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国際海事情報シリーズ79 欧州における航海機器のシステム化の現状と動向に関する調査

 事業名 造船関連海外情報収集及び海外業務協力事業
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


VTS: Selesmar Vessel Traffic Systems
 1984年の発売以来、全世界で50システム以上のVTS設置実績がある。その多くは港湾、内陸水路等の輻輳水域の陸上局、及び沿岸警備施設やオフショア・プラットフォームで使用されている。
 
 VTSの主なメリットは以下の通り。
(1)船舶同士の衝突、沈没の回避。
(2)捜索救助活動を容易にする。
(3)輻輳水域での船舶の動きを効率化する。
(4)防衛上重要な水域の監視。
 
 VTSシステムは、設置場所の気候、インフラ、電波受信状態等の環境要素によって大きく異なるため、ユーザーに応じてひとつひとつカスタム化しなくてはならない。
 
 Consilium Selesmarは、20年来の経験と、Consiliumグループ内で共有されているエンジニアリング技術により、信頼性の高いテーラーメイドのターンキー・システムを競争力のある価格で提供している。
 
顧客・提携企業
 Consiliumの主要顧客は、船主及び大型商船を製造する造船所で、同社がターゲットとする造船所は大部分がアジア地域にある。最近のトレンドとして、船主、造船所が舶用機器をIBS/INS等のトータル・システム・ソリューションとして一括購入する場合が多いため、Consiliumは、システム・サプライヤーである他の舶用機器メーカーとの良好な提携・協力関係を特に重視している。
 
Consilium Navigationの提携メーカー
SAM Electronics(ドイツ)
JRC(日本)
Kongsberg Maritime Ship Systems(ノルウェー)
Raytheon Marine(ドイツ)等
 
 Consiliumは、オランダ、英国、日本、韓国、中国、シンガポール、米国に営業拠点を置き、販売、サービス、サポートを行っている。
 
VDRユーザー例:Star Cruises
 Star Cruises社は、20隻のクルーズ船を所有し、Star Cruises、Norwegian Cruiser Line、Orient Lines、Cruise Ferriesを傘下に持つ世界第4のクルーズ会社である。本社はマレーシアPort Klang。
 
 同社は1996年よりConsiliumのVDRを業界でもいち早く導入し、1998年にはIMOの安全基準であるISM証明も取得している。また、デンマークのForce Technology(旧the Danish Maritime Institute)と共同で、Port Klangにトレーニング施設を設立し、VDRに記録された実際の航海データを使ったシミュレーション・トレーニングを行っている。
 
 さらに、同社はNautical Learning Event Report(NLER)という事故原因究明プロセスを開発し、航行の安全性向上に役立てている。NLERでは、同社の船舶が事故に遭遇した場合、VDRからの情報をデータ・テープにダウンロードし、船長のレポートとともに航海担当役員に提出され、同社のシミュレーターに記録される。原因究明結果は、クルーにフィードバックされると同時に、今後のトレーニング教材として利用される。結果は港湾管理局にも提出される場合もある。同社のシステムは、VDRからのアウトプットを事故発生現場の海図等の情報を含むデータベースに接続可能である。
 
 Star Cruise社のNLERシステムは、2002年のSMM見本市で、Lloyd's ListのSSM賞を受賞した。
 
研究開発プロジェクト
 Consiliumの研究開発予算は年間4,000万スウェーデン・クローナで、研究開発拠点はストックホルム、ヨーテボリ、フィレンツェ、ボストンである。マリン部門の研究開発には約40名が従事している。
 
 マリン部門の研究開発は、他社の航海機器、新システムとのインターフェイス、既存船及び既存システムへの効率的なレトロフィット方法の開発を優先課題としている。
 
 一方、Consilium Selesmarは次世代レーダー・システムの開発を行っている。その一環として新たなレーダー表示方式が実用化され、新システムに組み込まれている。
 
 また、Consiliumは欧州連合(EU)欧州委員会が部分出資する「Telemasプロジェクト」に参加している。Telemasプロジェクトは、船舶に搭載されている航行及び安全システムの遠隔診断とサービスに関する開発プロジェクトで、ハンブルクのInstitute für Schiffsbetrieb, Seeverkehr und Simulation(ISSUS)が主導している。
 
調査協力(敬称略)
●片山海事技研事務所 片山瑞穂
●海上技術安全研究所 福戸淳司
●日本船主協会 欧州地区事務局長 赤塚宏一
●Capt. C K D Cobley, Secretary-General, Comité International Radio-Maritime (CIRM), UK
●Dr Andy Norris, Consultant in Marine Navigation Systems, UK
●David J Patraiko, Project Manager, The Nautical Institute, UK
●Russell Gould, Commercial Business Director, Kelvin Hughes Ltd., UK
●Niels Hofdahl, Head of Simulation Department, Maritime University of Denmark (MUV), Denmark
●Erik Styhr Petersen, Manager Special Project, Lyngsø Marine A/S, Denmark
●Jillian Carson-Jackson, Technical Coordination Manager, International Association of Aids to Navigation and Lighthouse Authorities (IALA), France
●Anthony P. Margadant, Senior Advisor, Rotterdam Port Authority/Traffic Management, the Netherlands
●DFDS Tor Line "Tor Britannia", "Dana Sirena", Denmark
●Stena Line "Stena Jutlandica", Sweden
●Mols-Linien "Mette Mols", Denmark
●Scandlines "Prins Richard", Denmark
 
