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 Consilium Group 
本社所在地 
Consilium Navigation AB 
Finnbodavägen 2-4 
P.O.Box 5021 
131 05 Nacka 
Stockholm, Sweden 
Tel: +46 8 563 051 00 
Fax: +46 8 563 051 99 
E-mail: navigation@consilium.se 
  
Consilium Selesmar Srl 
Via Romita 26 
50020 Montagnana Val di Pesa 
Florence(Firenze), Italy 
Tel: +39 0571 67 07 91 
Fax: +39 0571 67 07 98 
E-mail: commercial@consilium.it 
  
企業概要 
 Consilium Groupは、スウェーデンの機械メーカーで、現在(1)火災・ガス警報設備、(2)舶用機器、(3)精密部品という専門化した3つのビジネス分野が主要事業部門である。2002年度のグループ全体の売上げは6億5,040万スウェーデン・クローナ、総従業員数は441人。 
  
 Consiliumは1994年、ストックホルム証券取引所に上場。Volvoが主要顧客である精密部品製造部門以外のビジネスは、スウェーデン以外での売上げが大部分を占めている。 
  
 Consiliumのビジネス・コンセプトは、同社が市場リーダーになり得るニッチェ分野及び製品を選び、技術開発に重点を置いたオペレーションを行うということで、企業再編、企業買収や提携にも積極的である。 
  
 舶用機器関連部門は、コア・ビジネスとしてConsilium Navigation AB(スウェーデン)、Consilium GmbH(ドイツ)、及び独立したオペレーションであるConsilium Selesmar Srl(イタリア)、Consilium US, Inc.(米国)を含む。 
  
舶用機器関連事業(Consilium Selesmarを含む) 
 
| 年度 | 
2002 | 
2001 | 
2000 | 
1999 | 
1998 | 
 
 
| 売上げ(100万クローナ) | 
219.3 | 
186.9 | 
141.1 | 
119.1 | 
132.4 | 
 
 
| 従業員数(人) | 
115 | 
110 | 
97 | 
94 | 
99 | 
 
 
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(出所:Consilium Annual Report 2002より作成) 
  
 2002年度の舶用機器コア・ビジネスの国・地域別売上げは、スウェーデン2%、その他欧州65%、北米24%、アジア24%、その他2%である。 
  
略史 
 Consiliumは1912年創業のスウェーデンの機械メーカーであるが、1995年のイタリアSelesmar買収以来、総合ハイテク航海機器メーカーとしての性格を強めている。 
  
 Selesmarは、1960年にナポリに設立されたレーダー・メーカーSeleniaが母体となっている。Seleniaは設立後、主にRaytheon Abschütz向けのレーダーを製造していたが、1978年に提携関係が終了し、Seleniaは1980年に解体した。 
  
 1981年、SeleniaはSelesmarとして事業を再開した。1984年にはラスター・スキャン高解像度ディスプレイ「Selesgun」を開発、1988年にはフィンランドAspoと共同で世界初のINSを開発した。 
  
 1995年、ConsiliumグループがSelesmarを買収、SelesmarはConsilium Selesmar Srl.として、Consiliumグループ内の独立した事業部門となった。 
  
主要製品及び市場シェア(同社発表) 
Consilium Naviation 
●VDR: Consilium VDR。業界に先駆けて1997年に商品化し、規制・技術標準制定にも貢献した。市場シェア15%。関連製品としては、Windows環境でVDRデータの再生を可能にするVDR再生用ソフト「Voyage Data Player」がある。 
●スピード・ログ:SALシリーズ。1913年に世界初のスピード・ログを発売したSvenska Aktiebolaget Logg社を1985年に買収、1万台以上の納入実績がある。市場シェア約25%。 
●火災警報機、ガス警報機:Salwicoシリーズ。市場シェアは火災警報機50%、ガス警報機40%前後。 
  
Consilium Selesmar 
●レーダー:MasterMate、NavBat。納入実績4,000台。現在のシリーズはARPA機能標準装備の第4世代シリーズ。 
●ECDIS: ECS 965(スタンドアローン)、ECS 980(INS用)。1980年代半ばにECDIS技術を実用化した。 
●IBS/INS: INS970。1980年代半ばにECDIS技術開発とともにIBS/INSのコンセプトを実用化。 
●VTS: 納入実績50台以上。外見、仕様はそれぞれの機種により異なる。 
  
VDR: Consilium VDR M2 
特徴 
●フレキシブルなシステムで、新造船、既存船への設置が容易。 
●他社のブリッジ・システム、センサー全機種とのインターフェイスが可能。 
●IMO性能標準A.861(20)、IEC61996、IEC60945 part 2、EU指令no.1999/35/ECに準拠。 
●全データはVoyage Data Capsule及びメイン・ユニットのHDDに保存。 
●データのバックアップは、DVDその他の保存メディア、及びネットワークを使用して作成可能。バックアップ作成時にも新規データ記録は継続される。 
  
