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参考資料
参考資料1:町田市を例にしたケーススタディ
 町田市を例に、地域福祉交通サービスの計画フローチャートに沿って現況分析、需要動向分析を行った。
 
 町田市は既にSTSを運行しているので、サービスの拡張計画が考えられるが、ここでは、町田市の地域福祉交通サービスの現況、地域福祉交通サービスが必要な高齢者・障害者数の推計例を示した。
 
 詳細な推計のために必要な高齢者・障害者実態調査、地域福祉交通サービス拡張計画の策定については本調査では実施していない。
 
 本調査における対象地域の選定理由は次のとおりである。
・地域福祉交通サービスに対する自治体の取り組みが進んでいる地域
・地域密着型交通機関が必要な大都市郊外、又は地方部の都市
・利用者数、利用者ニーズ等に関するデータが比較的整備されている
 
表1 対象地域の選定理由
対象地域 選定理由
町田市
(東京都)
・福祉のまちづくりに対する取り組みが活発(町田駅周辺のバリアフリー化等について検討)
・1972年から、車いすのままで乗車できるリフト付きバスの「やまゆり号」をわが国唯一かつ初めて、自治体直営で移送サービスを運行
・移送サービスを行うNPO等ボランティア団体が複数存在
・丘陵地に住宅地が多く、町田駅を中心として放射状にバス路線が集中
 
(1)地域及び公共交通の現況分析(計画フローチャート、ステップ2)
 
1)地勢(位置)
 町田市は、東京都心から南西30〜40kmに位置し、面積は71.62km2。首都圏における住宅需要を受け入れており、町田市に常住する通勤・通学者の210,037人のうち、町田市以外の市区町村へ従業・通学する者は60.3%(126,664人)である。
注)内、東京23区を従業地とする者は45,545人。
 
図1 町田市の位置
(拡大画面:47KB)
 
2)人口
a. 人口の基本データ
 人口は395,129人、人口密度5,517人/km2(平成15年7月1日現在、住民基本台帳による人口)となっている。65歳以上の高齢者は全人口の16.1%(63,728人)を占め、東京都の平均(17.1%)よりやや低い。
注:平成15年1月1日現在、住民基本台帳による人口統計による。
 
b. 高齢者・障害者に特化したデータ
 
 65歳以上の高齢者数は63,728人であり、高齢化率は16.1%である。高齢者のうち介護保険認定者数は、9,188人(14.4%)である。
 身体障害者数は8,554人、知的障害者数は1,885人であり、障害者の合計は10,439人(精神障害者を除く)である。町田市総人口395,129人の2.6%を占めている。障害者のうち、ほぼ半数の4,796人(45.9%)が65歳以上である。
 町田市の高齢者と障害者の合計人数は69,371人である(表2、表3の合計より65歳以上の障害者数を差し引いた人数)。
 
表2 町田市の高齢者数(単位:人)
資料:町田市高齢者介護課統計(平成15年7月1日現在)
 
表3 町田市の障害者数(単位:人)
注: 精神障害者は「町田市障害者計画」によると、4,633人と推計される(平成15年)重複障害者(再掲)とは、身体障害者のうち、複数の障害を持つ者を指す。
資料: 町田市障害福祉課統計(平成15年7月1日現在、住民基本台帳)
 
3)施設分布
 町田駅周辺等中心部ではデパート等大型店舗が集積し、これを囲んで住宅街が広がり、その外側には大規模な団地が点在している。大規模な団地内には、大型小売店はあるが、病院は団地から離れた場所に立地している。
 
図2 住宅団地・都市・福祉施設の分布
(拡大画面:44KB)
注)病院:専用のビル、かつ複数科目の診療を行っている病院。
 
図3 高齢者福祉施設等位置図
 
図4 障害者施設位置図
 
4)交通
a. 道路
 町田市の南東部から北西部を貫く町田街道が道路ネットワーク上の重要な要となっている。主要国道では、首都圏の環状線(国道16号線)と放射線(国道246号)が通っている。町田市における道路幅員は、約80%が5.5m未満であり、道路の改良率は50%に満たない状況である。特に町田駅等、駅周辺道路は一方通行を含む幅員の狭い街路構造となっている。
 
b. 公共交通
(1)鉄道
 市内を通過している鉄道路線は、東京都心からの放射状路線として小田急線(市内に3駅)、東急田園都市線(同3駅)、京王相模原線(同1駅)と、これらの路線と連絡するJR横浜線(同3駅)の4路線である。町田駅がJR横浜線と小田急線の乗換駅となっており、町田駅周辺に特に商業施設が集積している。
(2)バス
 市内を運行している路線バスは、神奈川中央交通バス、小田急バス、京王バスの3社である。町田駅前にはバスターミナルが3カ所設置されており、市内各地へのバス路線が集中している。一方、町田駅周辺道路では、買物目的等の自家用車やバスの交通量が道路容量を上回り、渋滞が発生しやすい。
 町田駅発着のバス路線は市内東部を概ねカバーしており、東部のバス交通は大半が町田駅を起点とする路線である。その他、鶴川駅・相原駅も小規模な乗換拠点となっている。市域は南東部から北西部に広がり、北部・西部の丘陵地帯に立地する団地(鉄道空白地帯)へアクセスするバス路線とその運行本数が少ない。
(3)タクシー
 町田市を営業拠点とするタクシー会社は、小田急交通南多摩(株)(60台)とカンツリー交通(株)(92台)の2社を始め、相模原観光交通(株)、川崎交通産業(株)、神奈川都市交通(株)、京王タクシー、あらいぶ(株)、千代田タクシーなど約10社である。このうち、約4社が介護付タクシーやリフト付タクシーサービスを提供している。このほか、個人タクシーがリフト付タクシー1台を運行している。なお、東京都町田市と同じ生活圏を持つ神奈川県相模原市とはタクシーの営業区域が分かれている。
 介護保険制度の「通院等乗降介助」(いわゆる介護タクシー)の指定事業所として、平成15年9月から(株)コムスンが初めて参入している。
 
図5 町田市内鉄道及びバス路線
(拡大画面:87KB)







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