介護認定に関する苦情(5)
娘の住所地で介護サービスを受けたい
サービス利用者・・・87歳
相談者・・・娘
●相談苦情の概要
他市に住んでいる親が、最近電話で頻繁におかしなことを言うようになっている。自分の住んでいる市に連れてきて、認定申請を受けたいが、どうしたらよいか。
●相談受付機関の対応
一時的な住居ならよいが、長期間の居住の場合は住民票を移して申請をして欲しい。もし住んでいる市で認定申請をしているならば、申請の取り下げを行い、改めて移転先の申請を行うように助言した。
●問題点
住民票と本人の住所が不一致では、市区町村が独自に提供する高齢者への福祉サービスが提供されず、介護保険を利用した住宅改修も受けられないなど、利用者自身の不利益につながることもおきてくる。そのため、住民票はなるべく早く移したほうがよい。
●特記事項
他の市区町村に移転した場合、前の住所での認定をそのまま適用するには、
(1)前住所地の市区町村から受けていた認定の証明書を発行してもらう必要がある。
(2)証明書を添付して14日以内に移転先の市区町村に申請すれば、審査判定を受けずに認定を受けることができる。
*但し、14日以内であっても転居時に認定から4ヶ月を過ぎている、もしくは利用者の状態が悪化している場合には、再度審査判定を受けて認定の見直しをする必要がある。
《提出に必要な書類》 要介護認定証明書、介護保険被保険証
介護認定に関する苦情(6)
更新手続きを忘れて、サービスの費用が自己負担になった
サービス利用者・・・要介護4
相談者・・・同居家族
●相談苦情の概要
認定更新の時期がきたのに忘れていた。そのため、再度、認定されるまでの間のサービス費用23万円の請求がきた。介護度の状態は全く変わっていないのに請求された費用を自己負担で払わなければならないのが、どうしても納得できない。
●相談受付機関の対応
国保連では、ケアマネジャーが、なぜ更新の手続きの援助をしなかったのかを問題にした。ケアマネジャー、サービス提供事業者にも認定申請への援助義務がある(厚生省令第38号第8条ほか)ので、それを怠っていたと思われる。介護保険上で救済される事は難しいが、費用負担については三者で話し合う方向での解決を助言した。
●問題点
ケアマネジャー、サービス提供事業者にも責任がある事は明らかで、運営規準違反である。法的には、いったん要介護認定の有効期間が切れてしまった場合、再申請しても申請日を遡っての効力はなく、救済することは難しい。
しかし、この利用者は要介護4であり、有効期限の切れた間だけ自立できたとは考えられない。こうした明らかに矛盾したケースの救済については、今後の介護保険の見直しの中で提言すべきである。
●特記事項
保険者によっては、介護認定の有効期限の切れる1ヶ月前、2ヶ月前などに更新手続きの案内が送付されるところや、担当のケアマネジャーを通じて連絡がされるところもある。
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