標準記録データ項目 
●日時:GPSレシーバーからの情報 
●船位:GNSS(GPS) 
●速度:スピード・ログ(GPSからのSOGも記録可能) 
●針路:ジャイロコンパス(GPSからのCOGも記録可能) 
●深度:エコーサウンダー 
●主要アラーム:船橋内に設置されたアラーム 
●ラダーのステータス:針路制御・管理装置/ラダー・エンジン制御システム 
●エンジンのステータス:オートメーション装置、バウスラスターを含む。 
●ハル開閉口、耐水扉、防火扉のステータス:火災警報装置、安全管理システム 
●アクセレーションとハル・ストレス:ハル・ストレス監視システム 
●風速、風向:風速計 
●船橋内音響及び会話:8インプットを4チャンネルに記録 
●レーダー:レーダー表示1基。 
  
記録可能なオプショナル・データ 
●レーダー表示2〜4基、コニング、ECDIS、アラーム表示 
●15秒毎よりも頻繁なレーダー表示記録 
●24時間以上のメイン・ユニット記録 
●CCTVシステムからのNTSCまたはPALビデオ記録 
●アナログまたはデジタルによる非連続インプット 
●船内LANデータ 
  
IBS/INS: INS 970 
 INS開発のパイオニアを自負するConsilium Selesmarの第三世代INS 970は、船社、規制当局、船級協会等との緊密な協力によって開発されたINS 970で、フル型式承認を取得している。 
  
 Consilium Selesmarは、INS 970導入の利点として、以下の4点を挙げている。 
(1)航行安全性の大幅向上 
 様々な航海機器からの情報を、迅速かつ正確に収集し、航海者が理解しやすい形態で表示する。 
(2)ECDIS機能の最大活用 
 Consilium Selesmarの最新型ECDIS ECS 980からの情報をオートパイロットに供給することにより、automatic navigation and track keeping(ANTS)が可能となる。スムーズな航路選択ができ、船舶の燃費が大幅に改善する。 
 ECDIS ECS 980は、ARCSラスター・チャート、C-Mapベクトル・チャート、S-57ベクトル・チャートの3つの電子海図方式が利用できる。そのうち2方式の電子海図をECS 980のハードディスクに保存し、必要に応じて交互に使用することも可能。 
(3)船舶建造価格の削減 
 ブリッジ・システムを統合された「パッケージ」で一括購入し、まとめて設置することにより、時間とコストの削減が可能になる。 
(4)システム統合による機能性向上 
 ソフトウェア・プログラミング、ITネットワーキング、マイクロエレクトロニクス、標準インターフェイス・プロトコル等の先進技術は、航海機器モジュール間の互換性と調和を比較的容易にし、システムとしてこれまでにないスピードと正確性の高いデータ処理を実現している。統合されたシステムの高機能性を活用することにより、航海者はGMDSS通信等航海以外の作業に時間を割くことができ、結果として航行安全性も向上する。 
  
その他の利点及び特徴 
●ECS 970 ECDIS、IND 970グラフィック・コニング・ディスプレイ、RPU 970 Voyage Planning Stationの表示機能は全てX Window Systemグラフィック・ソフトウェア標準に準拠。カーソル、グラフィック・スライド・バー及びボタンにより機能選択が容易。 
●長距離航路の航路計画を瞬時にcircle routingで行うことができ、画面上でメルカトル・コースに変換可能。帰路はクリックひとつで往路の逆コースを作成することができる。 
●システムの一部の機器が故障した場合でも、他の機器には影響を及ぼさない設計。また、異常のある航海センサーからのデータは、INS 970に拒否され、音響及び可視アラームで異常を知らせる。 
●全世界で24時間体制のテクニカル・サポートを提供。 
●ハードウェアはEthernet LANにより相互接続されている。このオープン・アーキテクチャにより、ECDIS、コニング・ステーション、ブリッジ・ディスプレイ等の追加機器を船長室等他のロケーションにも設置することが可能。 
●グラフィック・コニング・ディスプレイは、21インチのCRTまたはフラット・スクリーンTFT LCDモニターを採用。また、ブリッジ上のレイアウトも自由に選べる。 
●ディスプレイ上には、グラフィック・コニング・ディスプレイ、ECDIS、ARPAレーダー2基のうち、2種類または4種類のデータを選んで表示することができる。 
●オペレーティング・システムは安定性の高いLinux OSを採用。 
  
INS 970標準仕様 
●ARPAレーダー 
●ECDIS及び航海プランニング・ステーション 
●グラフィック・コニング・ディスプレイ 
●オートパイロット 
●ジャイロコンパス 
●磁気コンパス 
●ステアリング制御システム 
●アラーム・モニター 
●スピード・ログ 
●エコーサウンダー 
●VDR 
●(D)GPS 
●風速・風向 
●気象情報ファクシミリ 
●GMDSS通信 
■VHF、MF、HF無線 
■Inmarsat B、C、M 
■Navtex 
■EPIRB、SART 
●外部音響 
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