える。
 日本政府は同国の教育セクター開発計画にも配慮しつつ、学校施設の整備を検討していくとしている。また、教育政策アドバイザーの派遣、教員再教育プログラムへの支援を日本政府の比較優位にあるといわれている理数科教育分野を中心に検討していく。さらに保健衛生教育の導入、遠隔地教育、成人教育への支援といった独自の工夫も考えられている。
(c)人口・エイズ及び子供の健康問題への対応並びにその一環としての基礎的保健医療サービス向上
 日本政府はこれまでも保健医療分野の援助に関して大きな評価を得てきており、引き続きこの分野における協力を継続していくことが望ましい。今後、地方における医療サービスの充実に注力し、基礎的な医療技術の向上、地区−地方−中央に繋がるリファーラル体制の充実、衛生知識に関する住民啓発活動等の充実を図っていく。また、日本政府はタンザニアを「人口・エイズに関する地球規模問題イニシアティブ」の重点国の一つと位置づけており、住民のHIV感染予防、家族計画に関わる教育・啓蒙活動実施を支援していく。なお、保健分野においても1999年よりセクター別開発計画が実施されており、教育セクターと同様、他ドナーとの連携にも配慮した支援が行われている。
(d)都市部等における基礎インフラ整備等による生活環境改善
 全国的に基礎インフラが不足しており、特に近年都市部においては、急速な人口増加に伴い、基礎インフラの不足等による生活環境の悪化が見られる。インフラの整備は、生活環境改善のみならず産業基盤整備という観点からも重要な課題であり、運輸、通信、電力、上水道の整備等への支援を行う。
(e)森林保全
 タンザニアの国土の約3分の1を占める森林は、現在、耕地拡大、燃料用途の伐採等によって減少しているが、水資源の確保や土壌保全、観光資源として森林を保全していく必要がある。日本政府はこれまで緑の推進プロジェクト等森林保全に関する援助を行ってきており、今後も現地NGO等を活用し、森林資源管理のアドバイザーを派遣する等、引き続き森林の持続的開発に対する協力を進めていく方針である。
(3)1999年度までの日本政府の援助累計実績は、有償資金協力は402.50億円でアフリカ域内第7位、無償資金協力は1,079.27億円で域内第1位(以上交換公文ベース)、技術協力は432.71億円で域内第2位(JICA経費実績ベース)と積極的に協力を行っている。
(4〉有償資金協力については、同国の経済状況の悪化に伴い、債務繰延べを除き、1982年度以降円借款の供与は行っていない。タンザニアは、既に債務削減措置の適用を受けている上、重債務貧困国(HIPC)として、ケルン・サミットでの合意に基づいて成立した「拡大HIPCイニシアティブ」による債務削減措置が適用されることとなっているため、新規の円借款による協力は困難であり、今後は従来どおり無償資金協力、技術協力を中心とした協力を検討していくこととする。
 無償資金協力については、保健・医療分野等の基礎生活分野を中心に、通信・放送分野、道路整備、電力供給等の基礎インフラ整備に対して協力を行っている。また、同国の構造調整努力を支援するため、1998年度までに合計165億円のノン・プロジェクト無償資金協力を実施し、1999年度には、見返り資金の使途を教育分野とするセクター・プログラム無償10億円を供与した。
 技術協力については、農業、工業、保健・医療等の分野で各形態により実施している。特に、キリマンジャロ州において水稲栽培等の農業開発、村落林業、中小工業開発の分野で継続的にプロジェクト方式技術協力を実施してきた。開発調査についても、農業・水産、教育、水供給分野等幅広く実施している。
(5)タンザニアは、自身の主体性(オーナーシップ)を発揮し、日本政府も含めた他ドナー・国際機関、NGO等との連携により、タンザニア支援戦略書(TAS: Tanzanian Assistance Strategy)や、貧困削減戦略ペーパー(PRSP: Poverty Reduction Strategy Paper)を鋭意作成中である。また各援助国及び援助機関において教育、保健セクター等のセクター・プログラムを積極的に推進しており、特に、教育分野のセクター・プログラムについては、英、EU、蘭、スウェーデンが使途限定のコモンバスケットをパイロット的に開始する等、援助協調の動きが進んでいる。日本政府としては、「顔の見える援助」を行う観点からコモンバスケットにかかる動向を注視しつつ、他方で同国の真のオーナーシップに基づいた持続的開発達成を支援すべく、セクタープログラムをはじめ、PRSP、TASの策定・実施・モニタリングプロセスに積極的に参加していく方針。
 
日本のODA実績
(単位:百万ドル)
  贈与 政府貸付
  無償資金協力 技術協力 支出総額 支出純額 合計
1996年 80.29 29.20 109.49 - -3.82 105.67
1997年 36.83 29.05 65.88 - -10.51 55.37
1998年 81.05 21.81 102.86 - -19.49 83.37
1999年 59.56 21.47 81.03 - -6.21 74.82
2000年 203.16 26.65 229.81 - -12.68 217.13
2001年 241.32 27.35 268.67 - -8.22 260.45
出典:「日本政府の政府開発援助、タンザニア」
 
2000年度までの累計
・有償資金協力:403億100万円(交換公文ベース)
・無償資金協力:1,136億1,300万円(交換公文ベース)
・技術協力:461億3,000万円(JICA実績ベース)
研修員受け入れ(1999年度までの実績、以下同様):2,648人
専門家派遣:588人
調査団派遣:1,735人
協力隊派遣:912人
プロジェクト技術協力:12件
機材供与:53億4,720万円
開発調査:38件
 