参考文献
一般/総論
●IMO各種資料
●EU各種資料
●各船級協会資料
●各社アニュアル・レポート、カンパニー・プロファイル、ニューズレター、プレゼンテーション資料、製品カタログ、ホームページ等
●"Security in Maritime Transport: Risk Factors and Economic Impact", Maritime Transport Committee, Directorate for Science, Technology and Industry, OECD, July 2003
●"The European Marine Equipment Council 2003 Directory", The European Marine Equipment Council, 2003
●国際海事情報シリーズ−61「欧州舶用企業の企業戦略調査−機器システム供給能力の強化について−」、(財)シップ・アンド・オーシャン財団・(社)日本舶用工業会、2002年3月
●"Integrated Bridge Systems and the Human Element", The Nautical Institute Conference, September 2003
●"Guide for Bridge Design and Navigational Equipment/Systems", American Bureau of Shipping, January 2000 (updated June 2002)
●Digital Ship Online Newsletters
 
規制/国際基準
●「航海用電子機器の国際基準」、基準研究成果報告会、片山海事技研事務所 片山瑞穂
●「統合船船橋システムの国際基準に関する研究」報告書、海上技術安全研究所 福戸淳司、2002年
●"The Prestige Accident, Press Pack", Directorate-General for Energy and Transport, European Commission, 05 March 2003
●"Ships' "black boxes" and automatic identification systems - regulations enter into force on 1 July 2002", IMO Briefing 22/2002, 28 June 2002
●"Issues to be considered when introducing new technology on board ship", MSC/Circ. 1091, IMO, 6 June 2003
●"International Convention for the Safety of Life at Sea (SOLAS) 1974", IMO
●"IMO adopts comprehensive maritime security measures", IMO, December 2002
 
EUプロジェクト
●"Participating in European Research, Guide of applicants under the Sixth Framework Programme for European Research & Technological Development (2002-2006)", European Commission, October 2002
●MMBプロジェクト・ホームページ
●ATOMOSプロジェクト・ホームページ
●ATOMOS II "Conceptual Standard for SCC Design (including HMI", ATMOSII Contractors, December 1998
●The ATOMOS Project "No News", Erik Styhr Petersen, Manager Special projects, Lyngsø Marine A/S, September 2003
 
AIS
●"Universal Shipborne Automatic Identification System (AIS) Transponder", U.S. Coast Guard
●"AIS: a status report", DigitalShip plus, 12 September 2003
 
VDR
●"Voyage Data Recorders", Compuship, January 2000
●「航海データ記録装置(VDR)」、COMPASS 2000年7月号
●「航海データ記録装置特集号」日本航海学会誌2002年3月第151号、片山海事技研事務所 片山瑞穂(日本航海学会講演会原稿、2001年10月26日)
 
ECDIS/ECS
●"Practical Experience in ECDIS Training", Niels Hofdahl, Fanø Navigationsskole, Denmark, 2000
●"ECDIS and AIS: a perfect marriage?", Maritime IT & Electronics July/August 2003, The Institute of Marine Engineering, Science and Technology, London
●"ECDIS: avoiding the update chore, electronically", Maritime IT & Electronics July/August 2003, The Institute of Marine Engineering, Science and Technology, London
●"ECDIS: the plus factor", Maritime IT & Electronics June 2002, The Institute of Marine Engineering, Science and Technology, London
●"How easy is electronic chart navigation?", Digital Ship January/February 2003
●"Shipping's perspective on electronic chart", Digital Ship January/February 2003
●"Deploying ECDIS: the Algoma Central Marine story", Digital Ship March 2002
●「「電子海図」、AIS登場で標準搭載品へ 欧州、東アジアが急ピッチで整備」、COMPASS 2003年5月号
●"The right time for electronic charts", Digital Ship May 2003
●"Are ENC's, only route for the paperless navigation?", Primar Stavanger, The Digital Ship Seminar, April 2003
●"ECDIS uptake still needs to pick up momentum", Speed at Sea, August 2003
 
IBS/INS
●"IBS: the pace quickens", Maritime IT & Electronics July/August 2003, The Institute of Marine Engineering, Science and Technology, London
●"Integrated Bridge Systems: SAM encompasses the world", Marine Equipment News, June July 2003
 
VTS
●"Big Brother is helping you - The future of VTS in the Netherlands", Marten G. Koopmans, Ministry of Transport, Public Works and Water Management, The Netherlands, 2002
●"VTS: from autonomous to networked", Maritime IT & Electronics July/August 2002, The Institute of Marine Engineering, Science and Technology, London
●"VTS upgrade offers peak performance", Maritime IT & Electronics March/April 2003, The Institute of Marine Engineering, Science and Technology, London
●"AIS and VTS", Digital Ship March 2002
 
Galileo衛星
●Galileoプロジェクト・ホームページ
●"It's go for Galileo", Maritime IT & Electronics June 2002, The Institute of Marine Engineering, Science and Technology, London
●「ガリレオとGPS-協調か対立か」、米外交問題評議シニア・フェローリチャード・ガーウィン、フォーリン・アフェアーズ日本語版2002年11月号







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