第3章 移送サービス運行主体の運営実態分析
本章では、移送サービス運行主体の運営実態分析のために、移送サービス団体へのアンケート調査と移送サービスを行う一部団体の運営、運行に関する既存データの分析を行った。
3.1 移送サービス団体への意識調査結果
3.1.1 調査概要
(1)調査の視点
調査の視点は次のとおり。
・移送サービスの利用実態の把握
・ボランティア団体の運営上困っている点の把握
・移送サービスを取り巻く環境の変化に対するボランティア団体の意見の把握
(2)調査方法、実施時期
東京ハンディキャブ連絡会が、平成14年12月に実施し、「全国移送サービス実施団体ガイドブック」作成調査の付帯調査として実施した。801団体が本調査に協力した。
3.1.2 調査結果
(1)利用目的の制限
利用の目的について制限を設けている団体は、約6割を占めている(図3-1)。
団体特性別にみると、社会福祉協議会では「目的制限あり」が、NPO等ボランティア団体では「目的制限なし」が他層に比べて高い(表3-1)。
図3-1 利用目的制限の有無
表3-1 実施団体別目的制限の有無
|
目的制限あり |
目的制限なし |
回答数 |
合計 |
59.1% |
40.9% |
762 |
社会福祉協議会 |
72.7% |
27.3% |
462 |
NPO等ボランティア団体 |
37.8% |
62.2% |
294 |
その他 * |
50.0% |
50.0% |
6 |
|
*社会福祉法人、財団、市町村運営
(2)病院送迎の割合
全体の運行回数に対する病院送迎は、「病院送迎率80%以上」で約6割を占め、移送サービスの利用目的では「通院」が多い事が明らかになった(図3-2、表3-2)。
図3-2 病院送迎の割合
表3-2 病院送迎の割合
|
なし |
〜10% |
〜20% |
〜30% |
〜40% |
〜50% |
〜60% |
〜70% |
〜80% |
〜90% |
〜100% |
不明 |
回答数 |
合計 |
4.0% |
4.4% |
3.0% |
2.4% |
1.9% |
4.1% |
3.0% |
7.2% |
12.6% |
17.7% |
29.0% |
10.7% |
801 |
社会福祉 協議会 |
2.9% |
1.2% |
1.9% |
2.1% |
0.4% |
3.7% |
2.1% |
6.0% |
12.5% |
20.2% |
37.6% |
9.4% |
481 |
NPO等 ボランティア 団体 |
5.8% |
9.3% |
4.8% |
2.9% |
4.2% |
4.8% |
4.2% |
8.9% |
12.8% |
14.4% |
15.0% |
13.1% |
313 |
その他* |
0.0% |
0.0% |
0.0% |
0.0% |
0.0% |
0.0% |
14.3% |
14.3% |
14.3% |
0.0% |
57.1% |
0.0% |
7 |
|
*社会福祉法人、財団、市町村運営
(3)運営方式
「単独運営」が63.4%と最も多く、「自治体からの受託」は34.9%である(図3-3)。
団体特性別にみると、社会福祉協議会では「自治体からの受託」が、NPO等ボランティア団体では「単独運営」が他層に比べて高い(表3-3)。
図3-3 運営方式
表3-3 運営方式
|
単独運営 |
自治体からの受託 |
社協からの受託 |
その他 |
回答数 |
合計 |
63.4% |
34.9% |
1.2% |
0.4% |
724 |
社会福祉協議会 |
44.4% |
53.9% |
1.2% |
0.5% |
432 |
NPO等ボランティア団体 |
93.3% |
5.3% |
1.1% |
0.4% |
285 |
その他 * |
14.3% |
71.4% |
14.3% |
0.0% |
7 |
|
*社会福祉法人、財団、市町村運営
|