年度別・形態別実績
年度 無償資金協力 技術協力
90年度までの累計 500.53億円 200.4億円
研修員受け入れ 955人
専門家派遣 292人
調査団派遣 924人
協力隊派遣 620人
機材供与 2,828.42百万円
プロジェクト技術協力 8件
開発調査 28件
91年 63.70億円
首都圏道路網整備計画(1/4期)/マラリア抑制計画(4/5期)/ノンプロジェクト援助/食糧援助/食糧増産援助/債務救済/草の根無償
18.31億円
研修員受け入れ 69人
専門家派遣 12人
調査団派遣 53人
協力隊派遣 36人
機材供与 335.7百万円
プロジェクト技術協力 3件
開発調査 2件
92年 68.91億円
首都圏道路網整備計画(2/4期)/ダルエスサラーム送配電網整備計画/栄養改善計画/ノンプロジェクト援助/食糧援助/食糧増産援助/災害緊急援助(洪水災害)/債務救済/草の根無償
22.67億円
研修員受け入れ 75人
専門家派遣 35人
調査団派遣 103人
協力隊派遣 32人
機材供与 344.5百万円
プロジェクト技術協力 4件
開発調査 3件
93年 58.23億円
首都圏道路網整備計画(3/4期)/道路補修機材整備計画97/ダルエスサラーム電話網改修計画/マラリア抑制計画(5/5期)/食糧援助/食糧増産援助/債務救済/草の根無償
25.66億円
研修員受け入れ 139人
専門家派遣 32人
調査団派遣 93人
協力隊派遣 41人
機材供与 253.1百万円
プロジェクト技術協力 1件
開発調査 5件
94年 50.56億円
中核病院医療機器整備計画/ザンジバルテレビ局復旧計画/首都圏道路整備計画/債務救済/ノンプロジェクト援助/食糧援助/食糧増産援助/災害緊急援助(難民及び国内被災民救済)草の根無償
26.19億円
研修員受け入れ 165人
専門家派遣 43人
調査団派遣 82人
協力隊派遣 37人
機材供与 215.4百万円
プロジェクト技術協力 3件
開発調査 4件
95年 49.94億円
道路補修機材整備計画/キリマンジャロ州配電網整備計画/首都圏道路網整備計画/ノンプロジェクト援助/債務救済/食糧援助/食糧増産援助/民主化支援/草の根無償
27.79億円
研修員受け入れ 190人
専門家派遣 39人
調査団派遣 90人
協力隊派遣 31人
機材供与 216.6百万円
プロジェクト技術協力 3件
開発調査 4件
96年 48.67億円
食糧増産援助/食糧援助/債務救済/ポリオ撲滅計画/幹線道路橋梁改良計画/ダルエスサラーム電力供給拡充計画/ダルエスサラーム市電話網改修計画/カゲラ州難民居住区周辺地域給水・医療改善計画/草の根無償
31.20億円
研修員受け入れ 174人
専門家派遣 36人
調査団派遣 120人
機材供与 254.9百万円
協力隊派遣 39人
プロジェクト技術協力 3件
開発調査 6件
97年 75.71億円
ダルエスサラーム電力供給拡充計画/幹線道路橋梁改良計画/ダルエスサラーム道路改善計画/カゲラ州難民居住区周辺地域給水・医療改善計画/ポリオ撲滅計画/第二次ダルエスサラーム市電力供給拡充計画/ノンプロジェクト援助/債務救済/ザンジバルテレビ局テレビ番組供与/草の根無償/食糧援助/食糧増産援助
34.77億円
研修員受け入れ 208人
専門家派遣 29人
調査団派遣 98人
協力隊派遣 24人
機材供与 382.4百万円
プロジェクト技術協力 3件
開発調査 4件
98年 100.97億円
ダルエスサラーム電力供給拡充計画/ダルエスサラーム道路改善計画/ノンプロジェクト無償/幹線道路橋梁改良計画/緊急無償テロ災害/債務救済/食糧援助/食糧増産援助/草の根無償/第二次ダルエスサラーム市電力供給拡充計画
21.92億円
研修員受け入れ 293人
専門家派遣 28人
調査団派遣 43人
協力隊派遣 24人
機材供与 271.7百万円
プロジェクト技術協力 3件
開発調査 2件
99年 62.04億円
第二次ダルエスサラーム市電力供給拡充計画/ダルエスサラーム道路改善計画/モロゴロ州ムウェガ地区小規模灌漑開発計画/予防接種拡大及び栄養素欠乏症対策計画/ダルエスサラーム魚市場建設計画/食糧援助/食糧増産援助/ノンプロジェクト無償/債務救済/タンザニア国立博物館展示用機材/草の根無償
24.16億円
研修員受け入れ 380人
専門家派遣 42人
調査団派遣 129人
協力隊派遣 28人
機材供与 244.9百万円
プロジェクト技術協力 4件
開発調査 5件
2000年 2億316万ドル
モロゴロ州ムウェガ地区小規模灌漑開発計画/ムトワラ職業訓練学校機材整備計画/国営ラジオ放送局教育放送用機材整備計画/道路整備計画/ダルエスサラーム魚市場建設計画/予防接種拡大及び栄養素欠乏症対策計画/食糧援助/食糧増産援助
2665万ドル
開発調査 14件
2001年 2億4132万ドル
道路整備計画/小学校施設整備計画/タンザム幹線道路改修計画/食糧援助/食糧増産援助
2735万ドル
開発調査 7件
注)「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力については交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績ベース







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